ニック・フライか、ヴァージンか?

 F1ジャーナリストの今宮純氏がホンダ撤退宣言後の流れとヴァージングループに関してのコラムを書かれています。


とにかく何故かすべてが「不適格」とされ、時間だけが過ぎ、2月には現在も首脳陣として残るふたり、N・フライ氏とR・ブラウン氏による“自社株買占め(マネージメント・バイアウト)”が英国メディアから強く流れ出した。
「やっぱりそうなのか」。以前からヨーロッパで囁かれてきたF氏による“チーム乗っ取り”は、周到な根回しと画策によってもう目前まできたかに見えていたのだが……。
 MBO(自社の経営者が株式を買取り会社のオーナーになること)の可能性に関しては早くから言われていましたが、今でもこの説が根強く残っているようですね。
 私はさすがにネタだろうと思って、取り上げてこなかったのですが(笑)
 予想通りバックアップ(資金)がうまく集まらず、今のところニック・フライの策略は実現とまでは言っていないようです。
 そりゃそうも思うのでしょう。
 なにせ、BAR時代もホンダ時代も大したスポンサーを見つけて来れなかった人物なんですから…。



 そして、ヴァージングループについて。


音楽業界で成功を収めてから航空会社を始め、数々のビジネスチャンスに挑んできた彼らは以前からF1モータースポーツを理解している英国有数のビッグカンパニーだ。中東の投資家や、某国の富豪や、ファンド系の“ペーパーカンパニー”などとはわけが違う。それこそメルセデスが納得してエンジンを出すのにふさわしいような条件は整っている。
ただひとつの“問題”、それはHRF1代表者にとって彼らは強力な敵対相手であり、しかもタクマ・サトウが関係していた英国企業だけに、何が何でもつぶさねば長年かかってここまで来た計画が水泡と化す……。この世界から去ることを強いられるかもしれない……。事実上チームオーナーのごとく振舞ってきた者にすれば、最大限の“抵抗手段”も辞さない危機的状況だ。
 なるほど。
 報道によると資金力もある程度見込めるようだし、琢磨のスポンサーを務めるなどF1への意欲も感じます。
 ヴァージングループならば、健全な運営ができる可能性もある。
 そして、何より旧ホンダチームを救ってくれる数少ないチャンスかもしれない。 


 しかし、ヴァージンがチームを買い取れば、トップはニック・フライではなくなる可能性も高い。
 資金提供だけでなくプロモーションもしていきたいのでしょうから、チームの全権がヴァージンに移ることになるのではないかと。
 そうなると、ニック・フライにとってはおいしくない…ということでしょうか。



 コラムは「どうかHONDAよ、最後に決断力を─」と締められていますが、さてどうなることでしょう。
 時間もありませんし、悠長に構えていられるような状況ではないでしょう。
 ここで佐藤琢磨がF1復帰となれば、日本人ファンも少しはホンダを見直してくれるかもしれない。
 

 ホンダにとっては大きなチャンスのように思うのですが(もっともホンダサイドから声を掛けたいう報道もあるようだが)、最後までF氏に足を引っ張られたままで終わってしまうんでしょうか…。