新体制で幸先の良いスタート
南アフリカW杯後、初の試合で1-0の勝利。
幸先の良いスタートになったのではないでしょうか。
相手がW杯で敗れたパラグアイということもあって、これで負けや引き分けだったらまたマスコミも騒いでいたかもしれませんし(笑)
代行監督で挑み、練習時間も短かった日本代表ですから、細かな戦術や連携面に関しては言っても仕方はないと思いますが、選手個々のプレーや相性などはある程度見え始めてきた部分もあったのではないかと思います。
特に若い選手を多く見ることができ、その選手達が可能性を感じるプレーを見せてくれた…というのは大きな収穫ではないかと。
その中でも香川と長友は良かったですね。
まぁ、2人共、若いとはいえ実績は十分にある選手ですけど(笑)
試合序盤は右ウイングの松井が絞って内田が縦に抜ける狙いがあったのか、長友は攻撃では控えめで香川がタッチライン際を駆け上がる狙いだったように見えました。
しかし、徐々に長友も上がるプレーが増え、香川も縦にも中にも入っていけるようになって、より良い形が作れるようになっていったのかなと。
特に香川はキレキレで、スッと相手を抜き去るドリブルは驚愕のレベルでしたね。
ドイツでの自信がもう一段階、香川のレベルを上げさせてくれたということなのでしょうか。
このプレーが続くのであれば、日本代表にとっても大きな武器になりそうですね。
得点シーンはその香川が、中盤から飛び出して抜け出す形から。
憲剛のスルーパスも香川のシュートも、ここしかないというピンポイントのモノもの。
パラグアイ守備陣としてはそこまでスペースを消してうまく守り切れていただけに、この小さな穴を突いてくるとは思わなかったのかもしれません。
日本の選手もそこまでの時間帯は裏を付くプレーが少なかったですから、相手にとって意表を突いた形になったのかもしれませんね。
やはり足元でもらうだけでなくそこから飛び出すプレーも必要だと思いますし、ジェフの倉田もこの日の香川のプレーからいいところを盗んでほしいですね(笑)
それだけのポテンシャルはある選手だと思いますし。
個人的に少し気になったのは、前半相手に押し込まれてしまった時間帯。
あの時は1トップの森本もトップ下の本田もあまり相手にチェイシングに行かなかったため、後方からゲームを作られてしまったように思います。
森本も要所要所では守備に行くし、本田も「ここはやられてはいけない」というところはしっかりと埋めに行く選手ではありますが、継続的に守備をするタイプではないということで守備に穴が出来てしまったように思います。
だから本田はボランチで使いたがる監督が出てくるということなのかもしれませんね。
オシム監督もそういっていましたし、岡田監督は逆にFWで起用したわけですが。
2人とも攻撃に関しては特徴のある選手だとは思うのでそこに関しては使い方次第だと思うのですが(しかし、この日は両者とも攻撃では不発)、守備に関しては今後不安な面も出てくるかもしれませんね。
しかし、守備面にある程度は目をつむってでも、特にアジアカップでは得点を奪うことが重要だから…という考え方もあるのかもしれません。
そうなってくると新監督のロジック次第…となるのですが、ザッケローニ監督は就任会見で「コンパクト」というキーワードを掲げていました。
そのコメントだけでは実際にどこまで意識していくのかはわかりませんが、もし本当にコンパクトなサッカーを目指すなら前からのチェイシングは不可欠だと思いますから、トップ下の本田活かすためにも(もちろん“トップ下本田”で決定というわけでもないのでしょうが)1トップを誰にするのか、というのは非常に重要なポイントではないかと思います。
タイプ的には矢野、岡崎あたりの方が良いのでしょうか?
もちろんチームの熟成と共に、森本がここから良くなっていく可能性もあるとは思いますが。
どちらにしても新チームはまだ始まったばかり。
日産のチケットも完売したそうで、雰囲気も非常に良かったようですし(テレビ放送でももっとスタジアムの音量増やしてくれればいいのに…とか思ってしまいましたが)、まずは良い試合になったのではないでしょうか。
ただ、オシム監督の初戦となったトリニダード・トバゴ戦も、ドイツW杯がアレだった…ということもあって、少なくともスタジアム内は希望に満ちあふれた良い雰囲気だったと記憶していますし、これからが何よりも重要ですね。