企業による命名権獲得のメリット

 「NDスタ」継続のニュースで、読売新聞にこのような文章が書かれています。


CSR(企業の社会的責任)活動の一環で継続取得するというエヌ・デーソフトウェアは、宣伝効果のほか、社員の士気高揚や就職志望者が増えるなどの効果があったという。
 このあたりの発想はフクダ電子の考え方と、かなり近い部分があるのではないかと思います。
 こちらのサイトフクダ電子の広報・IR部部長安倍誠さんへの命名権獲得当時のインタビューが掲載されています。
 まとめると、単純な一般への「宣伝効果」だけでなく、「CSR」、「リクルート対策」、「社員モチベーションの向上」など、多くのメリットをあげていらっしゃいます。
 単純な商品の販売促進だけではなく、それ以外の部分でのメリットも考えて、スポーツチームのサポートしているということですね。
 ホンダも継続的にF1に参戦していた頃は、F1活動に参加したいからという理由で入社を希望した人も多かったと聞きます。
 もちろん実際には狭き門なのですが、それでもメリットはそれなりにあったのではないでしょうか。


 そう考えると、古河電工もBtoBの企業だからジェフへのサポートのメリットはあまりないのではないか(やる気がないのではないか)、とは言い切れないかもしれません。
 営業活動が苦手だ…とかは置いておくとして(笑)
 古河電工の社長も昨年のユナイテッドパーク竣工式で「当社がスポーツ紙の記者に注目を浴びるのはサッカーの時だけ」なんて話をしていましたし、実際の消費者だけでなく広く一般に名前を売るという点でそれなりの効果を感じとっているのかもしれません。



 スタジアム命名権の話に戻すと、エヌ・デーソフトウェアは介護・福祉関連のソフトウエア開発・販売を受け持つ企業で、今後の伸びに期待できる業界ではないかと思います。
 フクダ電子命名権を獲得したころに、AEDは大きく注目を浴び始めていた機器だったと思いますし、


 もしかしたら、一般消費者への商品販売促進というのが主な理由ではないからこそ、継続的に名前を出せる媒体というのが重要なのかもしれません。
 単純な商品の販売促進の場合、例えばCMなどで宣伝すると、その間はポンッと売れ行きが上がることがあるという話です。
 けれど、BtoBの企業の場合はそういったケースにはならないわけで、少しずつ名前を一般に浸透させ、認知度を上げていことが大切なのかもしれません
 先ほど紹介したインタビューでも「メディアに常に露出されるということが大きな要因」であるとおっしゃっていますし、そういう意味ではスタジアムの命名権は良い広告媒体の1つなのかなぁなんて、思ったりもします。


 とはいえ、昨今の不況もありますし(例えば「社員のモチベーション向上」どころか、なぜ無駄な金を支払うのか?ともなりかねないでしょうし)1つの目標(一般人への企業認知度の向上など)が一度達成されたと判断された上で契約が切れれば、「これ以上の継続的な宣伝は必要なし」と判断されるかもしれません。
 Jリーグのクラブ(に限らずですが)やスタジアムとしては、しっかりと魅力を打ち出していくことが必要不可欠だと思います。