ゴール前での迫力不足、アイディア不足

 ロンドンオリンピックが始まったら、見たい中継が増えて忙しくなるのかなぁと思ったのですが、なんだか前の週から見る物がたくさんですね。
 東日本大震災復興チャリティーマッチやら、五輪に向けての強化試合やら、F1やら、例のDVDやら…(笑)
 嬉しい悲鳴ではあるんでしょうけど、時間を考えると大変。
 オリンピック前に気持ちが落ちてしまうんじゃないかとか、そもそも自分の中で盛り上がるのか?という問題もあったりもしますが…。


 さて、そんな中でも行われるJ2。
 より良いコンテンツを見せなければ…ですね。
 オールスターなどを見ていても、やっぱりJ1の選手たちのレベルの高さを感じましたし、選ばれた選手たちとはいえやっぱり差はあるなぁと。
 このあたりも弱肉強食。
ダヴィの一発で失点
 試合序盤はジェフペース。
 甲府は比較的、引き気味に守ってきて、ジェフがポゼッションできる流れとなっていました。
 この試合トップ下に入った兵働が左サイドに流れて、深井とチャンスを作るパーンが何度か作れていました。
 甲府は前回同様、裏への一歩への対応が苦手なのかな?という印象を受けました。



 しかし、トップ下の兵働がサイドに流れてチャンスを作る分、中央に人数が足りない場面も多く。
 対する甲府もサイドでの守備は後手に回ることが多かったですけど、中央はしっかりと守って対処。
 ジェフは身長のあるFWがいませんし、外から中への攻撃というのがなかなか作れていないので、ボールは持ててもなかなかゴール前では崩せず、勝てず、チャンスが作れない。


 ようするにジェフはそこを気持ちよく攻めてはいましたけど、実際には甲府にサイドを攻めさせられていた展開だったのかなぁとも思います。
 最近は感じてはいませんでしたけど、サイドからのセンタリングの質、ゴール前の高さ・強さ、選手の動き出しや中と外の連携…といったところは、シーズン序盤からの課題でもあったわけで、サイドは攻めさせてその分ゴール前はしっかり守るというのは、ジェフ対策として1つ考えられる手立てなのかもしれません。



 前半18分。
 今まで攻撃の回数が少なかった甲府ですが、ダヴィが強靭なフィジカルで山口智を振り切ってゴール。
 ダヴィの一発で、失点してしまします。


 この得点で、ジェフに攻め込まれていた甲府も落ち着いた印象です。
 甲府が後方でゆっくりとパスをつなぐ時間が長くなり、守備でも粘りが見られるようになっていきました。
甲府の守備に完封負け
 後半からはより積極的に交付がラインをコントロールして、コンパクトな守備を形成してきました。
 全体のラインは高くはなかったですけど、ジェフのように中盤がDFラインに吸収されるようなこともあまりなく、選手のポジショニングもボールサイドによるようなことも少なく、バランスの良い守り方だったと思います。
 それに対して、ジェフは単調な攻撃が多く、アクセントや変化を作れない状況が続きます。
 

 攻めての見つからないジェフは後半10分、藤田に代えてロボを投入。
 ロボは強さはやはり藤田より上なんでしょうけど、細かいポストや守備などはもう少しといった感じですかね。
 もちろん連携面もまだまだなんでしょうけど、細かい仕事の部分を考えると、今後は藤田あたりと組ませたほうが良いような気もしますね。



 後半34分にはこの日、五輪帯同で欠席中の大岩に代わって、右SBに入った山口慶を下げて、荒田を投入。
 守備を固める甲府に対して、3バックにして得点に奪いに行きます。
 しかし、甲府のほうも集中力を切らさず、ジェフのほうもゴール前へのボールが跳ね返されるばかりで、精度もアイディアももう1つ。


 唯一可能性を感じたのが左SB武田からのクロス。
 前半は前に深井がいてなかなか攻撃参加できなかったですけど、後半途中には途中出場の田中に決定的なチャンスを作りますが、これは相手GK萩の好セーブに阻まれ決めきらず。


 結局、甲府の堅守を崩しきれず、0-1でジェフの敗戦となってしまいました。
■気になる2列目の組み合わせ
 この試合、ジェフの総シュート数は15本に対し、甲府は3本のみ。
 甲府からすれば、耐えて耐えての1-0での勝利だったと思います。


 だからこその甲府ベンチの試合後のあの喜びようだったとは思うのですが、タスクとしては決して難しいものではなかったのではないかと。
 ボールこそ持たれていたものの、サイドや中盤の低い位置などで持たれることが多く、危険な位置でのプレー時間はあまり長くなく。
 サイドからの精度の高いボールも少なく、ゴール前での鋭い動きや、連動性のある動き、体を張っての強さなども感じず。
 全体的に、スマートでおしゃれではあるけれど、怖さはないというか(笑)
 攻撃に鋭さや厚みや変化が足らないですね。


 まぁ、やっぱり行き着くところは、守られた時の攻撃の質ですね。
 ロボを獲得したのはいいけれど、どうやってゴールの前を崩して、あるいは強引にこじ開けてでも点を取るのかが、まだ明確には作れていない、見えてこない感じですね。



 その中で気になるのは、2列目以降の組み合わせですかね。
 基本的には藤田(今後は状況によってはロボ?)がターゲットになり、体を張ってポストをするのは変わらないはず。


 そのパートナーを兵働トップ下にするか、深井にして2トップにするか、あるいは米倉か、ロボか…。
 例えばカウンターに特化した京都戦などは、両サイドに深井、田中といったスピードのある選手を置く作戦で成功しました。
 京都はSBもどんどん上がってくるし、全体的にラインも非常に高かったので、裏を取った後にスペースがある。


 けれども、この日のように相手が引いている状況だと、裏にはスペースがないから、深井をサイドにおいてもなかなかチャンスは作れず、逆に前半は武田の蓋になってしまっていた。
 そして、トップ下の兵働も基本的にはゴール前で受ける方の選手ではないし、前半はサイドに流れてきてゴール前に選手がいない場面もあった(この辺りは右サイドからの米倉の飛び込みにも期待したいところでしたが、その点では田中のほうが期待できるのかもしれません)。
 ただ、基本的には深井のFW起用もこうやって引かれた時の対策としては厳しいですしね…。


 そうなってくるとやはり期待されるのは、藤田・ロボの2トップなのか。
 あるいは藤田・米倉も、もともとはそういったゴール前での強さや迫力の部分で期待されていたのでしょうが。



 引いた相手をパスワークやコンビネーションで崩すサッカーをしているわけではないように思いますし、そうなってくると単純に個々の選手のゴール前での迫力だとか、アイディア不足。
 この辺りが必要なところなのかもしれません。
 例えば体を張って、ダイナミックに突っ込んでいく選手。
 ジェフ対甲府戦の裏で、そういったことができる選手が2人ほどスタメンで起用されていたような気もしますけど…(笑)
 今はロボにそれに近い動きができることを今は期待したいところなのかなと思います。