後半はSHを中盤に絞らせていた模様

 横浜FC戦のレポートがJ's GOALにアップされています。
 試合を見ていないのでどこまで当っているかはわかりませんけれども、レポートと関係者のコメントから大筋の内容は見えてきます。


先にリズムを掴んだのは千葉。横浜FCのディフェンスラインの裏、特に右サイドの裏にロングパスを出してポイントを作る狙いを徹底する。「ロングボールをワイドに蹴られた時に不安定な面が出た」と樋口靖洋監督が語るように、相手ディフェンスラインの裏に作った起点からのクロスで、シュートチャンスやコーナーキックを得る。(J's GOAL
 前半はサイドの裏を付く攻撃を積極的にやっていって、うまく攻撃が作れていたようです。
 これは相手もあることで、J1でそういったサッカーが通用するかどうかはわかりませんが。
 しかし、ミラー監督はSHを前後に走らせ、サイドライン沿いの裏のエリアばかりを狙う形は好まない監督。
 守備も中に絞った守り方、攻撃もサイドの選手がどんどん中に入っていって4-3-3のような形を好む監督さんです。
 だから昨年も純粋なサイドプレーヤーである根本などではなく、深井や青木良太を積極的に使っていったんでしょうし。


 ということでミラー監督は横浜FC戦でも流れの良かったとされる前半を「サイドが開きすぎ」と判断し、後半は形を変えていったようです。


 しかし、この試合では昨年とは違い…。


ミラー監督
「まず、前半については、パスの組み立ての所で横パス増えてしまい、前に早くボールを動かすということができませんでした。そして、うちのサイドの選手が開きすぎていたということがありました。そういうことがありましたので、工藤と佐伯には少し絞って内側のポジションを取ってからプレーしようという話をして、そういう修正を後半に対してしました。」(J's GOAL
 SHにFWタイプの選手ではなくボランチタイプの2人使い、中盤を厚くしていったようです。
 まぁ、単純にFWタイプが他にいないからかもしれませんけれども…(笑)


 でも、基本的にはSH2人をミドルエリアで中の方に絞らせて、遅攻をテストしていたんじゃないかと。
 その狙いは…。


坂本
「前半チャンスはあったが、あのサッカーで90分やるのは体力的なこともあるので、ゆっくりな時間を作る必要がある。緩急の所ですか。」
中後
「もっとボールを受けて落ち着かせることができれば、リズムが出たと思う。コミュニケーションは取れていたが、コンビネーションの部分でバリエーションを増やす必要があるし、組み立てられるようにしたい。チームとして、繋ぐより取ってからカウンターという狙いもあったが、90分続くと難しいところもある。繋ぎながら、時間をつくることもできるようになるといいと思う」(J's GOAL
 このあたりにあるような気がします。


 どんどん前からプレスをかけて速い攻撃を狙うのがメインコンセプトだけれど、それだけでは体力が持たない。
 だから、昨年も「前半は守って、後半に攻める」という形を徹底していました。
 しかし、「前半は守る」といっても防戦一方。
 決して形は良くなく「守る」というよりも「耐え忍ぶ」といった感じで、自分達でゲームをコントロールできているわけではありませんでした。


 そこで、遅攻を…というか、中盤でつなぐサッカーをテストしたのではないでしょうか。
(あるいは、「中盤でつなぐ傾向を強めた」…くらいの言い方のほうが正しいのかもしれませんが。)



 ただ、遅攻をするというのは、やろうと思ってすぐに出来るようなシロモノではないでしょう。
 現在のジェフのメンバーだと、DFラインのビルドアップ能力に課題が大きすぎます。
 じっくりをパスをつないで相手を崩すサッカーを目差していたオシム監督が、代表で4バックにしてもサイズの大きくない阿部にこだわったり、DFラインに今野や駒野、ジェフでは中島やストヤノフを起用していたように、現代サッカーでは中盤だけで遅攻を狙うというのは無理があります。
 それに遅行を目差すのであれば、中後の言う通り選手間の「コンビネーション」が重要になってくるはずですが、昨日もいったようにミラー監督は選手をどんどん入れ替えるタイプの監督。
 連携を深めていくタイプではないんですよね。


 また、中盤も基本的にはアタッカー陣が多く、アタッカーサッカーのためのメンバーを揃えてきたはずです。
 だから、中島が解雇されたり米倉がなかなか試合に出れなかったりするんでしょうし、エキストラキッカータイプを補強しなかったのも中盤で回して崩すのではなく「ドリブルでどんどん行こう!」というサッカーを狙っていたからではないかと思います。
 加えてSHを中盤に絞らせるのなら、SBを攻めさせて中盤を助けてあげなければいけないでしょうが、そういった動きも基本的にはないのでしょう。



 選手達がダメとかじゃなく、そういったコンセプトの下でチーム作りをしていない、補強をしてこなかったんじゃないかと思うんですけどね。




 ですから、今になってSHを中盤に絞らせたというのはちょっと意外でした。
 個人的にはパスサッカーの方が好きなのでそういった試みは興味深くもあるのですが、今期の補強プランなどを見ているとアタッカーサッカーを貫くんだとばかり思っていたのですが。
 まさか、アウェイ仕様の守備的なサッカーをテストしたってわけでもないんでしょうし。
 

 もちろん最終的に重要なのはバランスで、アタッカーサッカーをするにしてもビルドアップの質は高めていかなければなりません。
 昨年はその点で大きく苦戦した部分があるはずですし。
 ただ、それとSHを中盤に絞らせるのは、またちょっと話しが違うはずですからね。

 


 まっ、試合を見てないので詳しいところはわかりませんけれども(笑)
 まぁ、でも一番怖いのは…。


「まず2失点のところですが、うちのセンターバックの選手が2度ほど反転されて裏を取られる場面がありました。そしてサイドから入ってきた選手にやられたという点がありました。」
 こっちかなぁと思います。
 これだけだとよくわかりませんけれども、また逆サイドから入ってきてやられてしまったんでしょうか。
 守備重視のサッカーをしているだけに、簡単に守備が崩されるとチームの基盤も崩れてしまう。
 攻撃に関しては、入れ替えればいいんでしょうけれど…。