蘇我スポーツ公園開発の行方は無関係ではない

 ちょこちょことチェックしていた千葉市の行方。
 もちろんチェックしていたと言っても私が注目しているのは、フクアリの周辺などジェフとの関係が市長の交代や現在の不況によってどのように変わっていくか、というところです。


 ニュースなどでもなるべく調べてはいたのですが、蘇我の開発については新市長就任直後に話しが出た以外、なかなか話題に上ってきませんでした。
 話しに出てくるのは、市長交代前からマスコミのバッシングを受けていたモノレール問題と、若い熊谷市長の動向ばかり。
 ようするに重要な細かな政策などについては、ほとんど取り上げられていない…ということですね。



 まぁ、それはともかくとして、この度千葉市マニフェスト工程表を公式サイトなどでアップしいました。
 行程表と言うにはわかりにくいものなのですが(そもそもマニフェストの全てを1つの工程表にまとめようって時点で大きく間違ってると思うんだ)、その中には蘇我スポーツ公園に関しても少しだけ書かれています。
 詳しくはこちらなどで。


 蘇我スポーツ公園の部分だけまとめて書くと、第二工区だったテニスコートは結局、施設整備を縮小するとのこと(今までは工事中断という話しだったはず)。
 円形広場、陸上競技場、(フクスク以外の)フットサルコートなど第三工区、第四工区に関しては全面的に見直し、防災機能を確保するため高潮対策の盛土と液状化対策などを行うとのこと。
 また、第四工区はフクアリに隣接する駐車場ができるため、第三工区より先行して整備を行うことも記述されています。
 第四工区とは駅から見てフクアリより奥のエリアですね。
 蘇我スポーツ公園の開発計画などに関してはこちらなどで。
 以前はもっと詳しく工区ごとに書かれていたと記憶しているのですが、その必要性もなくなったということなんでしょうか。



 今後、第三工区、第四工区に関しては「市民と話し合いで決める」ということにはなっていますが、現状が大きく変わらない限り大幅な開発は期待できないでしょうね。
 熊谷市長の選挙時から後押ししていた“市民”団体は、蘇我スポーツ公園開発に猛反発をしており、フクスクの建設にすら反対していたはずです。
 「市民の声」として真っ先に尊重されるのは、そのあたりの意見ということになるでしょう。




 …さて、話しは少し変わりますが、実は今シーズンの前半、フクアリで開場待ちをしているときに、地元の方に話しかけられたことがありました。
 聞くにフクアリが出来てから公園が散歩コースになって、よく遠巻きからフクアリをご覧になっていたそうです。
 それでジェフに興味をもたれたのか「ここはジェフのファンなのか」、「今日の対戦相手はどこなのか」、「チケットの価格はいくらなのか」など、いろいろと質問攻めを受けました。
 しかし、単純に興味本位で聞かれていたわけではなく、しっかりとジェフの勝利数なども把握されていて、「なかなか勝てないなぁ」とか「このままじゃ今度こそ降格しちゃうんじゃないか」と聞かれ、しかし、別れ際には「でも10月にあそこの練習場ができればな!」と、励まされてしまいました(笑)


 地域密着を目指すジェフとしては、こういった方を大切にしていかなければいけないのではないかと思うのです。
 サポーターの人数も増え、サポーターの熱も高まった。
 それは現フロントの努力があったからこそだと思いますし、十分に評価されるべきでしょう。



 しかし、一方で地域密着に関しては、まだまだこれからだと思うのです。
 サポーター熱は高まったけれど、地域のジェフ熱、サッカー熱が高まったとは言いにくいのではないかと。


 その地域密着の切り札として、私は蘇我スポーツ公園の発展に大いに期待していました。
 フクアリの周辺地域を盛り上げるためにも、やはりスタジアム周りの発展は非常に重要です。
 今回紹介した地域住民の方のようにフクアリを生で見ればジェフに興味を示してくれる方もいらっしゃるわけだし、そういった人の中から将来のジェフサポーター候補が出てくる可能性も十分にあるはずです。


 そういう意味で、フクアリの周りが更地のままであることは、ジェフにとっても喜ばしいことではない。
 そして、出来ればその周りに作られる施設は、商業ビルとかではなく、スポーツ施設であってほしい。
 そちらの方がジェフの客層とも被るだろうし、蘇我スポーツ公園千葉市の…いや千葉県のスポーツの中心になれば、フクアリとジェフへの注目度もより高まるはずです。
 ジェフのスポーツイベントへの関わりも、やりやすくなっていく。
 私も子供の頃に臨海の隣でテニスの大会に出たことや、球場で高校野球の応援をしたことがありましたけど、そういった思い出というのはやはり人の心に残るものです。
 そういった相乗効果も期待していたのです。
 

 細かなところで言うと、GLOBOの経営もかなり厳しいようですがそれもやはりフクアリ周辺の開発と無関係ではないでしょう。
 それだけジェフの試合開催日以外は公園方面に人の流れが少ない(元々は工場地帯でしかなかったわけですしね)、公園周辺が栄えていないということなのではないかと思います。


 
 
 新練習場ができれば平日に蘇我に足を運ぶサポーターも増えるでしょうが、地域密着の観点からいえばサポーター以外にも蘇我を訪れてほしいところです。
 新練習場でカルチャー教室のようなものをしたい…という社長のアイディアもありましたが、それもどこまで地域密着に繋がるのかどうか。
 例えば囲碁や将棋をたしなむけれど現段階ではサッカーに興味のない方が、新たにサッカーにも興味を示してくれる可能性はどれだけあるのか。
 全くいないとは言えませんけれども…。


 ジェフだけでサッカー熱を盛り上げるのは規模的にも限度があって、地域側からも積極的なサポートがなければ厳しいと思います。
 その大きな1つの計画が頓挫してしまったということになるんじゃないでしょうか。



 とはいえ、もうハコモノに関しては難しいにしても、これからも地域と連携して盛り上げていかなければならないことに関しては変わらないでしょう。
 熊谷市長も就任してからHPのリニューアルを公言したりフクアリの視察を行ったりと若者を積極的に取り込もうという狙いがあるようですから、ジェフを積極的にサポートするまではいかないにしても露骨に敵に回すようなことは出来ないはずです。
 市長が就任した経緯も「若い力にかけたい」という背景があったはずで市長本人もそれを理解しているでしょうから、方向性として若者重視に行くのは自然な流れになのではないかと思います。
 ジェフからすれば、そこに期待したい…というかそこが政治的な狙い目ではないかと思います。


 ただ、千葉市の財政は厳しい状況ですから、視察やコメントなど市長の動向だけで判断するのではなく、本当に重要なのは具体的にどういった動きをしていくのかだと思います。
 若者を敵に回したくはない…けれども無駄な予算は出来るだけかけたくない、というのが財政再建を託された新市長の一番の本音でしょうから。



 ともかく、千葉市の動向は今後も注目していかなければいけないのではないでしょうか。