栃木との頂上決戦を前に

 さて、明日は栃木と頂上決戦となりますね。
 前節の結果で、首位ジェフと2位栃木が入れ替わり。
 ジェフは得失点差で、栃木を追う形となりました。


 栃木と言えば組織的な守備が特徴の選手です。
 今期は柏から185cmの渡部を獲得し、より守備が安定した印象です。



 しかし、今期の飛躍は守備だけでなく、攻撃面も組織的により洗練された部分が大きいのではないでしょうか。
 実際、総得点では19と、J2総得点トップのジェフを1ゴール差で追っている状況です。


 栃木の攻撃は4-4-2をベースとして、縦にくさびのパスを出したら、1列後ろの選手二人がボールを受ける体制を作り、三角形を形成する。
 そして、その後ろの2人のうちどちらか1人に戻しているうちに、後方の選手(主にSB)が飛び出していき、今度は逆三角形を作る。
 これによって、縦へのパスコースを1つ増やすこととなり、前への攻撃の選択肢を増やしていく…ということになるのかなと。
 その中で、危険な選手というのはやはりロボと水沼ということになるのでしょうが。


 攻撃のきっかけとなる前へのくさびのパスによって、相手守備陣を一度そこに集中させておいて、スペースにオーバーラップをしかけていくサッカーということになるわけで、全体的にボールエリアによる傾向の強いジェフからすると非常に相性の悪い相手かもしれませんね。
 前節の横浜FC戦でもアンカーをゲッセルにしても左SBがCBのフォローに行く傾向はあまり変わっていなかったですし、このあたりはどう対処するのかしっかりと検討すべきだと思います。
 SBのオーバーラップに対して、目の前の選手が付いて行くのか、それともマークを交換していくのか。



 守備においては、4-4-2でバランスよくピッチを分けて守るのが、栃木の特徴となっています。
 他チームのオーロイ対策として、CBにボランチの選手が近づいて、オーロイの周りのスペースを消す戦略をとってきたため、一定の間隔を保って守る栃木がどう対処してくるのか非常に気になっていたのですが、残念ながらオーロイはこの試合、出場停止となってしまいました。
 ジェフにとっては、ここまでオーロイが怪我で不在だったり、スタミナ切れで動けない状況になった試合では、攻め手をなかなか作れなかった部分がありますから、非常に苦しい戦いとなる可能性が考えられますね。
 久保にオーロイの代役をそのまま任せるのは難しいでしょうし、しっかりと攻撃方法を考えて戦わなければいけませんね。
 状況によっては、守備から入って負けないサッカーをする必要も出てくるのかな…と思うのですが。


 ここ数試合続けて気になるのは、ジェフの中盤の構成です。
 前節スタメン出場したゲッセルは前に行くと裏を取られることも多く、かといって後方にいるだけだとプレスや攻撃面で物足りなさを感じる部分もあります。
 また、右ウイングで起用された伊藤も、思ったよりも上手く機能していない印象で、前節は攻守においてスピード不足を感じてしまいました。
 現状だとウイングは、SBからの前へのサポートも少なくプレー範囲が広い状況になっていますし(まぁ、守備面ではある程度の位置まで戻る形で、割り切ってしまえばいいような気もするのですが)、攻守において一対一の場面が多いので、どうしても単純な走力というのが必要になってくるのではないかと思います。
 そうなると、右ウイングでの伊藤は厳しい部分もあるのかなぁと。
 かといって、トップ下はポストプレーなどFW的な仕事を求められている部分もありますし(ちょっと最近の米倉はそれをこなしきれていない部分を感じますが)、アンカーにはより守備面を期待したいという部分もあるのでしょう。
 右ウイングに何を求めているのか?(大谷はゴールを要求していますが、伊藤やラムなどのパサーも起用していますし)という問題もありますが、中盤の組み合わせは今後もまだ悩みが続きそうですね。



 現時点でJ2の首位は栃木、2位にジェフ、3位に愛媛が付けています。
 3チームともに総失点が少ないわけではないのですが、手堅いチーム作りをしてきた印象があります。
 しかし、4位にはひたひたと順位を上げてきたFC東京が栃木・ジェフとの勝点4差のところまで近づいてきましたし、FC東京と勝点1差で鳥栖、湘南、草津、徳島が追う状況と、かなりの混戦模様となってきました。
 そういった中で、明日の試合は首位と2位の対戦ですから、シーズン中盤に向けて非常に重要な試合となるのかもしれませんね。