江尻監督退任の報道

 スポニチのこちらの記事によると、ジェフの昇格・降格に関わらず今期限りで江尻監督が解任されるとの情報が出ております。
 「19日にも発表」とも書かれており、どれだけ信憑性があるかどうかというのも時期にわかることだとは思いますが、記事の感じからして可能性は高いのかな…と思います。


 ここ数年のジェフは、本当に重要な情報はメディア(主にスポンサーであるスポニチ)が直前にリーク(情報漏洩?)して、公式サイトで発表…という流れで伝わってくることが多いですし、今回もそういった感じなのかなぁと。
 意図的であるかどうかは別として、そういった形で情報が流れてくること自体に嫌悪感を覚えてしまいますが…。



 ブログでも偉そうに書いているように、江尻監督の指導力に関しては特にここ数カ月、残念に思っている部分があります。
 個人的には8月下旬の岡山戦あたりから9月の戦い方には良い印象を感じており、監督・チームの成長度、チームの可能性や伸び白を感じていたからこそ、その戦い方(具体的には右サイドを縦に突破して逆サイドの選手が飛び込んでくる形)をすぐ元に戻すような形にしてしまったことに落胆もしました。
 ここから右肩上がりに伸びていくのかな?やっぱりこれがやりたかったのかな?と思っていたら、またその形がなくなってしまったわけですから。
 ですから、先日の天皇杯後のコメントも…。

「攻撃面では右サイドの太田の突破、あのサイドのスペースは、もっと質を高めていきたい。これからの昇格争いの4試合に大きな力になってくれるんじゃないかと今日感じました。」(ジェフ公式サイト

 試合を見に行けなかったので、あまり言うのもあれかな…とは思ったのですが、これを読んで「今さら?」と感じてしまいました(もしかしたら見ていないからこそ、さらに強く感じたのかもしれませんが)。
 太田のサイド突破の可能性というのはかなり前からわかっていたことですし、サイドのスペースの攻略も徹底して作っていこうと思えば出来ていたはずではないかと…。
 サイド攻撃はオプションとして考えているのかもしれませんが、では、そのオプションを除いたメインの形って何?という大きな疑問が残ってしまいます。
 ミドルゾーンはともかくとして、攻撃と守備の最後の部分の形成がうまくいっていなことこそがこのチームの問題点だと思っていただけに、どんな形であっても目に見える攻撃パターンを作ってほしかったのですが、その部分でいつまでたっても先に進めない印象がありました。
 その部分での進歩がない限り、来季続投してもあまり伸び白は期待できないのかなと…。
 いくら方向性、継続性を重視したとしても、そのチームに伸びがなければ、意味はないですしね。


 もちろん人柄の良さなどは好感が持てる部分ではあります。
 ただ、プロでもあるわけですから、それとその人物の仕事を評価するかは別問題として考えないといけないはずです(少なくともフロントは)。
 また、ジェフ出身の指導者ということで一部のサポーターは期待していた部分もあったと思うのですが、それだけでは監督にする理由にはしづらいはずで。
 ジェフがスポンサーや親会社、自治体などからの大きなバックアップを受けている以上、サポーター受けばかりを狙っていてはいけないとも思いますしね。


 前にも少し言いましたが向き不向きといった問題もあると思いますし、コーチなどでは優秀な指導者も監督としてはうまくいかない可能性もあるでしょう。
 実力不足、準備不足で人の上に立っては、その人自身も周囲にも悪影響を及ぼしかねませんし、そのあたりはしっかりと能力を評価した上で判断しなければいけないと思います。




 ここまでが江尻監督の個人的な評価です。
 だから、このままだと昇格に失敗すれば、残念ですが解任かな…といった印象でした。


 ただ、一方で昇格すれば江尻監督を続投すべきなんじゃないかとも思っていました。
 いくらチームに課題があったとはいえ、選手やスタッフとしては、江尻監督を信じて結果を出した。
 最低限ノルマを達成したのにも関わらず信じてきた人間が解任されるとなれば、チーム内部のフロントへの信頼問題にもつながる可能性あるのではないかと。
 選手としての監督は共に戦った仲間でもあるはずですから。
(アマル監督解任後の選手流出問題も、それに近いものがあったんじゃないでしょうか。最低限のノルマ=残留は達成し方向性もオシム路線だったにもかかわらず、解任したことによって選手達が不信感を持って…。)



 そして、何歩か譲って昇格した後の解任を認めるとしても、少なくとも昇格を争う現段階でこういった情報が流出してしまうというのは大きな問題ではないでしょうか。
 まだ兵士(選手)たちは戦場の真ん中で戦っているにも関わらず、お殿様(フロント)の判断(本人の意思で辞任…と言う可能性はまだあるのかもしれませんが)で、勝った負けたに関わらず将軍(監督)は近々にその地位から外されてしまう…といった情報が漏洩してしまったわけですから(笑)
 それではこの戦、誰を信じて戦えばいいのか?ということになるのではないかと。


 あえてチームに刺激を…という可能性にしても、もし昇格をかけて残り数試合を戦っている段階で気持ちが盛り上がってこない選手・サポーター・関係者がいるのであれば、たぶん江尻監督が退任となっても状況は大きく変わらないように思うのですが。
 これが残留争いや結果が出ていない状況での監督交代などなら、雰囲気も悪いことが多いでしょうしまだ納得できるかもしれませんが。
 ただ、ジェフは昨年ミラー監督解任でカンフル剤は失敗しているわけで、またそういった部分をフロントが期待しているのであれば、それもどうかなのかなぁと私は思います。
 考えてみれば、それがフロントの狙いであれば、3年連続のカンフル剤投入となるわけですか…。
 ちょっとその効果に頼り過ぎではないかと思います。
 本来、そう簡単に使っていいものではないはずですし、副作用も考えられるはずで。


 個人的にはもしメリットがあったとしてもデメリットの方が大きいんじゃないかと思いますし、なぜ情報が漏洩したのか、発表するのならなぜこのタイミングなのかという部分に大きな疑問が残ります。
 内々で監督解任の検討や次期監督候補をリストアップすることは問題ないと思うのですが、トップシークレットであるはずの部分が普段は全く情報を出さない(というか本当に一部の番記者としかコンタクトを取っていないように感じる)ジェフにも関わらず、こういう時に限って情報が外部に出てしまうというのは意図的なものを感じてしまうし、もし意図的でないにしてもこの大事な時期にこういった報道がなされてしまう時点でクラブにとって損失が大きいのではないかと思います。
(まぁ、報道云々ではなく、記事の通りであれば退任の発表が公式にあるのかもしれませんが。)
 もしもこの情報が誤報だ(退任の発表はまだしないという意味で)とするのであれば、クラブは公式に否定する選択肢も考えるべきではないかと私は思います。



 ともかく、個人的には意図があまりよくわからないですし、今はクラブの動きを待ちたいところです。


 ところで、意外と毎年ジェフは天皇杯でいろいろとあるような気もしますね…。
 もしかして、クラブは天皇杯を重く見ている?
 それともう1つのもしかして。
 ドワイト・ローデヴェーヘス氏はフェルフォーセン監督の頃の名古屋の監督だったそうで。
 フェルフォーセン監督はあの方ともつながりが(どうも考え過ぎのようです…笑)。



 いや、どちらにせよ、今は次期監督が誰とかではなく、試合に集中すべき時期だと思うのですが。