逆サイドの守備の課題について

JEF

　ここ数試合「なぜ逆サイドの相手選手を1人余らせてしまうのか」ばかりを気にしてジェフの試合を見ていて、大宮戦などでは逆サイドのサイドハーフのポジショニングが目に付きました。
　一方のサイドが攻められているときに逆サイドハーフが逆サイドバック以上に中に絞っていたわけですが、これはボールのあるサイドに近いボランチの位置が関係しているのかなぁと。



　またやっつけで作った図で申し訳ないのですが、この図のように相手サイドハーフがボールを持って攻め込んでくると、ジェフは同サイドのサイドバックとサイドハーフとボランチの3人で相手を囲もうとする意識が強いように感じます（場合によっては2人で行くこともあるけど）。
　欧州ではサイドハーフが非常に重要な攻撃のポイントになっているので、ミラー監督はまずはサイドハーフを止めなければいけないという考えが強いのかもしれませんね。
　まだ日本では、そこまで優れたサイドハーフが出てきていませんけれど。
　しかし、その分ジェフのボランチが1人サイドに流れることになるわけだから、もう1人のボランチが中央よりに構え、逆サイドハーフを中央に絞らせることで中央が薄くなるところをカバーしようとしているのかなぁ…と。


　何よりもミラー監督の守備は、『とにかく中央を厚くしゴールを割らせるな』が基本的なロジックですからね。
　セットプレーなどではそのロジックがはっきり出ていて、大分戦でも自陣のゴール手前にたくさんの選手が集まってシュートを掻き出した場面がありましたが。
　また、攻撃でサイドハーフが切り込むパターンを好むのも、その逆の発想なのかなぁと思います。
　『ともかくゴールに突っ込んでいく』というのが、攻撃でも基本ロジックなのかもしれません。


　
　…で、その同サイドでボールを奪えてしまえばいいのですが、相手もそこは研究してきて簡単に逆サイドに振ったり、場合によってはサイドハーフがためて同サイドのサイドバックをオーバーラップさせ、基本絞りがちなサイドの穴を付こうというサッカーをしてくるようになってきました。
　その時にどう対応するかが、まだはっきりしていなかなぁと。
　特に逆サイドに振られた場面。
　サイドハーフが中に絞っている分どうしてもチェックが一歩遅れてしまうこともあり、マークの受け渡しが上手くできていません。
　しかもサイドバックも絞りがちな状況だから、「サイド」と言ってもかなり内側でボールをもたれてしまうことが多く、たちまち大ピンチになってしまいます。
（そして実際にそこから何度もやられている。）




　初めの頃はサイドバックが絞りすぎているんじゃないかという思いだけが強く、実際にサイドバックの絞る意識は強い方だと思います。
　けれど、思い返せばオシム監督も日本代表では逆サイドバックに絞る指示を出していて、加地さんあたりは「こぼれた時にどうすればいいの？」と不安視するコメントを出していました。
　しかし、それでもオシム監督の基本ロジックは「対面の選手にマンマークで付くこと」なので、少なくとも相手のサイドバックにはこちらのサイドハーフがついているのです。
　だから、俊輔や遠藤、山岸あたりがDFライン近くまで戻ってきて、相手サイドバックをケアする…なんてシーンも良くありました。


　また、例えば4-4-2で言えばベンゲル監督のL字なども有名です。
　攻め込まれているサイドに対して、逆サイドのサイドハーフとサイドバックは高めにポジションをキープする陣形です。
　これはカウンターを狙うのが基本なのでしょうが、これによって対面の相手サイドバックを高い位置で見ていられるという狙いもあるのではないかと思います。




　先日の大分戦でいい試合が出来たように見えたのも、相手が3-5-2だったからというのが非常に大きかったのではないかと思っています。
　だから私は、あの試合の後もあまり楽観視はできなかった（相手がナビスコ優勝の直後でそこまで良い状況ではなかったというのもある）。
　もう少し金崎あたりを使ってサイドを攻め立ててくるのかと思ったのですが、意外とボランチあたりでボールをつないできてサイドは単独で攻めてくることが多く、守備の部分では助かったという思いが強くあります。


　また、今シーズン一番の出来だったと思われるのが浦和戦ですが、あの試合も相手は3-5-2でした。
　3-5-2だと簡単にはサイドで数的優位を作れないですから、ジェフとしては非常に楽に戦えます。
　今のジェフの問題点は4バックでサイドの2枚で攻めてくる相手に対し、いかにサイドで数的優位を作らせないようにして守るか…ですからね。




　まぁしかし、昨年も3バックだったので4バック相手だとサイドで数的優位を作られて苦戦したジェフですが、まさか今年4バックに変えても同じような理由で苦労するとは…。
　残りの試合相手を見ると、横浜FMは最近3バックだけど清水、FC東京は4バックのチーム（とはいえ横浜FMも1トップ2シャドー気味なのでシャドーが流れてサイドを狙ってくる可能性は十分にある）。
　全て勝ちに行かなければいけないジェフとしては、修正しておきたい課題ではないかと思います。