熊本、東京Vに巻獲得の噂が

J2ロアッソ熊本がFW陣の強化などを目的に元日本代表のFW巻誠一郎(30)=宇城市小川町出身=の獲得を目指していることが28日、分かった。8月上旬にも接触し、本人の意向を確かめながら条件面などの交渉に入りたい考え。(熊本日日新聞

 先週の7月29日金曜日に上記のようなニュースが流れました。
 熊本は先月、韓国人FWソン・イニョン獲得を発表。
 185cmの長身FWですので、これで巻の獲得は遠のいたのかな?と思ったのですが、21歳の大卒選手ですし将来性も込みでの獲得だったりもするのでしょうか?
 しかし、7月14日に発表されたのですが、「正式契約はメディカルチェック終了後となります」と書かれており、今だ正式加入ではないようで。
 なんだか時間がかかっているのも、気になります。


 それに加えて、もちろんFW長沢もいるわけですが、清水からのレンタル移籍ということで今後の契約がどうなるのか。
 熊本の予算面などの問題もあるでしょうし、清水の状況も影響するはずですから、外部からは予測の難しい状況ですね。


 しかし、今夏も熊本による巻獲得の噂は地元紙で頻繁に出ているものの、「正式にオファーを出した」という報道は今のところないはずですから、実際に動いているのかどうかは微妙なところなのではないかと思います。
 例えば「練習参加を打診」という報道もありましたがそういったこともなかったように思いますし、逆にこれだけ報道がなされているのに具体的な動きが無いことを考えると、地元メディア側が先走っている面もあるのかなぁとも感じます。



 翌日の30日には、巻の東京V入団が日刊で報じられました。

中国超級リーグ深■(しんせん)を退団した元日本代表FW巻誠一郎(30)のJ2東京V入団が濃厚になった。巻は早ければ今日30日にも同クラブを訪れ、練習参加や幹部との面談を行う予定だ。J1昇格を目指す同クラブはFW陣の強化が課題。巻に対しては深セン移籍前にも獲得の打診をしていた経緯がある。(日刊

 こちらも何度か獲得の報道が出ている東京Vですね。
 昼田さん関連で、オファーがあるということでしょうか。
 ジェフ時代も巻と昼田さんはつながりが深かったのではないかと思いますし、昼田さんなら積極的にオファーを出していそうな気がします。


 翌31日には羽生社長が巻獲得を示唆(日刊報知にて)。
 練習参加後に獲得を決めるとのことです。
 この方もマスコミの前に出るの好きな方ですよね(笑)
 それが悪いというわけではなく、マスコミとの良好な関係を保つためにはいいことだと思うのですが。



 しかし、東京Vには、現在活躍中の阿部、マラニョン、平本、平繁、井上…と良いFWはたくさんいるはずで、「FW陣の強化が課題」というのはどうなんでしょう?
 確かに明確なポストプレーヤータイプや高さのあるヘディンガーはいないかもしれないですけど、ポストなどをやらせたいのであれば平本あたりも出来なくはないでしょうし、そういった役割の選手を置いていない…ということは、川藤監督もそういったプレーに拘ってはいないのでは?とも思うのですが。
 昼田さんはジェフ時代から選手を積極的に獲得するのは得意なように思いますが、どうもその補強がちぐはぐな部分がある印象があります。
 今期開幕前の東京Vの補強がスッキリしない印象を受けるのも、昼田さんの影響が大きいのではないかなぁ…と感じていました。


 そうなってくると、当然新加入選手の活躍というのも難しくなってくるわけで、その点では熊本の方が補強がはっきりしており期待できるのではないか…なんてことも思っていました。
 巻の地元ということで、ジェフサポの心情的にも助かる部分はあるんですけどね。



 ただ、そのあたりに関しては他のクラブのことなわけで、ジェフサポが言うことではないですからね。
 熊本には熊本の状況というものがあるはずで。
 それよりもジェフと巻を応援する者としては、なぜジェフが巻に声を掛けられないのか…ということを考えてしまいますね。
 選手獲得による一般的な諸問題はあるとしても(お金だとか、ポジションだとか)、それはどのクラブのどの補強にも同じことが言える話で。
 それ以外の何かがあるのではないかと、考えてしまいます。


 一度は巻の早期復帰に関しては諦めを付けていたつもりなのですが、こうやって他のJクラブへの移籍の話しが現実味を帯びてくると、つい色んなことを考えてしまいます。
 海外クラブへの移籍ならともかく、Jクラブへの加入となればもうジェフには帰ってこない可能性が高まるのでしょうし、その後、他クラブでのスタッフ入りなんこともありえるのかなぁなんてことまで思うと…。
 もちろん、かといってジェフ側の”変化”を待って、だらだらと時間だけが過ぎてしまうことは、短い選手生命を考えると巻にとって得策ではないわけですが。
 どうしても、このあたりは「心情的に…」という話になりがちですけどね。
 でも、様々の”心情”も場合によっては重要ですよね?



 なお、今夏Jリーグの移籍ウインドー締め切りは、原則として8月12日となります。
 ただし、例外として追加登録が認められる場合は「追加登録期限」があり、この場合は9月9日まで登録が認められるとのこと。
 その例外に関してを、Jリーグ規約にて調べてみると…。

12.登録ウインドーの例外
(1) 11(筆者注:登録ウインドーに関しての規約)にかかわらず、登録ウインドーの終了前に契約が終了したプロ選手は、当該登録ウインドー終了後においても登録されることができるものとする(「登録ウインドーの適用例外に関する申請書」(書式H-1)により本協会に申請)

 その他、GKが負傷した場合(昨年の湘南がこの例外を使用して都築を獲得しましたが)や、特別指定選手、ユース選手の登録などが認めれているようです。
 この(1)の事例の場合は、8月12日までにどのクラブにも所属していないフリーの選手の場合ということなのでしょう。
 巻の場合は深センが外国人枠を空けたいという意図もあって、巻との契約を解除したのですから、間違いなく現在はフリーなはずで。
 9月9日までは、Jリーグのクラブに加入できるのではないかと思われます。
 とはいえ、もちろん巻のことを考えれば、早期に決まってほしいところですが…。



 怪我のオーロイの代わりに巻を…という発想もあるのでしょうか。
 選手が怪我をしたから一転して巻獲得へ動くというのも、非常に失礼な話ですよね。
 相手はジェフの功労者なわけですし。


 けれども、もしオーロイの怪我が長引くのであれば、久保はやはり絶対的な高さのあるタイプではないですし、「フリーでオーロイの代わりになりそうな日本人選手(外国人枠はいっぱいですし)」として巻は良い選択肢として計算できるのではないでしょうか。
 「ジェフの功労者」とか、「ジェフの顔だった選手」ということに関しては一切考えず、「ともかくJ1昇格のために」巻を補強するというのはありなのかもしれません。


 今季開幕前にベテラン選手の補強が多かったことや経営面の問題なども無視して様々な投資(監督なども含めて)をしたことを考えれば、後先考えずJ1昇格を目指す…というのが、今期のジェフの方針だと思っています。
 その方針を徹底するのであれば、巻は必要な補強になりえるんじゃないでしょうか。
 しかし、それすらも(いろいろなしがらみもあって?)やりきれないんじゃないかなぁというのが、私の予想なのですけど…(笑)