「再建へ体制刷新、危惧の声も」


サッカーの日本リーグが創設された1965年以降、唯一2部降格のなかった千葉(日本リーグ時は古河電工)が来季、J2に戦いの場を移す。ユース(高校年代)などから続々と有望選手を輩出した流れは停滞し、来季は育成年代のコーチを半数以上入れ替えるが、この年代は指導の継続性が重要なだけに「名門再建」への道は平たんではない。
(中略)
学校の部活動と違い、育成からトップまで一貫した方針で指導できるクラブの利点を生かせなかった。習志野市市原市にジュニアユースを置いていたが、関係者によると、互いにユース昇格枠を争い、連携が不十分だったという。育成や普及部門を統括する小林寛取締役(50)も「それぞれが自分のチームを意識し、バラバラだった」と話す。
クラブは、本拠地のフクダ電子アリーナがある千葉市に施設を集約中で、ジュニアユースも段階的に統合して来季から千葉市内で1チームになる。その中で、育成年代のコーチ18人のうち11人が来季の契約を更新しないと通告された。組織再編の影響もあるが、大幅な入れ替えは地域や学校との間に築いた関係を崩しかねず、指導を受ける選手への影響も小さくなく、危惧(きぐ)する声も聞かれる。(毎日
 長い記事ですがスタッフの声もあり、しっかりと取材している感があります。
 こういう記事は貴重だと思いますので、ぜひとも御一読を。


 トップチームも同様ですが、継続性は重要だけれど、それがすべてではないと思います。
 良い継続もあれば悪い継続もあるわけで、悪い部分は取り払わなければいけない場合もあると思います。


 問題は取捨選択の判断を、正しくできているのかどうか。
 しっかりと結果を残している部分はなくしてはいけないと思うし、悪いからといって全て無くせばいいというものでもないでしょう。
 具体的にいえば11人を解雇して、その分優秀な人材を確保できるのかどうか。
 そこまでを考えた上で、意思決定をしていかなければいけないと思います。 




 この記事によると、なんと池上正コーチも解雇されたとのことです。


ジェフ千葉は02年から、普及の一環としてホームタウンの市原、千葉市の小学校などにサッカーコーチを派遣する「サッカーおとどけ隊」活動をしている。年間約190カ所を巡回し、約6万人にサッカーの楽しさを伝えているが、隊の中心となって活動してきた池上正コーチ(53)は、来季の契約を更新しないと通告された。
(中略)
池上コーチは現在、Jクラブと共存しながら地域でサッカーのすそ野を広げる活動を模索中だ。年少のカテゴリーに行くほどコーチが若くなる傾向の強いJリーグ各クラブの現状を懸念し、「育成が大事と考えるなら、経験豊富なコーチが子供たちを指導しなくてはいけない」と言う。
情報網が張り巡らされ、有望な選手をスカウトしてチームに入れる手法が確立する一方、「いい選手を見つけてくるだけでなく、目の前にいる子供を育てようというコーチがもっと必要」と指摘している。
 池上コーチはジェフが行っているサッカーおとどけ隊の創設者の1人で、少年指導の本も出されている方。
 トップチームのコーチではないですから表に出られることはあまりなかったかもしれませんが、若年層の指導や地域密着において非常に重要な役割を担っていたはずです。
 クラブから言い渡された解雇なのであれば、信じられない思いです。



 間瀬さんの時もそうでしたが、このあたりの情報がマスコミを通じて出されるというのも非常に残念。
 ここまでインターネットが身近になり誰でも情報が得られる時代になったのですから、このような情報は隠そうとしても隠しきれない状況にあると思います。
(クラブは毎回「関係者のプライバシーを大切にするため」と説明しているけれど、実際問題としてこのように情報は流出しているのだから意味をなしてはいません。)
 このあたりクラブの考え方を根本から変えなければいけないのではないかと思いますし、そのあたりの改革を期待されたのが三木社長だったのではないかと思うんですけどね…。