ジェフ、7人の選手と契約を満了
契約満了および期限付き移籍終了選手のお知らせ(ジェフ公式サイト)
今年も悲しい季節がやってきました。
しかし、選手達にとっても自分に合った良い環境でサッカーが出来ることが幸せなはずで、契約を延長し続けることが良いこととは限らないはずです。
個人的にはブログで何度も言ってきたように、来期のジェフは一からチームを作り直すべきだと思いますので、レンタル含めて7人の選手が契約満了になったというのは一般的には少なくない人数だと思いますが、ジェフの現状を考えれば思ったよりも少ないくらいでした。
選手の名前を見ると予想とは1,2人は違いましたけど、もう4,5人契約満了が増えてもおかしくないのかな…と思っていました。
今後、移籍による退団はあり得るのかもしれませんが、どこのクラブも規模縮小に動く中で良いオファーがあるのかな?という疑問もありますしね。
もしかして、複数年契約を結んで放出できない…なんてケースもあったりするのでしょうか。
以前にもジェフはそういったパターンがあったとの説明があったはずで、そうであればまた同じミスをしてしまったのか…と呆れてしまうところがありますが。
とはいえ、今回の契約満了者を見ると基本的には年齢層の高い選手とは離れて、若手を引き出す方向性を目指すということなのではないかと思いますから、その考えには個人的には納得したいと思います。
むしろ中途半端な決断をしたら、逆にクラブの将来に不安を感じるところだったと思います。
ファン・ゲッセル
192cmの長身ボランチとして、24試合に出場。
しかし、外国人選手では良く見受けられるように、日本人のアジリティに付いていけないところがあって、中盤でのチェックに少しずつ遅れるところが目立ちました。
プレー範囲が狭く、スタミナにも課題があったかなと思います。
しかし、前を向いてボールを持つと意外と質の良いパスを出すことができ、ミドルシュートなどもセンスを感じました。
35歳という問題もあってか怪我も多かったですし、もう10年とは言わなくとも5年くらい前に会いたかったですね(笑)
「背の高いアンカー」という意味では、補強ポイントは間違っていなかったんですよね。
太田圭輔
ピッチ内外において非常に真面目な選手で、それがプレーにも表れていた印象ですね。
スピードのある動きでボールを引き出す、運動量豊富にサイドをアップダウンするという点においては、ジェフらしい選手でもあったと思います。
ただ、ジェフで公式戦に52試合に出場してゴールがなかったという話もそうですけど、クロスの質に関しても課題が多かったと思います。
単純に狙った通りの場所にボールを出すというだけでなく、スピードや角度なども含めて。
ドワイト監督の要求でサイドをアップダウンするだけでなく中への切り込みも試みるようになったのは、1トップ全盛の現在において太田にとっても良かったのではないかと思います。
1トップではウイングに様々な仕事を求められることが多いと思いますし、サイドを縦に突破するだけではプレーの幅が狭すぎると思いますしね。
そのあたりの経験を、次のチームで活かすことが出来れば…と思うのですが。
福元洋平
福元も非常にまっすぐな性格の選手でしたね。
09年にジェフに入団して、ミラー監督の下、シーズン途中から主力として起用されていきました。
高さがあって長めのボールも蹴れる選手で、ミラー監督のサッカーには合っていたと思います。
しかし、江尻監督が就任しDFラインを上げる傾向が高まると、スピード不足が露呈し簡単に裏をとられることが増えてしまいました。
細かなポジショニングの修正などもできず、相手への読みの部分でもまだ課題があったように思います
個人的には益山か福元のどちらかが契約満了となる可能性があって、ベンチ入りの回数などを考えると益山の方かな…?と思っていたのですが、益山が残ったのは数少ないスピードで期待できるDFというところもあるのでしょうか。
それと福元はそれなりの実績がある分年俸もそれなりなはずで、そこがネックになった可能性もあるのではないかと。
公式戦出場は23試合出場(09年)→22試合出場(10年)で今期は3試合のみ、フル出場は控え組で戦った天皇杯1試合のみいうことを考えても、仕方がないのかなと思います。
福元にとってこれが次の良いステップなることを期待しています。
林丈統
林の場合、昨年復帰してからともかく怪我が多かったですね。
あれだけ怪我が多いと、財政状況の厳しいクラブにとっては、どうしても契約満了の対象になってしまうと思います。
プレースタイルも本人は違うと言っていますけど、どうしても深井と似ているところがあって、同時に使うとプレーが重なったり、守備面で厳しいところが出てしまったりと言う問題がありました。
深井の控えとして使うには年齢などの問題もありますし、相変わらずスタミナにも課題がある(笑)
鋭い仕掛けだけでなくパス出しの部分も含めてセンスがあると思いますし、怪我に関しての保証さえできれば次のチームも見つかるんじゃないかなぁとは思います。
頑張ってほしいです。
村井慎二
ここ数年のジェフというのはタメを作って精確なラストパスを出せる選手(エキストラキッカー)がいなかったのですが、神戸監督体制になってから村井がそのポジションについたことになります。
個人的には神戸監督体制になって主力選手として使われていただけに残すのかなぁとも思っていましたが(それまでの状況なら契約満了が妥当だと思っていましたが)、スタミナに問題があり90分間は持たず、運動量も少ないなど課題もあったと思います。
神戸監督体制になるまで試合に出場する機会はほとんどなく、怪我が多かったことも気になるポイントだったのかなと思います。
村井の契約満了が正しかったかどうかは、エキストラキッカータイプの選手が他に獲れるかどうか、あるいは次期監督体制でまずは結果よりも若手育成を主体に考え、ひとまずはそういった役割の選手は置いておくか…。
来期の体制によって、判断されるべきではないかかなと思います。
今期に入ってボランチで起用されるようになったことで、より選手としての価値は高まったんじゃないかと思いますし(年齢もあってあの運動量、スタミナ、スピードではサイドではもう難しいんじゃないかとも思いますし)、良い移籍先が見つかると良いですね。
茶野隆行
昨年はDFラインのリーダーとして活躍し、前年の磐田でのプレーよりも内容が良くなったんではないかと思うほどでした。
守備の統率だけでなく、パス出しの部分でも貢献し、ジェフでのMVP候補の1人だったのではないでしょうか。
しかし、今期は竹内・ミリガンのDFラインが安定し、公式戦で4試合の出場のみ。
年齢が35歳であること年俸もそう安くはないであろうことを考えれば、仕方がない結論ではないかと思います。
もう少し試合で見たかったとはいえ、実際竹内とミリガンのコンビは高いレベルにありましたしね。
来年に関してどうなるかはわかりませんけど、経験を活かした良い活躍の舞台を見つけてほしいと思います。
マット・ラム
ジェフに加入するまではプロとしての実績がほとんどない選手で、異国の地でいきなり10番を任されるという若干可哀想な面もあった選手ではないかと思います。
「外国人選手枠を埋めろ」という意見は良く言われていて(前から言っていますが、個人的にはそこまで無理に埋める必要性は感じてはいません)、その言い訳的な補強でもあったのかなぁと思っていました。
実際のところシーズン序盤ドワイト監督はクロッサーとして期待していたのでしょうし、そういった10番タイプの選手の必要性は感じるところでもあります(村井の項でも書きましたが)。
しかし、あまりにも選手として成熟しきれていないというか、日本の速いプレッシャーに対応できていないところがありました。
フリーでボールを持てる時は可能性も感じたのですけど…。
欧州目線で日本人選手を見ると、こんな感じなんでしょうか(笑)
レンタル移籍でしたので、カナダに戻ることになるのでしょうか。
まだ若い選手ですしジェフでの経験を活かして、カナダで活躍してくれればジェフを応援するものとしても嬉しいですね。
7選手ともにありがとうございました。
ジェフを離れても、新たなステージでの飛躍を祈っております。