現実路線に進みつつあるのだろうか

引かれると崩せない。まるで日本代表の話みたいだが、ジェフも同じ悩みを持っている。というよりも、ほぼ全世界的な悩みといっていい。サッカーは引かれると崩しにくい競技なのだ。では、どうすればいいのか。
一番効果があるのは先制点だ。
(中略)
点を取って勝つためには先制点が重要だなんて、ニワトリとタマゴの関係みたいだが、実際にそうなのだ。先制点のために早い時間に勝負をかけるのも手だろうし、逆に先に失点しなければいいと考えてじっくりやるという方法もある。引いているチームは自陣でのプレー時間が増えるわけで、自陣でのミスも多くなる。サッカーはミスのゲームだが、自陣でのミスは失点に直結しやすい。待っていれば自滅というケースはけっこうある。そんなこんなも含めて、だんだんJ2に慣れてきたのではないか。(犬の生活

 まずは相手の自陣でのミスを待って、プレスをかける、あるいは相手陣内でパスを回す…という形を狙うのが現時点では得策であるということでしょうか。
 確かにそれで得点を奪い、結果も残していますね。
 強い相手にはどうか…という部分で疑問が残るわけですけど、ある意味でJ2ではそれが正しいのかもしれませんね。
 J1でそれが通用するかどうか、というとまた別の話になってくるのかもしれませんが。
 J1とJ2の一番の差というは、イージーなミスの数なのかな?とも感じますしね。


 私はこの数戦ジェフの結果が出てきたのも、江尻監督が若干現実路線に歩み寄ってきたからなのかなぁなんて思います。
 カウンターサッカーに向いている攻撃陣のチョイス、そこまで強引には取りに行かないプレス、監督のコメントなども含めて、なんとなく考え方が変わってきたのかなと。
 むしろ昨年の江尻監督の方が、パスで相手を崩す理想に殉じたサッカーをしていたのかな、なんて思うくらいです(笑)



 西部さんもおっしゃっているように、江尻監督はクラブの方向性も作りながら結果も出さなければいけない非常に難しい立場にいます。
 そういった部分を考えると、現実と理想とのバランスのとれたいい方向に進みつつあるのかなと思います。


 ただ、やはり私は相手のミスを待つ状況やカウンターだけではなく(もちろんそれらも極めて重要ですからそれを残しつつ)、「引いた相手に対して自らのアクションでどう崩すのか」の方法論がチームにおいてどこかで必要になってくるはずだと思うので、そこが見えてくるまでは100%の満足はできない…というか、チームのためにも江尻監督のためにも満足してはいけないのかなと思っています。 
 「世界的な悩み」であるのは確かだけれど、その悩みを解決するために、オシム監督も、アマル監督も、岡田監督も、世界中の多くの監督・チームが頭を悩まし、日々努力をしているわけですしね。
 もちろん江尻監督もやろうとして出来ていないだけかもしれないですし、それならば仕方のないとも思うのですが。
 ただ、難しい「悩み」ではあるのでしょうが、現チームにはJ2の舞台では“圧倒的な戦力”というとても大きな武器も持っているわけですから、余裕があるうちに少しずつでも「自発的に相手を崩す形」を作れていければな…と思っています。
 広島が昨年J1に復帰した年に大きな結果を残し、ACL出場権まで獲得したのも、結果だけでなく理想も強く追い求めたからではないかと思いますし。
 チームが良い状況に進んでいるのは確かだと思いますが、チームがもう一皮むけるために、頑張ってほしいですね。