嬉しい工藤の成長

 ここ3試合の工藤の活躍は、とても嬉しいものがありますね。
 いよいよ、ユース年代から期待されてきたあの工藤が、大化けする可能性も出てきたのかなぁと思います。



 今までの課題だったフィジカル面での弱さ。
 この部分を克服しつつあるのかなぁと。
 それが現在の活躍においての一番の要因ではないかと思います。


 大分戦の前半でも、相手のボランチの位置から進出してくる体の大きなエジミウソンに対し、体をうまく使っていくどかボールを奪っていました。
 以前から身長の低さをうまく利用して、相手の懐に入りボールを奪うプレーが得意だった工藤。
 それに加えて体幹がしっかりしてきたのか、腰でしっかりと踏ん張ることができるようになり、懐に入った後に簡単には潰されず、ボールを奪ってそのままカウンターに持っていくことが出来ていました。


 また、CKでは力の入った伸びのあるボールを蹴ることが出来ていました。
 これも身体が一回り強くなった証ではないでしょうか。
 なんとなく見た目にも、上半身ががっしりとしてきたように感じます。



 また、精神面も少しずつ変わってきたように思います。
 以前は周りに遠慮していた部分があったように思うのですが、今シーズンの途中あたりから積極的にラストパスを狙う姿勢が目立ってきました。
 また、ここ2試合では中盤の低い位置から、前線やトップ下のエリアまで積極的に前身しています。
 以前から前線への飛び出しは得意な選手でしたが、現在は飛び出すだけでなく、高い位置に残ってそこでボールを受けようという意識も感じられます。
 これももしかしたらフィジカル面で自信がついたからなのかなぁと。


 

 もともと丁寧なショートパスが得意で視野も広く、中央でプレーさせることでゲームを造ることが出来る選手でした。
 しかし、フィジカル面には課題があって、プレッシャーの厳しいトップ下だと相手に潰されてしまうし、ボランチだと一対一の守備で不安を感じる部分もありました。
 サッカーの才能に関しては素晴らしいものがある選手だったのですが、フィジカルの部分の問題でなかなかそれが活かしきれていなかったという印象です。




 オシム監督も05年の開幕戦の段階で、すでにこのように工藤を評していたくらいです。


工藤は周りが見えてアイデアがあるし、危険なプレーをすることができます。では、なぜスタメンじゃないかというと、体力が持たないから。相手が疲れたときに投入し、視野の広さとアイデアを生かせるようにしました。残念なのは体力がないこと。走ることができれば、最初から試合にで出られるわけです。(ジェフ公式サイト
 しかし、工藤にはフィジカルの問題やスタミナの問題があった。
 昨年も1試合活躍するとその次の試合で、動けなくなるという課題が見て取れました。


 けれど、この3試合はコンスタントにいいプレーが出来ています。
 身体が出来てきて、スタミナの部分でも余裕が出てきたのではないでしょうか。
 
 


 あとは、チームが劣勢に立たされたされたときの立ち振る舞い。
 押し込まれたときに、ピッチの真ん中で、落ち着きを作れるようになること。
 チームの状況が良い時に攻撃の流れを作る仕事だけでなく、一試合を通して試合をコントロール出来るような“緩急を作れる司令塔”になって欲しいですね。


 そういったプレーが出来るようなってきたら、代表入りも見えてくるのではないでしょうか。
 以前にも言いましたが、現在の日本では若い司令塔タイプが減ってきているように思います。
 だから、工藤には大きなチャンスがあるのかもしれません。


 工藤の持っているサッカーセンスを考えれば、“緩急を作れる司令塔”にもなれる実力も十分にあると思います。
 ぜひとももう一段階成長して、ピッチの真ん中でチーム全体をコントロールする存在になってほしいですね。