ゴールをあげた田中佑昌とレジナルドの起用法

 先日の水戸戦での唯一の得点となった田中のゴールは、田中のジェフ移籍後初ゴールということにもなりました。
 おめでとうございます。
 本人のコメントはジェフ公式サイトで確認できます。
 水戸戦での田中は結果だけでなく内容の面でも、良いものを見せてくれていたのではないでしょうか。
 オフザボールの動きで縦にどんどん仕掛けていって、ゴール前に動きができていたところがあったのではないかと思います。



 一方、スタメン出場したものの、後半18分に田中と交代したレジナルドの方はあまり輝けなかったですね。
 前節の栃木戦でもそうでしたが、レジナルドは中に入ってプレーする傾向が強かった印象があります。
 栃木戦の段階では大岩の前のスペースを開けるための作戦だったのかな?と感じていたのですが、水戸戦を見ると単純に藤田にあてて落としたボールを拾った両SHが飛び出していってゴールを狙う意図を感じたので、そこを強く意識した戦法だったのかもれません。


 そうなってくるとデビュー戦となった徳島戦に比べて、狭いところで強引に仕掛けていくようになったように感じるのも、もしかしたら本人の意思だけではなく監督の指示というところもあったのでしょうか。
 確かに木山監督は外国人選手の補強に関して、「点の取れるFW」を希望していたはずですし、レジナルドにも得点の部分を要求していきたいことなのかな…とも思わなくもないですね。


 しかし、レジナルド本人はこれまでの試合を見た限りではありますが、そこまで縦に鋭く仕掛けられるタイプではないようにも思います。
 それよりも懐の深いキープ力だとか、チャンスメイクを狙わせるような使い方のほうが、少なくとも日本では活きてくるのではないかと。
 ジェフにしても、栃木戦で見せたような鋭いクロスを持っている選手は少ないというのもありますしね。


 このあたりは相手選手との相対的な問題もあるはずで、イタリアでは縦への突破がウリだったりもしたのかもしれませんけど、日本では他の部分が強みになる可能性もあるのだろうと思います。
 マリオ・ハースもオーストリアでのダイジェスト動画などを見ると縦へも仕掛けられていた印象でしたけど、日本ではそこまでスピードのある方ではなくタメとクロスの精度で活躍していましたし、巻もロシアでは高さよりも裏への動き出しなどを評価されていた面があります。
 どんな選手でも多かれ少なかれその国のサッカーやチームに対してアジャストしていかなければいけない部分はあるはずで、レジナルドに関してもどういったプレーが通用し、どこが修正点になるのかを探っていかなければいけないかもしれませんね。
 個人的にはタメだとか周りを活かす部分を、もっと見てみたいなぁと思うのですが。



 水戸戦のように簡単にFWにあててSHを飛び出させるようなサッカーをするのであれば、レジナルドよりも田中の方が期待できるのではないかなぁと思います。
 しかし、あのようなサッカーだと中央にジェフの選手も相手選手も集まりすぎてスペースがなくなり、なかなかゴール前を崩せない問題が続いてしまうのではないかとも感じます。
 その分SBの前は空きますけど、それでも肝心のゴール前が窮屈になると得点は難しいですしね。
 強力なヘディンガーがいるわけでもないですし、栃木戦も水戸戦もゴールシーンでは外に開いたSHのクロスから得点が産まれているわけで。
 このあたりのSHの起用法やプレーエリアが今後どう変化していくのか、注目してみていきたいところではないかと思います。



 ところで、ホームゲームだとサイドに選手が集まってパスワークから攻撃を作れているのに、アウェイゲームになると簡単にFWに当ててSHが強引に仕掛けていくプレーが増えているのような印象もありますね。
 初めはアウェイだとコンディションでの有利性がないため、サイドでのパスワークを作りたくてもできない状況なのかな?と思っていたのですけど、水戸戦ではそこまでコンディションでは苦しんでいなかったにも関わらず「できていなかった」…というよりも「やろうという意志も感じなかった」ような。
 単純に焦りだとかメンタル的な部分もあったりするのかもしれませんけど、あえて変えているなんていう可能性もなくはないのでしょうか?
 このあたりもちょっと気になるところです。