ベテランたちの奮起と若手の課題と

存在感を発揮したのは「落ち着きをもたらしてくれる選手」(木山監督)。91分にオズマールのスピードを、老獪な読みでストップしたのは34歳の坂本。直後のピンチにも確実にタッチへ蹴り出すことで、流れを切ったのは34歳の山口智。ベテラン2人の落ち着きを力に、94分のCKも凌ぐと、いつの間にか綺麗な月が輝いていた夜空を切り裂くホイッスル。「失っていた自信が少しずつ体の内側から漲ってきているのが、本当に感じられた試合」と指揮官も評したホームチームが、大きな勝ち点3を手にする結果となりました。(J SPORTS

 引用させていただいた文中にもある通り、坂本はオズマール相手にも冷静に対応していましたね。
 スピードでは劣る坂本ですが、粘り強く対応することで、簡単には抜かれず遅らせてから対処するというベテランらしい守備を見せてくれました。
 攻撃面でもオーバーラップも地味に効いていたところがあると思いますし、このままのコンディションをキープしてシーズンの終盤まで頑張ってほしいですね。


 この試合では右SBの高橋の守備も、良かったですね。
 福岡はサイドにオズマールなど足の速い選手を流れさせて、そこから縦への展開を狙う攻撃をやってきていたので、スピードのある高橋にとってはやりやすい面があったのかなと思います。
 足元での守備の対応は十分計算できそうですし、この日の二人の粘り強い対応は大岩も学ぶべきところがあるのかもしれませんね。



 ベテランや新加入の選手が起用されている一方で、福岡戦では米倉、伊藤、武田といった選手たちはベンチにも入れない状況となってしまいました。
 開幕戦でスタメン出場した米倉ですが、その後はけがもあって長期間、戦線を離脱してしまいました。
 その間にチームはパスサッカーから、カウンターに意識の強いサッカーに変わった印象です。
 そうなってくると、前線にはスピードのある選手が求められることになり、現在はサイドハーフにも自分で仕掛けられる選手が起用される傾向になっているので、今の米倉は戦術的に合いにくいのかなぁと。
 伊藤に関してはもう少し自発的にボランチのエリアからゲームを作ってほしかったですし、それができる選手だと思うのですが、兵働という絶対的なゲームメイカーが加入した分、やりにくい部分があったのでしょうか。
 それでも伊藤がもう少しパスワークの部分で効いてくれば、兵働の負担も減るのではないかとは思っていたのですが。
 武田はクロスは精度も種類の豊富さも素晴らしいものがあるですけど、運動量は少なく自発的に自分の動きで相手の守備陣形を混乱させる…という部分には課題があり、チームが全体的に運動量の少ない問題もあって、坂本にとってかわられてしまいました。
 守備のほうは丁寧に対応することで向上してきたとは思うのですけど、まだまだ攻撃面においてそのクロスの良さを出しきれないことが多く、クロスを上げるまでの持っていき方に課題があるのでしょうね。


 それぞれ足りない部分や、コンディションなどの問題もあるのかもしれません。
 自分で乗り越えなければいけない部分ももちろんたくさんあるとは思うのですけど、ここであげたのは比較的年齢の若い選手たちですし、チームでのメンタル的なケアもしっかりとやっていってほしいところですね。



 しかし、土屋さん、きれいで表現豊かな文章を書きますね。
 それでいて気取っていない感じが出ているのは、しっかりとサッカーの考察もできているからなんでしょうか。
 真面目な文章の中にも文才を感じで、すごいなぁと感心してしまいました。
 自分も表現のバリエーションを増やせるといいんですけど、型にはまっちゃってなかなか難しいですね…。