犬飼会長譲らず「10年がダメなら11年」


日本協会の犬飼会長が秋春シーズン制移行へ、あらためて強硬姿勢を示した。将来構想委員会の委員長を務める鬼武チェアマンが「10年から(の移行)は無理でしょう」と述べているが、犬飼会長は「10年がダメなら11年。できるだけ早くやりたい」とW杯開催年にこだわらずに移行させたい考え。鬼武チェアマンもこの日「ある程度のメドを立てないと。時間をかけてというのもあるが、その時間ももったいない」と早期決着を望んだ。一方で「山形からグラウンドの雪かきをしている写真がメールで送られてきた」と積雪地での冬場の開催が厳しいこともアピールした。(スポニチ
 そこまでして自身の案を推したくて、将来構想委員会とやらも信用できないのであれば、自分でやればいいのにね。



 自分でやる…ようするに、プロジェクトの概要やスケジューリングはもちろん秋春開催にかかる全コストを洗い出し、その後の利益を考え、損益分岐点を設定する。
 そして、現在の春秋開催でもコストと利益を出して、有意差を示す。


 それで有意差がでなければ、普通の企業のプロジェクトならならもちろん通りません。
 普通の企業ではないから公益的な部分も考えなければいけないけれど、会長就任時に「収益を優先させる」って本人は言ってしまってるだけにどうなんだろうねぇ…。
 いや、普通の企業でなくとも、今回のプロジェクトはJリーグ全体で赤字を垂れ流す可能性もあるだけに、維持費と利益の分析は絶対に必要なはずです。


 有意差が示せた上で、秋春開催のメリット、デメリットを具体的に考える。
 欧州と日程が重なって移籍がスムーズになるとか、サッカーの質だとか…あと、えーとなんだっけ?
 まぁ、そのあたりは本来、会長が考えて周囲に提示するべきことなんだから、他人が考える必要はないはずなんだけど。
 

 もちろん、その時は一般の人が聞いても納得する説明文じゃなきゃいけない。
 冬は夏に比べてサッカーの質が上がる…“だろう”とかじゃダメで。
 実際にこれこれこういう根拠があって、こういった例もあってこうだから、サッカーの質は冬の方が上がるんだという話しを作ってこなければいけません。
 そして、サッカーの質が上がることがJリーグにおいて、どう有意義なのかという話しももちろん必要です。
 質が上がったからといって、それだけならだから何だということになる。
 本当に質が上がるのであれば、上がって客が来るとか、具体的なメリットも考えなければいけない。
 質が上がって客が興味を示したとして、どれだけ夏に比べて増えることになるのか、ということに当然なるでしょうね。
 そこまで考えなきゃいけない。





 まぁ、これは秋春開催に限らず、ナビスコU-23も同様。
 というか、プレゼンの基礎中の基礎ですね。
 それを出してもらわない限りは、本来なんともいえないはずなのですが。
 …で、それらの基礎ができていれば、『10年でも11年でもいい』なんてめちゃくちゃな話しになるはずがないんですよね。
 だって、1年も違えばスケジュールはもちろんですが、損益分岐点なんて一気に変わっちゃいますからね。


 それをぽろっと言ってしまったことで、残念ながらいかに犬飼会長が何も考えずに話しているかがわかってしまいました。
 天皇杯のジェフの件もそうですけど、秋春開催に関してはもう少し練ってるんだろうなぁと思っていただけに、これはもう呆れてしまうレベルですね。
 まぁ、ある程度は予想出来ていましたけど(笑)




 …ということで、個人的には犬飼会長の数々の案というのは、どれも本来は語るべきレベルですらないシロモノだと思っているのですが、語るべきレベルでないまま話しを持っていきそうな気もします。
 新潟サポさんを中心に有志の方が秋春開催の反対署名運動を行う「Jリーグ冬期開催に強く反対します」というサイトを立ち上げていますので、ご紹介を。