市原臨海競技場のホーム登録終了に寄せて

Jリーグの理事会が21日、都内のJFAハウスで行われ、J2千葉が市原臨海競技場のスタジアム登録を終了することが報告された。(日刊

 ジェフがJリーグが開幕した1993年からホームスタジアムとして使用していた市原臨海競技場ですが、この度正式にホームスタジアムとしての登録を終了したとのことです。
 ジェフは当初習志野の秋津などをホームとして考えていましたが、騒音問題などによる地域住民の反対もあり、市原市の臨海を使用することになりました。
 その後、2002年W杯にあわせて現在の市原スポレクパークに大型スタジアムを建設する予定もありましたが、W杯が日韓共催となったこともあって中止に。


 そして、2005年末にはフクダ電子アリーナがオープン。
 少なくとも名目上は、ジェフがフクアリで試合をしている間に臨海を改修し、改修後にスタジアムを併用する可能性もあったはずで、ジェフのホームスタジアムはフクアリと臨海の2つになっていました。
 しかし、Jリーグから将来的にスタジアムの規定が厳しくなるという通達を受けたということもあり、その改修計画も変更され現在はゴール裏の仮設席も撤去された状態となっています。
 まぁ、このあたりは政治的な駆け引きもあったのではないかと思います。
 市原市としては簡単にジェフを失ってはいけないという姿勢だけでも見せなければいけなかったのかもしれないし、ジェフとしてはともかく酷かった観客動員に対してテコ入れをしなければいけなかった実情があったわけで…。
 今回、正式にホームスタジアムの登録から外れたということだそうですが、昨年からJリーグの公式サイトなどからは「臨海」の文字が消えていたはずです。
 正式に党力終了となるのは、臨海を使用していたジェフリザーブズの消滅も関係しているのでしょうか。



 臨海に関しては、正直に言って見づらいし最寄駅からも遠く風が吹くと逃げ場もなく寒いなど、決していいスタジアムではなかったのかもしれません。
 他クラブのサポーターなどからも、評判は良くないスタジアムでした。
(芝の状態に関しては、臨海の方が良かったのかもしれませんけどね。フクアリより風通しも良いし。)
 しかし、現在でも昔からのジェフサポは、臨海の雰囲気が好きだったという人も少なくありません。
 アットホームで開放的で、どこか牧歌的な空気の流れるスジアムだったと思います。
 けれども、当時の方が『ジェフ』というクラブや『選手』ここを応援するファンより、『サッカー』を見に来る人が多かった気もしますし(物好きな人ではないと見に来ない環境だった?)、意外とあの頃の方が厳しさを持ち合わせていたのかもしれません。
 「親が(環境面も含めれて)厳しく子供を見守る」ような環境だったのかなぁと思いますし、おんぼろでも暖かい文字通りの”ホーム”だったのかもしれません。


 現在はユナイテッドパークもあってフクダ電子スクエアもあって環境面は整っていますけど、まだその環境を活かせていないというか、大人に脱皮しきれていない印象もあります。
 臨海を”卒業”するのはクラブの流れとして仕方のない流れだったのではないかとは思いますが、こうやって正式に臨海から”卒業”させてもらったわけですから、その分も含めて成長していかなければなりません。
 もちろん臨海に限らず、多くの人の努力や思いでクラブというものは成り立っているわけですからね。



 臨海とジェフはこれで「さようなら」ということになるのかもしれませんが、現在は元ジェフコーチの池上さんが監督を務めるVONDS市原がホームスタジアムとして登録しています。
 クラブの公式サイトもできていますので、そちらもご覧ください。
 いつかVONDS市原とジェフが公式戦で戦える日が来ることを、祈っております。
 市原臨海競技場、改めてありがとうございました。