京都に0-2で敗北 面白くなってまいりました
昨日3月11日で東日本大震災から1年。
情報が錯綜する中ではっきりという時期というのも難しかったのですが、改めて被害にあわれた方々にお悔やみを申し上げます。
もちろん、いまだに行方不明者も多く、震災の爪痕も残ったままではありますが…。
震災の影響を受けて、サッカークラブとはどうあるべきかを考えることも増えました。
当たり前のことではありますけど、やはり多くの人に夢や希望を与える存在であってほしい。
クラブに関わってきた人や労力が大きいほどそうあるべきではないかと思いますし、ジェフに関してはやはりこんなところでくすぶり続けるわけにはいかないのではないかなと思いますね。
■中盤の攻防でやや劣勢?
ジェフは開幕戦でスタメンだった坂本がベンチにも入っておらず、代わりにルーキーの大岩が右SBでスタメン出場。
ベンチからは荒田が外れ、けがから復帰した渡邊とこちらも新人の町田が入りました。
京都は開幕戦で負傷交代したバヤリッツァが肉離れと診断されており、CBに染谷が起用されました。
さすがに京都は、山形のように簡単にはやらせてくれませんでしたね。
開幕戦でのジェフは中盤の一歩目の出足と運動量で相手に勝り、ボールを奪われてもすぐに囲い込んで奪い返すことでリズムを作っていましたが、京都の選手たちの動きはよく、中盤で優位が作れない状況だったと思います。
京都はジェフのスカウティングもしっかり行ってきた印象で、ロングボールを受ける藤田を自由にはやらせず、深井には前を向かせず、武田にも簡単にはスペースを与えない対策を練ってきたのかなと思います。
攻撃では中盤のサイドに素早く選手が集まり、そこからパスをつないで行って、久保、宮吉に裏を狙わせるパターン。
ジェフはその中盤のところで、前を向かれてしまうシーンが目立ちました。
大岩は試合序盤こそポジショニングよく高い位置でプレーできていたことが多かったですけど、センタリングの質の部分は課題なのかなと。
攻撃参加のタイミングはよいと思うので、もう少し早く鋭いボールが蹴れるようになれば武器になると思うのですが。
兵働との連携ももう少し、改善していきたいポイントですね。
試合序盤こそサイドを広く使えてう悪くない立ち上がりだったジェフですが、前半途中からは運動量も落ち選手の距離感が広がってしまい、京都ペースになっていきました。
■DFラインの裏を取られて失点
後半に入ってから、ジェフは大岩の上がりを若干控えるよう指示を出したんでしょうか。
その分、前半あまり目立たなかった兵働を、大岩が前に押し上げるようにサポートする狙いがあったのかなと思います。
また、前半よりもショートパスを増やし、藤田の足元を狙った楔のパスが増えていきます。
京都の方はハーフタイムで積極的にジェフのDFラインの裏を狙う指示が出たそうで、実際に裏を狙ったパスが増えていきます。
前半の京都はサイドでパスをつないで行って高い位置まで持ち込むパターンが多かったですけど、その分高い位置に選手が増え、ジェフのDFラインも少しずつ下がっていくことで、スペースがなくなっていく傾向がありました。
そこで後半の京都はボランチなど低い位置からも裏を狙うボールを増やしていって、早いタイミングでDFラインの裏を狙うプレーを増やしてきました。
その分、ボールのロストも増えましたけど、一気にチャンスになる可能性は高いプレーを狙っていったということになります
それが形になってしまったのが、後半15分。
チョン・ウヨンと工藤が中盤低い位置でパス交換をし、工藤が前を向いた瞬間に中村充孝が武田の外から裏に飛び出して、そのままゴール。
前半からジェフは、京都からオフサイドを取るシーンが目立っていました。
オフサイドをとれているということはしっかりとラインがコントロールされているということにもなりますが、その反面、それだけ裏にパスを出されていたということでもあります。
タイミングも紙一重な場面が多く、決して良い状況ではないなぁとは思っていました。
相手は裏を狙うのが1つの攻撃パターンですし、ジェフはDFにスピードがある選手がいるわけでもないですから、競争では勝てないでしょうしね。
失点シーンでも、ラインは確かにきれいでしたけど、誰も中村に追いつけなかったということになります。
ジェフは後半17分に伊藤に代えて田中を投入し、深井を左SHに田中をFWに。
後半27分、佐藤健太郎に代えて、久保を投入。
今度は久保をFWに入れて、田中を右SHに、兵働をボランチに起用。
なかなか打開策を見いだせない攻撃に、アタッカータイプの選手を投入して無理ありこじ開けようという意図があったのでしょうか。
確かに田中のスピードが活かせたシーンもありましたけど、その分中盤の厚みや守備面では不安な部分もあった気がしますし、難しいところですね。
一方の京都は先制点後は前半のように、サイドでパスをつないでいくプレーが増えてきました。
特にジェフから見て右サイドで深い位置までボールを持ち込まれることが多く、そこから何度かピンチを作られていました。
しかし、試合終盤は京都の足元まり、チャンスかと思ったのですが、そこでジェフ側もパスミスなどをしてしまって、流れを完全にはつかめなかったですね。
そして、最後に原一樹にCKから決められ0-2に。
大岩に代えて町田を投入しましたが、そのまま試合のほうは終了となりました。
■前に行くのか、後ろで守るのか
ここ数年苦手としているアウェイゲームで、またも結果を出せませんでした。
ただ、選手たちのコンディションはそこまでひどい状況だったわけではないと思いますし、これから気温が高くなっていけばより動けない試合も出てくるかもしれませんから、このコンディションでも戦えるチームになっていかなければいけないのではないかなと思います。
攻撃においてはサイドからの攻撃というが1つの狙いなのでしょうから、そこの質を高めていく必要があるでしょうね。
クロスの質もそうですし攻撃しているサイドへの警戒が強ければ、逆サイドをうまく使えるようになりたいですし、SBのクロスの質に課題があるのなら、SHなどがクロスを上げられる状況も作りたいところ。
そして、ゴール前にももっと選手が入っていけるような状況を作るのか、理想ではないかと思います。
そして、守備においては、ボールを奪われた直後にうまく囲い込めればいいのですが、やはりその後の守備に課題があるように感じます。
開幕戦でも言いましたけど、4×4でMFラインが低く守りDFラインとの距離を近く保ってDFの前のスペースを消そうという意図なのでしょうけど、その分MFラインから前のスペースが広大で、相手DFやボランチへの守備が遅れることが非常に多くなっています。
失点シーンでもチョン・ウヨンにマークに行ったのが深井だったのはいいと思うのですけど、その近くにいたフリーの工藤にパスが出た時にあわてて佐藤健太郎がボランチからチェックに出て行くも間に合わず、そこでラストパスを出されてしまいました。
それでもDFラインの裏にスペースがなければ問題はないとは思いますが、今期のジェフはかなり積極的にラインを上げている印象です。
相手の後方にうまくチェックが行けていない状況で、DFラインを上げるというのはリスクが高すぎますね。
まぁ、それでも質の高いラストパスと裏を取るスピードがなければなんとかなるのかもしれませんけど、京都レベルまでくると簡単に攻略されてしまうと。
DFにスピードがあればそれでも追いつける場面が作れるとは思うのですが、今のジェフDFにはそういった選手もいないわけですし。
確かに山口が入ってラインは綺麗になりましたが、やはりスピードの面では課題もあるのかなと感じました。
開幕戦の山形も、ちばぎんカップの柏の後半も、山口、武田サイドの裏を狙ってきましたしね。
開幕前からカバーリング・ヘディンガータイプの2人で大丈夫なのかなぁ?とは思っていましたけど…。
オシム監督などはスピードタイプと高さのある選手のCBコンビが好きでしたけど、それもこういったことが起こりうるからということだと思います。
あるいは、岡田監督のようにDFラインは無理に上げずに、高さのある2人で跳ね返してカウンターを狙うのか。
昨年の菅澤監督体制では後者のやり方を選んでいましたが、やはり受け身になりがちで試合の主導権を握るのが難しいという問題もあります。
しかし、現時点ではMFラインは下がってスペースを消す守備をしているのですが、DFラインは積極的に前に出ていくという状況で、全体のバランスがよくない印象を受けます。
木山監督が水戸で指揮を執っていた時はDFラインもMFラインも下がって全体のスペースを消す守備をしていた記憶があるのですが、そこから無理矢理DFラインだけを上げたような状況になっているような印象も受けなくもありません…。
そうすると当然、裏のスペースケアが難しくなってくるはずで。
どちらにしても難しい状況だなぁとは思いますが、そう簡単に良いチームなど作れるわけはないので、こういった問題を解決していくことが、チームビルディングの楽しさでもあるのだと思います。
そういった問題を把握できたことが、まずは第一歩でそういう意味では無駄な試合ではなかったのかなとも思います。
開幕戦で山形には快勝しましたけど課題はあったわけで、あの出来で押し通せてしまっては簡単すぎてつまらないかなと(笑)
そういう意味では、京都に負けて面白くなってきたのかなとも思います。
特に気になるのは、守り方ではないかなと思います。
前に行くのか、後ろで守るのか。
多くのチームが迷うところだと思いますし、目指す戦術がはっきりしたところで、コーチ陣が守備戦術を作り上げられるのか、選手たちがそれを実行できるのかも含めて、今後に注目したいところではないかと思います。