アルゼンチン相手に勇敢に戦った選手達

 ザッケローニ監督の初戦となったアルゼンチン戦。
 1-0という結果ももちろんですが、内容も素晴らしい試合になりましたね。
 オシム監督のトリニダード・トバゴ戦もジーコ監督のジャマイカ戦もわりと良い試合でしたし、W杯後の初戦は選手達も気合いが入って良い試合になることが多いんでしょうか。



 特に印象的だったのは攻撃面。
 試合序盤は森本が縦に走り込み、香川が左サイドから侵入し、本田に近いポジションでプレーすることでバイタルエリアをうまく使えていたように感じます(相手のマークが緩い印象もありましたが)。
 高い位置でボールを奪った後に、スッとそこに縦のパスを入れていくカウンターが効果的だったと思います。
 加えて、岡崎が右サイドで攻守において走り回ることによって、チームの潤滑油になっていましたね。


 また、左サイドからパスをつないでいって、右SBの前を空けて内田が飛び出していくというサイドアタックも可能性を感じました。
 ただ、残念ながらこの日の内田のクロスは、もう少しでしたが。
 それでもサイドチェンジの際の前進していくタイミングはさすがでしたね。



 守備に関しては基本的には安定していたと思うのですが、前半途中までは高いDFラインを敷いていたの相手ボランチが開いてしまったり、逆に退いている状況なのに相手トップ下の位置が開くことがあったり、ときおりポカッとスペースが出来ていた印象がありました。
 このあたりはまだ連携の問題があるのか、攻守の切り替えのところなのか、選手に依存する問題なのか、ちょっと気になった部分かなと思います。


 また、メッシが中盤から前を向いて右にパスを出し、ゴール前に飛び出したシーン。
 右前方の選手に長友と栗原がマークに行ったため、中央でメッシと遠藤が一対一になってしまいました。
 確かに二対一を原則とする守備ということですので、栗原がいったのは間違いないようにも思うのですが、これでは中央が部が悪くなってしまいます。
 こういったときにどう対応していくのかは、今後気になるところですね。
 本来ならばウイングと挟みたいところだったのかもしれませんが、ウイングが遅れた場合どう対処するのか…といったところがポイントになるのでしょうか。


 しかし、日本代表が1点取ったあたりからはやることがはっきりして、守備の穴も少なくなっていったと思います。
 また、アルゼンチンも試合が進むにつれ、選手達の動きがなくなっていきましたね。
 メッシが前線に張る時間帯が増えたのも、日本にとってはラッキーだったんじゃないかなぁと思います。




 堅守速攻という岡田監督のベースというのは色濃く残ったチームだと感じましたし、前線からのプレスに関しても集中した守備に関しても良い状況なら出来るチームだと感じていたので、個人的にはその後のカウンターの鋭さの方がこの試合ではインパクトがありました。
 その一番のポイントは、ザッケローニ監督というよりも、選手達の自信や勢いなのかなぁと思います(笑)
 香川、本田、岡崎、森本(長友…はもう別格な感じですね)などがアルゼンチンに対しても恐れず攻めていけたことが、勝利の要因だったのかな…なんて。
 海外での活躍やW杯での成功は、予想以上に選手達にとって大きな物を与えているのかなぁと感じました。
 選手達の「アルゼンチン?一発やってやんよ」くらいの気持ちが見えた気がします(笑)
 願わくばこの勢い、調子の良さが4年か続けばいいのでしょうが、そこが非常に難しいのかなぁとも思ってしまいましたが。

 

 ただ、後半頑張って守っているを見て、こういった展開はなかなかアジア杯ではないだろうなとも思ってしまいました。
 遅攻に関してもサイドチェンジして内田を攻め込ませるなど、やりたいことは少しずつ見えていたと思うので、そこの質をもっと高めていきたいところですね。


 さて、アルゼンチン相手の勝利は言うまでもなくうれしいですが次は韓国。
 日本に勝てば「韓国>日本>アルゼンチン」なんてことを相手は思っているかもしれませんし、これに浮かれることなくしっかり次への準備をしてほしいと思います(笑)