ガンガンいこうぜ!

 東京Vブログの重鎮老将であらせられるみどりのろうごくさん(閲覧注意!)で、当ブログをご紹介いただきました。
 なんで自分なんかを良くしていただいているのかなぁとは思ったのですが、そうか、twitterでの自分というか、twitterとブログとの差に興味を持っていただいたんですね(笑)
 ブログからtwitterへの移行が増える中、定期的にブログを更新している仲間意識は勝手に持っていたところがありましたが。


 みどりのろうごくさんからは感性の豊かさを感じ、自由にブログを書かれている印象を受け、自分も刺激を受けています。
 今回のゆっくりいこうの分析も、ぐさっと来るところを明確に突いていますね(笑)
 実際、真面目な方の多いジェフサポの中で、自分がちょっとでもはみ出すお話をするとお叱りを受けることも多かったり。
 猫をかぶらずに言えばやりにくいというか、自分も含めてめんどくさいところがあるんだろうなぁとは思います(笑)
 逆に言えば人の良さそうな方はたくさんいそうですし、背中を押してくれる人もいますから(あれ?背中を押してくれるのは他サポばかり?)、自分なんかはもっとガンガン行くべきなんだろうなぁとも思うわけですが。
 いや、これまでも少しずつは行っていたつもりなんですけど、ともかく頑張ります…?
■東京VのパスワークVSジェフのプレス
 東京V戦のスタメンは、鳥取戦とほぼ同じ。
 鳥取戦からゲッセルに代わって村井。
 伊藤に代わって林が入り、深井がインサイドハーフに。
 ゲッセル、伊藤はベンチにも入らず大島もベンチ外で、代わりに茶野、坂本、青木孝太が入りました。
 やはり天皇杯磐田戦の竹内右SB、山口インサイドハーフ、久保スタメンの意図には、守備重視があったということではないかと思います。



 試合序盤から東京Vペース。
 鳥取戦とは違ってゲッセルではなく村井がスタメン起用されたこともあって、中盤の”スピード”面では活性化していた印象ですが、東京Vのパスワークに対してジェフのプレスがボールを奪いきれない。
 1トップのオーロイに機動力がないことで前からのチェイスがなく、伊藤の不在もあって中盤のプレスも一歩ずつ遅れがちな印象で。
 単純にボールを奪えないだけなら良いのですが、全体のラインが下がり、前にボールを運ばれてしまいました。
 中盤に”パワー”がない…大柄な守備的MFが不在なため(かといってゲッセルでは遅すぎる)、プレスにいっても奪いきれないといった印象でした。
 やはりサイズのあるアンカーはこれからオフでも、補強ポイントの1つになるでしょうね。


 これにより相手に高い位置まで持ち込まれることが多く、攻撃におけるカウンターでも後方からのサポートが少なく、オーロイにロングボールをあてて深井、林が参加するだけの薄い攻撃になってしまいました。
 オーロイが少し下がって落として、深井と林が前に出る形が多かったですけど、2人は似たタイプの選手で前にどんどん仕掛けるのがウリですから、どうしても前でタメなどを作る感じではなく、淡白な攻めになってしまうことが多かったかなと。
 オーロイもちょっと試合に、集中できていなかったところがあった気がします。


 いろんな意味で、なんでオーロイだったのかなぁと。
 セットプレーなども含めて一発にかけたかったのか、鳥取戦のようにまた後半勝負だったのか…。
 今のサッカーには基本あっていないと思うし、将来的な部分を考えてもわかりにくい起用だと思うのですが。



 東京Vは前線に巻・阿部を起用して右にアポジを起用することで、中盤はテクニカルなままですけど、そこから前はガツガツと行くサッカーになった印象で。
 2トップに強さとサイドに速さというポイントがはっきり作れていたことで、パスワークの狙いも明確に作れて、攻撃の加速も図れるところがあるのかもしれません。
 ただ、その分、最後まで綺麗に崩すというところは作れず。
 このあたりはチームとしてどちらをとるのか…という部分も大きいのでしょうけど。


 東京Vが綺麗に崩せなかった理由の1つにはジェフの守備陣が勇人も含めて、ゴール前のスペースを消して守っていた効果というのもあったのだろうと思います。
 ただ、勇人は後方への意識が強かった分、前に行ききれないシーンもありましたし、それが全体が下がる原因になったというか、全体が下がっていたからこそそうせざるを得なかったというか。
 自分が昨年見たジェフU-18の試合でも、ちょうど1ボランチがDFラインに吸収されるような後への意識の強い守備となっていた試合があり、現戦術だと重心が下がりがちなチームではあるんでしょうね。
■巻のゴールで0−1の敗戦
 後半から久保を投入し、より前への意識を高めたジェフ。
 しかし、逆にその裏を突かれることも多かったと思います。


 後半開始早々には、アポジが強引にサイドを縦に突破し、阿部がフリーでダイビングヘッドを放つも決めきれず。
 その直後には、逆にジェフが左サイドから米倉のクロスに深井が合せるも決めきれず。
 今期中盤までは決定力の高かった深井ですが、最近は決定機を外すシーンが目立っている印象ですね。
 コンディションの問題なのか、どこかに”迷い”があるのか。
 深井の良いところというか決定力の秘訣には、自信を持ってプレーしているところがあるのではないかと思っていたのですが、最近はプレッシャーなどもあるんでしょうか。

 
 後半13分。
 東京V右サイドからのFKは一度はミリガンがクリアするものの、相手に拾われもう一度放り込まれ、これをミリガンがクリアミス。
 これを相手にあわせられ、最後は巻が飛び込んでゴール。
 巻らしい合せ方でした。
 ミリガンはやはり軽いプレーが多く、これがジェフに入団するまで中盤やSBで起用されてきた原因なのかなぁとも思います。
 足元の技術にせよ、高さにせよ、スピードにせよ、選手としてのポテンシャルはジェフの中でも抜けている選手ですけど、どうも守備時に粘りが足りないプレーが見られるところがありますね。


 1点を奪ったことで、より勢いを増してきた東京Vの攻撃。
 中盤でボールを回され完全に主導権を握られていました。
 後半23分、24分には連続でミリガンがイエローカードを受けて退場してしまいます。  



 試合終盤は相手の運動量も落ちて行き、ジェフのチャンスも何度か作れましたが、最後のところ…ゴール前中央だけは東京Vがしっかりと守り、土屋と富澤は簡単には穴を作らせませんでした。
 そのまま1-0で終了。
 力負けだったと思います。
 東京Vは昇格争いの次のグループに位置するチームですし、そういう意味では現状ジェフのライバルで。
 同格のチームと戦って負けたわけですから、そこまでの驚きはないかなと思います。


 逆に言えば、これが現実であり、現在のジェフの実力であって。
 それを理解した上で、来季以降の準備と、覚悟を決めていかなければならないと思います。 
ジャイアントキリング向けのサッカー
 天皇杯でJ1の磐田相手に勝利したジェフですが、新体制のチームは格上相手向きのサッカーをしている印象です。
 守備ではともかく穴を作らないことを最優先に考えられている。
 ボールを奪う位置も決して通常は高くはなく、スペースを消した状態から相手のミスなどで良い形でボールを奪える時だけ前に行く。
 コンパクトなサッカーなんだけど、決して全体の位置は高くない守備だと思います。


 攻撃に関してもグランダーのパスを繋ぐ意識は高いですけど、決して攻撃的なパスワークではない。
 DFラインやサイドの選手などゴールから遠い位置の選手を中心に繋いでいって、少しずつフリーな選手を作りながら、穴を探していく狙いのビルドアップ。
 パスサッカーだけど「自主的にパスで崩す」のではなく、「相手の隙を待つ」攻撃だと思います。



 ですから、アクションサッカーというよりはリアクションサッカー
 ジャイアントキリング向けのサッカーだと思います。
 そういったサッカー自体は決して悪い物でなく、1つの考え方として正しいとは思うのですが、J2でマークされている中でそのサッカーでどこまで勝てるのか?というのは正直疑問も感じています。


 菅澤コーチのサッカーに関しては、U-18でも同様のサッカーで初年度のプリンスリーグ関東でも非常にウノゼロが多いことでも話題となっていました。
 そして、今期トップコーチに昇格してからも2点以上奪った試合はなく、勝利もウノゼロが2試合。
 戦力的に豊富ではないと思われるジェフU-18ならそういったサッカーでも分からなくはないですけど、J2においてのジェフはどういった立場で見られているのか。
 このあたりが「菅澤体制続投なら良くなっていく」と自信を持って言われている方への1つの疑問だったりします。


 個人的には昨年も去年も相手がジェフを警戒する中、それを上回る攻撃で点を獲れなかったことが、戦術的な一番の問題だと思っていて。
 正直J2のチームを見ても攻撃面で力不足を感じるチームが多く、守備に関してはある程度の基本を作れれば個人技だけでも守れてしまうところが多い。
 その道を極めたのが今期のFC東京で、東京Vもそういった守備ではないかと思います。
 逆に言うとこの試合終盤のジェフは穴のあるところまでは持ち込めたけれども、東京Vのゴール前はさすがに隙がなかったため、自らでは崩せなかった…とも言えるのではないかなと。


 このあたりに関しては神戸氏も監督交代会見で話していたことで。

「勝つためには得点が必要ですし、勝ち点3を取るためにいかに得点を取るかということだと思います。もちろん、攻撃偏重になってしまってはいけないのは重々、承知していますがやはり得点を取るということは勝ち点を取るための最大のテーマだと思いますのでそういうことを改善しながら残り8試合、総力を挙げて、昇格に向けて戦っていきたいと思います」

 このコメントには納得で、歴代のJ2でマークされながら昇格したチームも、攻撃的なチームの方が多かったと思います。
 しかし、これに菅澤コーチのスタイルとマッチするのかな?という疑問は当初からありました(初戦の感想でも少し話しましたが)。
 ついでに言ってしまえば、ドワイト監督の就任理由もかみ合っていない印象があります。
 本当はわかっているはずなのに、最終決定は合わない。
 このあたりが神戸TDとしての評価の難しいところなんですよね。
 今回は単純に選択肢が他になかったというのもあるのかもしれませんが。



 菅澤コーチ体制で点が取れるのか?J2で勝てるチームが作れるのか?
 数少ない判断材料として今期の試合を見てはいますけどやはり難しいところも感じていて、そろそろ攻撃面が見られるのかなぁと感じていた鳥取戦では一発のあるオーロイ・大島を起用し、今回もオーロイがスタメン。
 もちろんあるものは使いたい気持ちはわかりますけど、そういった一発に頼らなければ点を獲れないと判断したのかなぁとも感じてしまいました。


 現体制を来季も継続するのなら時間がかかるとは思うし長い目で見なければいけないという覚悟もあるのだけれど、あまりにも勝てない・点が取れないとなれば内外から不満も出てくるかもしれない。
 実際、現時点でも細部は大きく変わったけれど、「結局点は取れないじゃん」という声もなくはないはずで。
 サッカーの大枠での方向性というか、”種類”的にはジェフに向いたサッカーを実施しているとは思います。
 育成面に関しても、攻守に置いて相手のサッカーを見ながら考えて対応しなければいけないサッカーとなっており、特に若い選手にとっては勉強になる部分も多いんじゃないかとも思います。
(しかし、思い切った若手起用は少なくむしろベテラン重視で、そういった疑問もあります。)
 でも、だからといって、疑問が無いわけでもない。
 トップチームでの経験不足という点でも不安はなくはないですし。


 もちろんまだ新体制になって間もなく、すべてを把握するのはまだ難しいとは思います。
 しかし、判断材料は確実に目の前にあるわけで、それでまったくわからないというのは言い訳でしかないのかなと。
 今期もドワイト監督では方向性は?という疑問があり、江尻監督体制でも新米監督には厳しい状況なのでは?と言われ、その前のオフも「大量放出と少ない補強で平気なの?」と毎年のように疑問続きて、結果全てが予想通り失敗に終わって。


 外から見ていてもわかるものはわかるし、疑問は残すべきではないと思います。
 特に現在のジェフは激しい混乱の中、フロントへの不信感も高まっている状況ですから、できる限り疑問点は少なくしなければいけない。
 これで落ちるところまで落ちたならいいのでしょうけど、これで油断すればまだ落ちる可能性だって十分あるわけで、次の第一歩は非常に重要な一歩になるんじゃないかと私は思います。
 しっかりとした反省と今後の方針の提示を、期待したいところではないかと思います。