トヨタ、HRTとの交渉打ち切り

 元トヨタF1チームのマシンや残党を買い取ろうと計画していたHRT。
 元テレフォニカの会長と契約を結んだり、ウィリアムズのギアボックス購入を発表したりと、少しずつ外堀は埋めていき、月曜日にもトヨタとの契約を発表か…と言われていたのですが、発表されたのは提携打ち切りでした。
 トヨタ側のリリースによると、「債務の返済義務を果たさなかった」とのことで、トヨタへの支払いなのか銀行への融資分なのかは見解が分かれているようですが、ようはお金の問題のようですね。
 もっとも考えられた破局の原因ではありますが、非常に残念ですね。


 さすがにホンダやBMWのように後継チームにポンっとただ同然で売り払うわけにはいかないのでしょうけど、それならそれで中嶋一貴でも付けて安く売り付ければいいのに…。
 って、そんなことをしても、今のトヨタにはあまりメリットはないのか…。
 今回の発表を読む限り、マシンを売るつもりはないわけではないようなのですが。



 少し話しは違う方向に行ってしまうかもしれないけれど、F1という1つの頂点(もちろんF1を頂点と考えない方もいるわけだけれど、社会一般の知名度などを考えるとね…)に無限ホンダのような位置づけでも、1つ日本のチームがあると日本人ドライバー育成において大きな意味を持つのかなぁと思うんですけどね。
(まぁ、HRTに売ったところで、そういった位置づけにはしづらいかもしれませんが。)
 トヨタ小林可夢偉などを育て、ホンダが佐藤琢磨などを育てたことを考えれば、やはり企業の力というのは大切なんだと思いますし。
 もちろんそこにおんぶにだっこではダメだという考え方もあるのでしょうけどね。



 まぁ、それよりも“元トヨタ”に関しては、やはり一生懸命(日本人に限らず)スタッフが作った一つの成果物が日の目を見ないという点で残念な思いが強いです。
 2010年使用で制作したマシンですから、年を超えるたびに…というか日進月歩のF1界では日を追うごとに、マシンの価値は下がっていってしまうでしょうし、2011年に間に合うかどうかが、最後のチャンスではないかと思うのですが…。


 なお、後日HRT側はこのトヨタの発表を「非常に驚いている」と発表。
 トヨタはいくらなら売るつもりがあるんでしょうね。