錦織圭、ウインブルドンでナダルに敗北

 一昨日、世界ランク1位のナダル対日本期待の星である錦織圭の試合が行われました。
 結果から先に言うと、2-6、4-6、4-6でストレート負け。
 試合前からわかっていたことながら、やはりナダルは強かったですね。
 左から右に逃げる力強いサーブ。
 キレのある強烈なバックハンド。
 そして、フォアからはベースライン際でグウンと一気に落ちていくエッグボールや、トップスピンのかかったドライブショット。
 独自の武器がある上に、その1つ1つがすごく強力。
 世界ランク1位はダテじゃないですね(笑) 


 ただ、錦織もナダル相手に、決して何もできなかったわけではなく。
 ボールをギリギリまで引き付けて打つことによって出来る広角なショット。
 レシーブエースも見せたジャックナイフ…。
 思い切って前方に出ていくプレーサーブや相手を良く見たドロップショットも効果的でしたし、課題だったサーブもかなり強化できているのではないでしょうか。
 唯一相手のサービスゲームをブレイクした第3セットの第6ゲームの1ポイント目も、ラリーで主導権を握って奪ったもの。
 最後も相手を左右に広く振ってから、相手の逆をつく錦織らしいプレーでした。



 しかし、錦織の良さも通用した試合だったとは言え、やはり相手との大きな差も感じた試合だったかなと思います。
 特にここぞという場面でのプレーの安定感。


 例えば錦織3-4で迎えた第2セットの第8ゲーム。
 ナダルサービスゲームで40-40と追い付かれたとこで、強烈なサービス2つを決めてゲームを奪ってしまいます。
 すると次のゲーム、錦織が40-15から巻き返された展開では、錦織がダブルフォルトからリズムを失い、ゲームを奪われてしまいます。


 ナダルが追い込まれたところで本気を出した…とも感じましたが、そういったところでのメンタル面の差。
 追い込まれた場面や、1点ほしいと気が急いでしまう場面での安定感。
 ナダル相手に通用する部分もあるとわかったからこそ、そういった部分で残念に感じるところもあった試合だったかなと思います。
 先に3ポイントをとってダブルフォルト…という展開は、このシーンだけではなかったですし。



 フィジカルの強化に関しては多くの人が指摘していますし怪我の問題もありますから、少しずつ体を作っていくしかないと思います。
 しかし、気持ちの部分に関しては(こちらも多くの人が指摘している問題ですし、メンタルトレーナーも付いているのでしょうが)、最終的には自分で乗り越えていくしかないのかなと思います。
 

 テニスは基本的に個人競技ということもあるし、ほんちょっとした差でアウトになったりネットに引っ掛かったりしてポイントを失い、そこから流れが変わってしまうことも多くああります。
 素人の私と比べるのは非常に失礼な話ですが、私も気持ちが沈んでいる時にプレーすると、いつもは入るボールが全く入らなくなってテニスにならないようなこともあります(笑)
 それほどまでにメンタルが重要となるスポーツだと思いますし、もちろんそれだけが今回の敗因だとも思いませんが、この日ナダルから感じた“強さ”。
 テクニックでも、パワーでもなく、プレーヤーとしての強さ。
 2人のタイプは全く違うわけでナダルを真似しても意味はないわけですから、そういった強さの部分を吸収していってほしいと思います。
 もちろん、経験の差と言う部分も大きいのかもしれませんけどね。
 ナダルも数年前までは、ここまで“強い”とは感じませんでしたし。



 試合後のインタビュー動画はこちらで。
 「自信を付けるには勝つしかない」といった話をしていますね、なるほど。
 しっかりとその辺りも考えているようで安心です。
(しかし、インタビュアー、ここでも石川遼かよ…。)
 ブログも更新していますね。


 でも、試合は完敗だったけれど、個人的にはとても面白かったですよ。
 あのナダルを振り回す展開も出来ていたわけですから。


 ただ、コートに立てばランキングなんて全く関係ないわけで。
 年齢も錦織が今年で21歳、ナダルは24歳と決して大きく離れているわけではないですし。
 現時点で相手に勝てないのは仕方ないにしても、ここからしっかりと学んでいくこと。
 1試合1試合をしっかりと次に活かしていくことが、重要ですね。