江尻監督「間、間で受けて、サイドを使う」

江尻篤彦監督
「相手が10人になって、ボールを動かすが、そこから先が問題。間、間で受けて、サイドを使う、サイドを起点にして、サイドバックの背後を狙うという形は、相手がどこであれ、今後、やっていかなければいけない、今後の課題だ。」(ジェフ公式サイト

 柏戦後のコメントです。
 相手の守備ブロックに対して、選手と選手の間にスッと入っていってボールを受ける。
 まさにバルササッカー的な手法であり、江尻監督はそれをずっと狙っているのでしょうけど、なかなかうまく作れないですね。


 先日も言いましたけど、選手間の距離バランスが良くないように見えます。
 バルサのサッカーを本気で作るのであれば、最終ラインから前線まで小さな三角形を数多く作ることでパスワーク時の選択肢・パスコースを増やし、素早いパス交換をしながら、選手が「間・間」に入っていって相手からのプレッシャーをかわしつつ、ゴールを目指していくのが基本になると思うのですが、現状ではそういった感じはまったく作れていないですね。
 パスワークの際のポジションバランスが非常に悪く、江尻監督は「長いパスも短いパスもしっかりと織り交ぜながらやっていきたい」と言っていますが、実際には「意図的に長いボールを使っている」というより「選択肢が他にないから長いボールを使わざるを得ない状況になっている」ような印象を受けます。


 そんな状況でもそういったサッカーを目指し続けるのは「ぶれていない」と言いたいところですけど、それを作るノウハウがない限りはいくら頑なに続けてもチームとしての積み重ねも進歩もなかなか期待できないわけで。
 現状を見るともっと違った考え方によるアプローチも必要なのではないかと思うのですけど、今からの方針転換もそれはそれで勇気がいるということなのでしょうか…。 




 それと…。

今日、戦ってみて、レイソルのジェフの違いは。
「選手個々の部分は、やはりレイソルのほうが1枚も2枚も上だと感じた。そういったところも含めてこれから埋めていく作業をやらなければいけない。」

 あまりこういったことは言ってほしくなかったかなぁと。
 実際にそういった部分もあったのかもしれないけれど、現状では選手の良さを出し切っているとも言い難いでしょうし…。



 個人的に江尻監督には、選手やサポーターに近い目線で監督をやってほしいなぁ…と思っていたんですけどね。
 まぁ、「監督なのだから(コーチとは違い)舐められてはダメだ」という考えもあるかもしれないし、言うほど簡単なことではないのかもしれませんけれども、選手の気持ちを大事にする監督であってほしいと思うのですが。


 正直、私が江尻監督に一番期待していたのは、そういった部分だったりしたんですけどね。
 指導者として経験不足であることは監督に就任する前からわかっていたわけですから、結果や内容に関して苦しむ部分が出てくるは当然だろうと予想できていたはずですし。
 そんな中で江尻監督の強みは何で、何を望むべきなのかというと、ジェフや選手への愛情だったりするのではないかのかなぁ…と思っていたのですが。