佐藤勇人、ジェフ復帰に前向き?


来季J2に降格する千葉が、京都を退団したMF佐藤勇人(27)に復帰を要請することが分かった。
佐藤はオシム監督の日本代表監督就任で混乱する千葉から08年に京都へ移籍。主将としてチームをけん引したが、サッカーの内容や観客数減少にもかかわらずJ1残留に満足しているクラブの姿勢に疑問を感じ、退団を決めた。1年でのJ1復帰を目指す千葉は近日中にも正式オファーを出す見込みで、湘南など複数のJ1クラブも興味を示している。(スポニチ

千葉は、08年に京都に移籍した佐藤勇人に3年ぶりの復帰を求める正式オファーを出した。京都を退団した佐藤は高いレベルでのプレーを求める一方、J2に降格した古巣について「ユース時代からお世話になったチームだし、今の苦しい状況だからこそ助けたい気持ちはある」と千葉のJ1復帰へ協力したい気持ちをのぞかせた。(スポニチ
 この流れは、ある程度初めから出来ていたんじゃないでしょうか。
 こちらの動きもそうですけど、あちらの動きも疑問の残る部分は多い。
 勇人はフロントへの不満が京都退団につながったそうですが、そういったケースはあったとしても少なくとももう少し話し合う時間などをとってから退団となるのが普通でしょう。
 サッカー雑誌などでも「驚きの退団」だったなんて報じられていましたし。


 そう考えて、ジェフの方も見ると同ポジション下村が突然の契約解除。
 江尻監督になってからボランチは実質3人しかおらず、クラブはJ2に降格し、中後や工藤の去就も不透明な状況でした。
 獲得できる見込みのあるボランチが決まっていなければ、かなりリスクの高い状況だったのではないかと。


 もしも仕組まれたシナリオだったのなら。
(いや、そうでなくとも結果的に下村と勇人を入れ替えたことには変わりないのですが。)
 もちろん感情的にはあまり良くは感じませんね。
 1人はジェフを選んでくれた選手、もう1人はいろんな問題があったとはいえジェフを選んでくれなかった選手…で、前者を選ばず後者を選んだことになるわけですから。


 それと戦力的にも勇人と下村を比べるとすると、どうなのかなぁと。
 工藤と中後が残ってくれたとして、例えば工藤が怪我か何かで出場できなかった試合。
 この場合は勇人と中後のボランチとなり、ぴたりと合います。
 工藤ほどのテクニックはないにしても、セカンドボランチの位置で攻守において走り回ってバランスをとれる選手ですし、プラスの効果も期待できるかもしれません。
 しかし、逆に中後が試合に出れなくなった場合。
 勇人と工藤とではどちらもセカンドボランチタイプで、サイズ的にも心配です。
 下村なら工藤とのコンビは言うまでもなく、中後との組み合わせでも「相性がいい」とまでは行かないかもしれないけれど、そこまで悪くはなかったはずです。
 また、もし工藤や中後が移籍した場合に(中後の残留が決まりましたが)例え勇人を獲得できたとしても、下村は3番手として残しておくべきだったのではないかと思うのですが…。
 それこそ「1年でのJ1復帰」を考えるのなら。



 確かに下村と勇人だけを比べてみると、江尻監督のサッカーには合うかもしれないけれど、全体のバランスも考えなければいけません。
 下村の契約満了は年齢の問題もあるかもしれないけれど、実際問題として若手ボランチの育成には失敗しており、ベテラン選手を解雇したところで若手の出場機会が出来るわけでもないわけですし。


 それとも工藤はSHなどでの起用を考え、ファーストボランチタイプをもう1人誰かを補強するつもりなのでしょうか。
 しかし、そうだとしても下村以上の選手が取れるのか。
 外国人選手などをボランチで考える可能性もありでしょうが、そうなると勇人の獲得は予算的に大丈夫なのでしょうか?



 もちろん今となっては、戦力としてとても欲しい選手。
 以前話しがあった村井よりも、タイプ的には全然納得がいきます。
 けれど、もし下村を放出していなかったら、そこまで言うほどほしかったかというと…。
 このあたりにどこか引っ掛かりを感じてしまいます。


 なお、日刊の選手名鑑によると勇人の年俸は6300万円とのこと(これもあって自主的な退団は信じられなかったのですが)。
 その金額がどこまで正しいかはわかりませんが、高額なのは間違いないのでしょう。
 下村の年俸が2000万円だったことを思うと、コストパフォーマンスなどを含めていろいろな面を考えてしまいますね。
 J2に降格して収入も下がるであろうことを考えれば、もし高年俸のままなら獲得もどうかと思います。



 一方で、工藤が広島からのオファーを断ったというニュースが。
 これでジェフ残留にかなり前進したのではないでしょうか。
 正直、工藤のキャリアを考えれば、それでいいのかと思ってしまうのですが、ジェフとしてはとてもうれしいニュースですね。