W杯過去最高のベスト8に向けて

 日本代表のベスト16での対戦相手がパラグアイに決まったということで、パラグアイ対ニュージランド戦の試合を真面目に視聴。
 パラグアイは基本4-3-3のフォーメーションですが、攻撃に移ると左ウイングのバルデスがサイドに張って縦に積極的にしかけていき、中央ではカルドソ(2戦目までのスタメンはバリオス)と少し後ろにサンタ・クルスが待つ変則的なシステムでした。
 カルドソが192cm、バリオスが187cm、サンタ・クルスが189cmと共に大型ストライカーで、サンタ・クルスは足元の収まりもいい選手ですね。


 左サイドのバルデスがどんどん仕掛けていくことで相手の最終ラインを開かせ、相手SBと相手CBの間に中盤3枚から左MFリベーロスが飛び込んでいく。
 あるいは左サイドに攻撃を集中させたところで、逆サイドの中央3枚の右MFベラが開いて受けるか、この試合では今W杯初出場となったベテラン右SBカニサが攻撃参加していく…。
 基本的にはサイド攻撃の意識が高いチームではないかと思います。


 しかし、守備時は中盤の3枚が戻る形。
 ようするに守備時は4-3-3。
 攻撃時は右MFベラが右サイドハーフのような位置になり、FWも前線を2枚とした4-4-2に近い形になるかなと思います。




 その攻撃に移る動きが組織的に作られており、対戦相手の差や試合展開の違いもあるのでしょうが、先日韓国と対戦したウルグアイよりもしっかりとボールをつなぐ印象の強いチームでした。
 日本代表としてはその流動的な選手の動きに対して、守備の約束事を明確にして対処したいところですね。
 どこまでマークについていって、どこで受け渡すのか…。
 ボールのキープが1人1人とてもうまいですし、相手の動きに混乱して押し込まれないようにしたところではないでしょうか。
 相手が同じようなサッカーをしてくれば、特に右SBの駒野がポイントになるのかな、なんて思います。
 逆に左SBの前は開きやすいかもしれませんが。


 ただ、初戦のイタリア戦ではスタメンもシステムも違い、戦い方も異なるサッカーをしていた印象ですし、W杯3戦を通してスタメンフル出場を果たしていたアンカーのビクトル・カセレスが累積警告で日本代表戦では出場停止となりますから(ちなみに、パラグアイニュージーランド戦で審判を務めたのが西村主審だったりします)、またやり方を変えてくる可能性も十分あると思います。
 ニュージーランド戦でも選手交代でバルデスを外した後は、シンプルにサンタ・クルスあたりにロングボールを当てる攻撃を作れていましたし、日本にとっては厄介な相手といった印象でした。
 パワープレイも要注意ですね(サンタ・クルスは下がって受けることも多いので、ここへのマークは阿部がしっかりつくことが重要になるかもしれません)。


 守備に関しては、中央の3枚でDFライン前のスペースを素早く消して、そこから人にしっかりと付く守り方だと思います。
 伝統的に良いストッパーの多いチームで、今大会でも粘り強いマークが特徴になっているのではないでしょうか。
 日本としてはうまくそのマークを外しながら戦いたいところ。


 ようするに相手のサイド攻撃に振り回されず落ち着いた守りをして、逆にパスワークとすばしっこい日本人選手の動きで相手を振り回したいところではないでしょうか。
 運動量も豊富な相手なので、当り前ですが走り負けないことも重要ですね。




 これまでのベスト16の試合を振り返っても、簡単に失点してそこからゲームプランが崩れてしまうチームが多かったと思います。
 GKのミスだとか、ロングボールへの対応の緩さだとか、審判のミスだとか…(笑)
 審判のミスはさすがにどうしようもないですけど、一発勝負のトーナメントでいつも以上にワンプレーで大きく状況が変わってしまう可能性があるわけですから、90分間出来る限り集中して戦うことが重要ですね


 それと共に、失点などをしてもそこで動じず、最後まであきらめずに戦うことが重要になってくるのではないでしょうか。
 ベスト16に入って硬さの見えるチームもあるような気がしますし(もしかしたらコンディションの問題かもしれませんが)、様々な面で気持ちの部分が重要になってくるのではないかと思います。



 プレッシャーも増えてくるかもしれませんが、ともかく、この試合でも全力を出し切ってほしいと思います。
 そして、日本代表初のW杯ベスト8入りを達成してほしいですね。
 最後まで頑張ってほしいと思います。