五輪、ロンドンからU-21へ

 2012年のロンドン五輪からサッカー男子の年齢制限がU-21になるとのニュースが。
 欧州ではU-23だとクラブチームで選手が主力担っているケースが多く、なかなか選手を集められないという問題もあり、以前からU-21化は言われていた話しです。



 日本ではどのような影響が考えられるのでしょうか。
 今まではU-23の選手達が五輪で世界舞台を経験して、そのままフル代表へという狙いがあったのではないかと思います。
 アテネ-ドイツラインはジーコ監督が保守的で上手く行く気配もなかったですけど、シドニー-日韓はむしろシドニー世代がそのままフル代表に移行した珍しいパターンでした。


 そして、現在の北京-南アフリカですが、少なくともオシム監督と反町監督の間では緻密な情報交換が合ったのではないかと思います。
 水本、豊田、細貝、青山敏、李あたりはオシム監督も好きそうな選手ですし、CBに足元の技術が期待できる吉田や森重を選出したのもオシム監督の考えがあったからではないかと。
 オシム監督が病に倒れ、北京世代のその後はわからなくなってしまいましたけど、順調に行けば北京世代の加入というのも会ったのではないかと思います。



 U-21となれば、五輪後に直接フル代表に加入と言うのは難しいのかもしれません。
 ただし、メリットと言うのもあるのかもしれない。
 欧州でもそうでしょうが、現在の日本でもU-23とフル代表で選手を取り合うなんてことも珍しくなくなってきました。
 上記の選手達に加え、本田圭、内田、長友、水野、伊野波、西川などはクラブなどでも活躍しているケースもあり、フル代表とU-23を兼任していた時期もあります。
 しかも、悪いことに五輪代表とフル代表は活動日程が被る場合もある。
 オシム監督などはフル代表に専念させたい思いも合ったようですが、「日本にとって五輪というのは非常に大切な意味を持つから仕方がない」というような意味合いの話しもしていたことがあります。


 五輪がU-21になればそういった負担は少なくなるかもしれません。
 しかし、今後は21歳以上の選手の育成が課題になってくるかもしれませんね。
 ただ、それもクラブチームが頑張っていけば問題のないことかもしれません。
 Jリーグがまだまだ未熟だった頃の日本ではユースチームが若手選手育成の場として機能していましたが、今ではクラブでもある程度の経験をつめるようになって来ました。
 北京でも多くの候補選手達がクラブでそれなりの実績を積んでいたはずです。
 
 

 それにU-21の育成問題は最近でも話題になっていましたが、五輪がU-21ともなればそちらにリソースを集中することが出来る。
 U-21はユース代表である程度鍛え、それより上はクラブが頑張るという形式がよりはっきりするかもしれない。


 実際になってみなければわからない部分もあるでしょうが、日本にとっても面白い変更なのかなぁと思います。
 まぁ、U-20W杯が予選になるんだけど、大陸ごとの枠とかどうなるんだろうとかわからない部分も多いですけどね。
(けど、アジアが予選でなく世界規模の予選になるのなら、それはそれで盛り上がるのかもしれませんね。)