議論の継続以前に議論の進め方に問題があるのでは

 秋春制に関する記事はたくさん出ていますけど、そのほとんどが内容は薄くつまらないものばかりになっています。
 ジャーナリスト(あえて誰とは言わないけど)の多くも「議論を続けるべきだ」という意見ばかりが先行していて、さすがにちょっと呆れてしまいました。


 一度Jリーグにおいての結論は出たはずで、結論が出たということはそれまでにある程度の議論は行われたということでしょう。
 それ以上の議論をすべきだというのであれば、その議論内容をオープンにし、そから問うことをしていかなければ今までの議論はまったくの無駄になってしまう。
 ですから「議論を続けるべき」というのであれば、その前に議論をオープンにしていないこと、議論の勧め方に問題があるということを強く言っていくべきでしょう。
 

 私は今回の秋春制で一番の問題はそこだと思っています。
 にもかかわらずそこを指摘することが少ない周りのマスコミにも大きな問題があるのではないでしょうか。



 さて、そんな中で、一番面白かったのがこの記事でした。
 長いけれど引用させてもらいます。


ここに2000年7月4日付けの資料がある。『Jリーグ ネクスト10プロジェクト』が作成した中間報告書だ。じつは約10年前にもプロジェクトチームがあって、Jリーグの将来が論じられていた。その中の7番目の項目として秋春制へのシーズン移行の問題があった。
 その中間報告で述べられているのは、
1. 厳冬期の開催を避けると、春秋制でも秋春制でも試合の実施時期は3月半ばから12月になってしまう
2. そのため観戦しやすいとか競技の質が向上するという議論が成り立たない
という問題だ。さらに重要なのは、秋春制ではシーズンオフになる8月上旬が日本の夏休みで、そこで試合を開催しないと来場者減になりそうだ、というそろばん勘定の話も入っている点だ。今回の報告で鬼武チェアマンが強く指摘したのも、「収益上のリスク」だった。
当時のメンバーはほぼJ1クラブだけで構成され、J2は湘南のみけ。最北のクラブは鹿島だった。つまり、札幌、仙台、山形、新潟といった降雪地域のメンバーが抜けても、「移行のメリットは少ない」という報告になっていたのだ。その裏側に見え隠れするのは、経営的なリスクを嫌う各クラブの思惑である。
結局のところ、10年前と同じ議論が交わされ、同じ結論に落ち着いた。掲げられたメリットも、指摘されたデメリットも、おおむね変わっていない。
10年の経過によって、Jリーグや各クラブを取り巻く条件は変わってきている。だから、議案が蒸し返されるのは構わない。しかしそれにしても10年前の議論がまるで忘れ去られたかのような、今回の報告を見る限り、「秋春制」が大きく前進することは当分なさそうである。
ところで、この報告書の中には、そのほかにも興味深い話題が盛り込まれている。「スター選手がいない」「チーム数が多くて覚えられない」という現状分析や、「新たなファンの獲得が進まないため、ファン年齢層の上昇が感じられる」という危機感が記載されている。この報告書が提出されて9年、はたしてJリーグ構造改革は進んだと言えるだろうか。むしろ問題は深刻化しつづけているようにも見えるのだが。(livedoor
 結局は同じことをやっていて、話しが進んでいないってことなんでしょうね。
 それは何故かって言ったら、やはり議論の勧めからが下手だから議論の積み重ねがでてきていないということではないかと。
 だから何度話し合っても、0からのスタートになってしまう。
 それでは「議論を続けるべきだ」といっても、あまり意味はないですよ。
 それよりも有意義な議論をどうするのか。
 どういう体制で議論をしていくべきかを考えた方が、よっぽど意味があることなんじゃないでしょうか。