夏休み前の勝者はバトン

 夏休み前のハンガリーGPが行われました。
 それまではなんとか持っていたものの、決勝は雨絡みの難しいレースとなりました。


 小林可夢偉はチームメイトのセルジオ・ペレスで予選で敗れ、Q1では0.2秒落ち、Q2でも0.3秒落ちで13番手。
 タイム差はそこまで大きくはないですけど、確実に先に行かれる展開でしたし、何よりペレスが10位でQ3に進出したことで、可夢偉のアウトクオリファイがはっきりと目立ってしまいました。
 決勝ではスタートが得意な可夢偉ですし、正直レースの最終リザルトは大差ないとは思うのですが(今年はパッシングも多いですしね)、それでもトップチームへの移籍などを考えていくと、良い印象は与えないだろうなぁと。
 予選で負ける回数は徐々に増えている印象ですし、なかなか予選で勝てなければ、大手を振って「トップチームよ、可夢偉をとってくれ!」とは言いづらくなりますね(笑)


 雨で全車インターミディでスタートした決勝では、いつも通り素晴らしいスタートを決め、序盤からトップ10圏内を走行。
 路面が渇いてきた頃の1度目のタイヤ交換後も上手くいき、10位をキープ。
 しかし、34周目、まだハーフレースが残っている状況で好感したタイヤは、なんと軟らかい法のスーパーソフト。
 ソフトですら25周程度しか持たないという話だったので、「なぜソフトで最後まで行こうと思わなかったのか…」、「もう1回スーパーソフトに交換なのかな?」と思っていました。
 しかし、ザウバーは最後までスーパーソフトで持たせようとし、タイヤ交換をせず。
 さすがの可夢偉も最後までタイヤを持たせることはできず、レース終盤にズルズルと順位を下げ、結局タイヤを交換し11位でゴールとなりました。
 この戦略ミスが無ければ、ポイント獲得はできただろうと思えるだけに、非常に悔しいレース展開でした。
 もしかしたら、チーム側は終盤に雨が来ると思っていたのかもしれませんが…。
 実際、雨が少し降りだした時に、ピットは可夢偉を呼んだようですしね。
 ただ、その雨はすぐに止み、その間にインターにタイヤを交換したドライバーはすぐにドライタイヤに戻していたわけで、可夢偉がこの時タイヤ交換を断ったのは、正解だったわけですが。


 優勝はこのレースが出走200レース目となるバトン。
 こういった雨絡みの中途半端なコンディションに強く、初優勝も2006年雨絡みのハンガリーGPでした。
 あのレースは第3期ホンダの初優勝でもありましたね。
 周りにとらわれず、落ち着いた走りを見せていました。
 ここが抜けないサーキットというのも、バトンには合っているんでしょうか?


 2位にはベッテルですが、あまり目立たなかったかなと(笑)
 フリー走行時のパフォーマンスが良くなく、金曜日の夜には今年から回数制限が決められている徹夜での作業を行って、ポールポジションにこぎつけたわけですが、レースではもう1つでした。
 3位にはアロンソ
 タイヤが冷えやすい状況で、なんとか表彰台に立ちました。


 4位以下はハミルトン、ウェバー、マッサ、ディ・レスタ、ブエミロズベルグアルグエルスアリ
 チャンピオンシップ6位をキープしたザウバーとしては、フォース・インディアトロ・ロッソ勢にポイントが奪われたのは心配ですね。
 このままではシーズン後半苦しい展開が予想されますし、なんとか夏休み中に(といっても、ファクトリーも8月15日まで休まなければいけないはずですが)打開策を練ってほしいところです。



 チャンピオンシップは相変わらずベッテルの独走。
 シーズン前半の連勝も大きいですが、ハミルトン、アロンソ、バトンと日替わりでライバルが出てきていることも、追い風になっているんじゃないでしょうか。
 ライバル同士でポイントを奪い合っている状況ですしね。
 それでうまくベッテルを下位に沈めればベッテルのポイントも少なくて済むわけですが、今回も結局は2位だったわけですし。
 まぁ、やっぱり上位は純粋に毎レースの内容を楽しむしかないかなと。
 それよりもザウバーが現順位を死守できるかが、シーズン後半の楽しみではないかなと思います。