「ダブルポスト」は現行の戦術で機能するのか?
オシム監督時代のジェフと言うのは、巻とマリオ・ハースの「ダブルポスト」が機能していました。
前線で2人がターゲットになることで、ポストプレーヤーが1人の時に比べて、1人の負担が少なくなります。
そして、ポストプレーヤーにクサビのパスを入れたときに、多くのMFがゴール前に飛び出していく。
トップ下、サイド、ボランチ、時にはDFまでもが、どんどん2人のポストプレーヤーを追い越して行くサッカーをしていました。
この中盤より後ろの選手の飛び出しがあったからこそ、前線の2人がゴールに背を向けることの多い「ダブルポスト」も機能したんだと思います。
今のジェフは基本攻撃は前3人のみに任されています。
前線の2人+SHだとか、4-3-3のときは3トップだったり、攻撃時にポジションを捨てて前に飛び出していく選手が極めて少なく、基本的にFWとアタッカーの3選手以外は中盤からの飛び出しは許されていません。
もしもその中のうち2人がポストプレーをすることになると、そのボールを受ける選手は1人だけということになってしまいます。
それではポストを2人並べる意味はかなり薄くなってしまうでしょう。
動画などを見る限りでは、ネット・バイアーノは確かに後ろを向いたときのポストプレーは期待できるのかもしれません。
けれども、だからといってハースっぽさを感じることはあまりないように思います。
ハースの後ろを向いたときのポストが有効だったのは、巻と組んでいたからというより中盤以降からの飛び出しに合っていた…ようするにオシムサッカーにフィットしていたということでしょう。
じゃあ、巻との相性は良くなかったのかというとそうではなく、巻との相性が良く感じたのは『高質なクロス』の部分でしょう。
ハースの特徴はポストプレーだけではなく、前を向いたときには高質なクロスを持ち合わせたクロッサー(ラストパサー)として、攻撃にアクセントを加えていました。
しかし、少なくとも動画で見たバイアーノは、質の高いクロスを上げるタイプではなく、足元はテクニックよりもパワータイプ。
攻撃で前を向けばクロッサーというよりドリブラーといった感じで、その点ではハースとあまり似ていないように感じます。
…というか、ハースっぽい選手を探すのであれば、(浮き球のクロスの質も上がっていたように感じていた)レイナウドでよかったんじゃね?というのは、禁句なのかな(笑)
ということでネット・バイアーノに期待するのであれば、「ダブルポスト」は今の戦術のままだとあまり機能しないと思いますから(そして大幅に“前3人で攻撃”という基本を変えるとは考えにくいですし)、ドリブラーとしての部分に期待する他ないんじゃないかなぁと現段階では思います。
まぁ、日本にきてプレーが変わる選手もいますから、まだわからない部分もありますけどね。
ところで、ネット・バイアーノ。
長期出場停止を受けたなんて話しもあるそうなのですが、大丈夫なんでしょうかね(検索したけど詳細は良くわからなかった)。
8試合の出場停止なんて噂もあるみたいですけど、あちらできちんと消化したんでしょうか。
もし丸々こちらで消化しなければいけないとなれば、大事です。
なにせ、外国人選手の登録は7月17日からとちょっと遅いわけで、そこからまた出場停止の期間ができてしまうわけですから。
新外国人選手は最短でも中断明け後から5試合目の第18節広島戦まで入団できないわけですが、そこからもしも万が一8試合も出場停止となればデビューは更に遅れて、9月20日の第26節神戸戦まで待たなければいけなくなります。
もしそうなるのであれば、獲得も考え直さなければいけないかもしれませんね。
続報があまり出てこなくなったのも、そのせいだったりして…?