江尻監督の初陣に向けて

 いろいろとクラブのやり方に関してはグダグダと言ってきましたが、江尻さんの監督としての手腕に関してはむしろ期待しています。
 外国人監督だって、しっかりとリサーチしなければクラブにフィットしないこともあります。
 その点、江尻監督は“ジェフ歴”がとても長く、ジェフの良いところも悪いところもしっかりと理解しているはずで、うまくその経験を活かすことができれば現状を打破できる可能性もあると思います。
 確かに日本人指導者には飛び抜けた監督というのはなかなかいないのでしょうが、だからといって平均値は決して低いわけではないように思います。
 このあたりは日本人選手の傾向とも近いものがあるのかもしれませんね…。


 加えて江尻さんは多くの優秀な指導者の下でコーチ経験があり、五輪コーチとして国際舞台も踏んでいます。
 オシム監督の下でもコーチを務め、オシム監督によるチーム作りのロジックも学んでいるはずです。
 オシム監督が全てというわけではないけど、ジェフというクラブにはぴったりとフィットした手法を持っていたわけで、江尻さんもそれに近いロジックに基づいた指導が期待できるのであれば非常に楽しみです。


 唯一心配なのは、監督としての経験がなく、監督としては若いということですね。
 これに関してはしっかりと周りがサポートしていかなければいけません。



 ただ、いくら経験豊富で自分のクラブ出身の指導者だとはいっても、それによってジェフの今までのやり方を大幅に変えてしまうことに関しては賛否両論あるはずです。
 今までのジェフは出来るだけ実績のある欧州人監督を選び、それの監督の指導によって小規模でもじっくりと選手を育てていくチームを目指していたはずです。
 その方向性、今までのアイデンティティを変えて、新たな方針に転換したこと。
 そのあたりの説明はしっかりとしていくべきだと思います。




 ともかく、そのあたりはひとまず置いておくとして、江尻監督について。
 初めはいろいろと悩むこともあるかもしれませんが、自分らしさを貫いてほしいと思います。
 今日の初戦に関しては監督が就任して間もないですし、コンディション不良の選手も幾人かいるようなので、いきなり江尻監督らしさを出すのは難しいかもしれません。
 しかし、その分選手達にとっては絶好のアピールチャンスなのですから、奮起してほしいと思います。

  
 そして、周りの関係者には江尻監督がのびのびびと指導できるように、サポートしてほしいと思います。
 ここから、また再スタートです。
 もう「再スタート」という言葉を簡単に使わないためにも、クラブ全体で頑張っていかないといけませんね。