若い選手達の躍動でチームの勝利を導くことが出来るか

 うーん、勝てないですね。
 試合前に「1点取れば自ずと勝利も近づいてくるはず」なんていってしまったことが、悪いフラグになってしまったんでしょうか…(笑)


 この試合に関しては、試合内容からすればジェフの方が攻守に置いて良い流れを作れていて、チャンスも作れていたと思います。
 しかし、最後のところで決めきれず、1-1のまま試合終了となってしまいました。
■良い流れから先制ゴールも
 ジェフは前節出場停止だった竹内が怪我でベンチ入りもならず、前節徳島戦と同じスタメン。
 ベンチには坂本に変わって茶野が入りました。
 このあたり、来季の動向も含めて少しずつ気になってくるところですね。


 試合序盤はジェフペース。
 大分の前線からのプレスが中途半端で、DFラインからパスをつないで守備をかいくぐると、中盤の選手が前を向けるシーンが多い状況に。
 村井、伊藤、勇人が前を向いて相手DFラインの裏付くパスを出し、久保を中心に大分のゴールを狙うパターンが作れていました。
 これはジェフの狙い通りの攻撃の1つでもあったはずです。


 相手の守備の緩さもありましたが、序盤のジェフは村井が高い位置まで走って受けるプレーも多く、伊藤も前を向けて得意のスルーパスを出せていました。
 インサイドハーフの2人が前3人のすぐ下でプレーできていたことで、攻撃に置いて良いリズムを作れていたと思います。



 そして、前半22分。
 DFラインからクリア気味のボールが深井の前に入り、相手DFラインの裏を突くと、そこから精度の高いクロス。
 ファーサイドの米倉が受けると、最後は久保がゴール。
 久保にとっては公式戦初ゴールで、今期の神戸監督体制にとっても初ゴールということになりましたね。


 その後も流れは良くもう1点くらい欲しいところだったのですが、前半40分、大分のCKから青木良太が競り合いのシーンで相手選手の肩に手をかけたところ、この手がボールに当たってハンドをとられます。
 これで与えたPKを前田俊介に決められ、1-1となります。
 良い流れだっただけに残念な失点でした。

■選手交代も実らず1-1の引き分け
 後半からジェフは村井に変えてゲッセルを投入。
 前節同様、ゲッセルは左のインサイドハーフに入ります。


 しかし、ゲッセルのプレーには迷いも感じた部分ありました。
 それまでは村井がDFラインまで降りてきてビルドアップに参加したり、中盤でボールを引き出すポジショニングをしたり、前に出ていったりという動きをして、攻撃のリズムを作っていたわけですが、ゲッセルはそれらの動きに入るのが一歩一歩遅く、全体のパスワークも遅くなっていきました。
 プレッシングで一歩目が遅れるのは以前からの課題でしたが、攻撃に関しては連携不足というのも大きいのかなぁと感じました。
 まぁ、中盤でプレーできる選手が数少ないですし、攻撃に出ていく時の迫力や前を向いてのパスの質は高いので、そのあたりを期待されての起用ではあるのでしょうが…。



 そのあたりの問題もあってか、後半に入ってから大分の前線からの守備も落ち着いてきて、ジェフの選手達が中盤で前を向いてボールを持てることが少なくなり、ボールは持てても簡単には大分DFラインの裏を獲れなくなっていきました。
 それでもジェフはサイドからの攻撃や久保の動きでチャンスを作っていきますが、なかなかゴールを割ることが出来ず。


 ジェフは後半35分に伊藤に変えてオーロイを投入。
 続いて後半38分には、久保に変えて太田を投入していきます。 


 オーロイ、太田を起用して1点を獲りに行こうとしたジェフですが、逆にパスは上手く繋げなくなり、かといってオーロイの高さを活かすまでには行かず、結果的に中途半端な状況になてしまったかなぁと。
 最後は全体的に運動用も落ちてしまい、そのまま1-1で試合終了となってしまいました。 
■今シーズン残り試合の見所
 引き分けにはなりましたが、攻撃面は良くなってきたんじゃないかなぁと思います。
 特に前半は中盤の3人が前を向いてボールを受けられるようになり、そこから相手の裏を突いたラストパスが出せる状況になりました。
 中盤の3人が後方のビルドアップにも参加しつつ、前でチャンスを作る役割も担うというのが理想なんでしょうね。
 そのためには運動量はもちろん、前に出ていくタイミングも重要になってくるのかなと思うのですが、特にタイミングの部分が良くなってきているのかなぁと。


 また、久保の周りとの連携も良くなってきましたね。
 久保が足元で受けてポストプレーをするだけでなく、相手の裏を突くプレーも非常に効果的にできていました。
 もともとオールラウンドなプレーヤーなだけに、様々なプレーを周りがい競るようになってくれば、ジェフ全体の攻撃のバリエーションも増えて、相手の守備陣も予測が難しくなっていく…と。
 このあたりは良い傾向なんじゃないでしょうか。
 あとは久保にはヘディングもあるはずで、久保をめがけたクロスの質がもう少し良くなっていけばいいのではないかと思うのですが、そこがなかなか…。


 久保、米倉あたりが体を張って、周りの選手がそこに絡んでいくという全体のビジョンもできつつあるように思います。
 このあたりが前3試合との大きな違いで、ようやく新体制になって1週間、練習の時間が得れたことによる改善点なのかなと感じました。



 良い試合が出来たと思うからこそ、勝てなかったことがより一層悔しくも感じるのですけど、もう前節までの連敗で昇格は厳しいのはわかっていましたから、結果に関しては仕方がないかなぁとも思います。
 もちろん勝つのが一番ですけどね。
 しかし、この試合に関しては伊藤が鋭いスルーパスを出せるようになり、米倉がしっかり体を張ってアシストして、久保が切れのある動きを見せながらゴールまで決めたことなど、収穫も多かったのではないでしょうか。


 これらの若い選手達が躍動し、チームを勝利まで導いてくれるまでに至るかが、今シーズン残り試合の見所なのかなぁと感じました。
 そこまでになれば、当然来季以降のチームにもつながってくるはずですからね。
 ぜひそれを楽しみにしたいと思います。