3ラインを構築するもゴールへのビジョンは…

 今回が一週間ぶりのブログ更新となりました。
 突然ブログを放置し、申し訳ありませんでした。



 twitterなどでは多少ご説明をしましたが、急遽忌引で実家に帰ることとなり、ブログの更新どころではない毎日でした。
 あまり自分の話をするのもどうかと思いますが、これまでにもちらっと言ってきたように私のスポーツ観戦の原点は、巨人を応援することだと思っています。
 先週急逝した祖父の影響によるもので、中学生になるくらいまで毎日のように夕飯を食べたら祖父と祖母の部屋に行って、巨人戦を見るのが習慣となっていました。
 葬儀でも話題に出るほど普段は非常に温厚で、自分にとっても優しいおじいちゃんだったわけですが、巨人に関しては熱くて、よく「いいピッチャーがいないんだよ」とか「打てないから勝てないんだよ」なんて愚痴っていました(笑)
 最後は軽度の認知症は見られましたが、それでも巨人のラジオ放送などは欠かさず聞いている様子で、8月上旬に自分が帰った時も「最近は若い選手を育てるようになったよね」(長野とか松本・坂本とか、山口・東野・越智など)なんて声をかけると、「そうだよー」と嬉しそうに答えていたように、単純に試合を応援するだけでなくチーム全体を見る目を持っていた人だったと思います。


 また、偶然ではありますが国鉄の有名な機関士だったことと(天皇陛下のお召列車の先導を任されたこともあったそうで)、地元にできたサッカーチームということもあって、ジェフに関しても気にかけてくれていたようです。
 孫としてはもちろんですが、自分が子供の頃よく一緒に巨人を応援した仲間として、また1つのチームを応援する同志として、最後に自分の発案で巨人のタオルと一緒に火葬できたことは、良かったと思っております。
 祖父が体調を崩してからまた巨人の情報を追う回数を増やしていたのですが、今後ももう少し真剣に巨人関しても気にかけていければなぁ…なんて思うのですが。


 祖父の話はこれくらいで。
 ここからは「打てない野球チーム」に関してではなく、「点の取れないサッカーチーム」に関して…ですね(笑)
■綺麗なラインを構築するも…
 ジェフは深井が体調不良なのか怪我なのか、ベンチにも入れず。
 オーロイが負傷し、伊藤や大島も怪我と、離脱者の多いチーム状況となってきました。
 この日のスタメン1トップには青木孝太が入り、左ウイングに村井、右ウイングに太田。
 右サイドバックは山口が出場停止ということで坂本が、左サイドバックには青木良太が起用されました。


 今シーズン序盤は厳しい状況の続いた京都ですが、若手選手を我慢強く起用して、徐々にやりたいサッカーが出来るようになってきたようですね。
 この日のスタメンにも、1トップの17歳の久保裕也、18歳の伊藤優汰、19歳の宮吉・駒井、21歳のチョン・ウヨン、22歳の酒井隆介…と若い選手がたくさん。
 順位的には良い位置とは言えませんが、これだけ将来有望な選手がいて、チーム状況も上向きとなれば、それだけでワクワクしますね。
 また、この試合では、今季開幕前に靭帯を損傷していた工藤がベンチ入り。
 ジェフから京都に移籍した工藤ではありますが、怪我からの復帰は素直に祝福したいところです。



 深井不在の影響が心配されたジェフですが、その分立ち上がりから綺麗なディフェンスラインが作れていました。
 シーズン序盤から守備時に深井がポジションに戻ってこない、深追いし過ぎて穴を作ってしまう、絞った後に遅れてしまう(スライドが出来ない)…という話をしてきましたが、この日は村井が左ウイングに入ったことで、そういった穴が目立たず、MFラインが等間隔に守れていました。
 これは今期に入って初めてだったかもしれませんね。 
 この結果、集中砲火を浴びていた左サイドバックの守備も、落ち着いて対処できていました。
 村井のプレーを見ていると、やっぱり深井はあの位置からFWのプレーをしているなぁ…ということを改めて感じてしまいましたが(笑)


 また、青木孝太も守備時は相手ボランチの位置まで下がり、米倉と共に2人で守る形となりました。
 これにより、4-4-2の3ラインが綺麗に作れており、京都が後方から縦にパスを出すスペースを消していました。
 前に奪いに行くというよりは、後ろの穴を作らない守備で、全体的にかなり堅いサッカーをしているな…という印象でした。



 しかし、攻撃の方はもう1つ。
 前節の後半同様ゲッセルがトップ下近くまで上がって、岡本からのロングボールを受ける狙いは見えましたが、その落としを誰が受けるか…というところはまだはっきりとしていない印象で、ゲッセルもFWではないだけにそこまで落としがうまいわけでもなく。
 上手く中盤で拾えれば、ゲッセル、勇人の2ボランチが前を向いてパスを繋ぐ形を作れていはいたとは思います。
 これは相手が3-4-3のダイア気味の布陣で、孝太、米倉がボランチのエリアから前に出て行くことで、相手ボランチが釣られることもあって、中盤で数的優位に立っていたことが大きかったと思います。
 ようするに、京都の中盤の守備にも問題があって、ボールをつなげていた印象でした。


 ただ、アタッキングサードまではボールを持ち込めても、ラストプレーの工夫は感じず、大雑把にクロスを放り込んだり、長い距離のラストパスだったり、相手を崩しきれていない状況でのロングシュートだったり…と、得点はかなり遠く感じていました。
 ボールを持てていてもゴールが決まらないと、一種の隙というものは生まれてしまうもので、前半34分。
 京都のCKをゲッセルが合せてしまい、オウンゴールで失点。
 ジェフはこの試合「守りから入る」という印象を強く受けていただけに、大きな失点だったと思います。
■後半も有効な攻撃は作れず
 後半からは京都のラインが前半以上に下がり、大きなスペースが出来ていきました。
 京都は前半のキックオフから球際の厳しさももう1つだった印象で、コンディションはもう1つ…といった感じだったんでしょうか。
 先に1点を取ったこともあってか、京都は守ってカウンターという傾向がより強くなっていきました。
 ジェフの方は相手を押し込めさえすればある程度ボールを繋げるということはこれまでの試合でもわかっており、パスは繋いでいける状況だったと思います。


 そして、後半17分。
 この試合、中盤で再三フリーになっていた勇人が右サイドよりでボールを持つと、逆サイドを走り込んでいた村井に長い浮き玉のパスを出し、村井は左足一本で正確にトラップ。
 このトラップに相手DFが引っ掛かり、右足でシュートを決めました。



 しかし、後半28分。
 ジェフがファールを受けて素早くスタートしたところ逆にボールを奪われて(このあたりはTVで移っていなかったけれど)、京都のカウンターを受けてしまいます。
 宮内がジェフDFライン中央を抜け出して、GKとの一対一をループシュートで決められてしまいました。


 この瞬間、ミリガンは攻撃に転じて前に出ており、竹内は水分補給のためか中央に戻るのが遅れていた模様です。
 「クイックスタートは有効である」ということはよく言われることであり、ジェフもオシム監督の頃はクイックスタートから得点を奪うことも多かったわけですが(ただ、当時のルールの方が狙いやすかった)、クイックスタートをするにしてもチームとして意思統一が出来ていなければ、逆にボールをロストし今回のように失点の原因にもなるわけで…。
 また、相手を押し込んだ状況ではCBが(点が奪えずヤキモキして?)上がることもある今期のジェフですが、その時のリスクマネジメントにも問題があるようにも感じます。



 その後も相手を押し込む状況は続くものの、ゴールチャンスまでは作れず。
 後半42分には坂本を交代し3バックにして、福元を前線に投入。
 パワープレーを狙います。


 ただ、パワープレーをしても、やり方はほとんど変わっていませんでしたね…(笑)
 これはパワープレーの練習をしていないという問題も感じはしましまたけど(ついでに言えば、福元でパワープレーと言うのも…)、そこまでの攻撃パターンもパワープレーのような大味なものになっていたから、変化を感じなかったのかな…とも思ってしまいました。
 そのまま有効な攻撃は作れず、1-2で敗戦となってしまいました。
■チームビルディングの遅れ
 札幌戦での0-4の敗戦もあって、守備から再構築しようという意図は感じた試合でした。
 村井、太田のウイング起用もあって、それはある程度手応えが部分もあったと思うのですが、問題はやはり攻撃ですね。
 1点目の失点もジェフが攻めていた展開で点が奪えず隙が出来てしまった印象で(セットプレーからの失点が多いのも大問題)、2失点目も全体が前寄りになったところでカウンターを受けた形。
 相手を押し込んだ状態で早めに点が取れていればああはならなかったと思うし、やはり点を獲る術が作れていないというのが一番の問題ではないかと思います。



 そこで変化を付けるのが、いつもなら深井…と言いたいところではありますけど、この試合で代わりに出場した村井も1ゴールはあげていますし、最近は深井もマークが厳しくなったせいか、そこまで目立ったプレーは出来ていない印象で。
 それよりもやはりチームとして、どうやって点を取っていくのか。
 この試合は守備の基本もできていて、ボールポゼッションも出来ていてたとは思うのですが、その先の”ゴールへのビジョン”は見えてこなかった印象を受けます。
 「ともかく点を取ろう」という意思は選手達から感じていて、ゴール前に選手が複数いる状況で、ボールホルダーが高い位置までいければドンドン放り込む傾向にはありました。


 しかし、ゴール前の選手もオトリになって相手を釣るとか、ボールを出す側もわざとタイミングをずらすとか、第3の選手がフォローしてボールホルダーの前を空けるなどといった”賢い攻撃”は作れておらず、強引な力技ばかりといったイメージで。
 いくらしっかりとした守備を構築して、選手の能力差(というか京都戦の場合経験値の差?)でポゼッションができたとしても、やはり得点を奪うには単純なアクションだけではダメで、工夫というか最後の一捻りが無ければ難しいのでしょう。
 村井のゴールも素晴らしい左足でのトラップはもちろん良かったですが、偶発的だとは思うものの右サイドにジェフの選手達が集まって、左サイドへの注意が甘くなったところへ、勇人が右から左にパスを出せたというのが1つのポイントだったんじゃないかと思います。
 そういった、揺さぶりや工夫がチームとして、意図して作れていかなければ…と思います。



 この試合に関しては、3ラインの守備構築もそうだし、前節ほどサイド攻撃一辺倒ではなく、ボランチからのパスも出ていたと思います。
 ただ、やはりこれまでの試合を振り返っても一番の課題は攻撃の最後の質だと思いますし、良くなっている部分を評価したい気持ちもありますが、チームの状況、現在の順位、シーズンも後半に入っている時期などを考えると、チームビルディングの遅れを感じざるをえません。
 守備の構築はドワイト監督の期待されていた部分だと思うのにここまでうまく出来ておらず、京都戦でも構築しやすい消極的なディフェンスシステムだったと思いますし、ボランチからパスが繋げていたのも京都のシステムとの兼ね合いも大きかったと思いますし。


 結果の方も1-2で敗戦だったわけで「収穫があった」とはいえ、それだけで終えられる状況ではないと思います。
 ともかく、「どうやって点を獲るのか」のビジョンを明確に作り上げ、チームとして迅速にそこを目指し・作り上げていくことが、何よりも先決ではないかと私は思います。