ジェフへの攻略法と、その対策について考える

 大宮戦を前にして、もう一度新潟が実施したジェフへの攻略方法を考えてみたいと思います。


 守備編。
ボランチ付近(特に工藤)への激しいプレス
(DFラインはさほどビルドアップ能力がないので放置)
ミシェウにはマンマークで付いて前を向かせない
・パスがつなげなければ巻に放り込んでくるためボランチとDFでそこをケア
・サイドが攻撃のポイントなのでウイングとサイドバック二枚で挟む
・もしもサイドがボールを持ったら必ず切り込んでくるから縦は無視して中だけに入れないようにする
 続いて攻撃編。
・プレスが来る前に早くサイドに展開
サイドバックへのチェックが遅いからそこを使って数的優位に
・逆サイドバックの絞込みの意識が強いから逆サイドの大外で1人待たせそこにクロスを上げる
・そのときセンターフォワード1人は基本センターバックを釣るため真ん中で待つ


 …簡単に要点だけど、こんな感じでしょうか。
 それに対しての対策。
 プレスに対しては、ボールを早く回すこと。
 技術力もいることでしょうが、パスをつなぐサッカーを目差すのであれば、どうしてもチームとして早くボールを回せる能力は必須となるはずです。
 だから、そこはどうにかして頑張ってやっていかないと。
 そして、早くボールをつなぐためにも、もっと人も動かなければいけない。
 選手が動いてボールを貰うことで、相手のプレスを掻い潜りながらパスをつなぐことが要求されるんじゃないかと思います。
(1人1人が相手を凌駕するようなテクニックやフィジカルがあればそこまで選手は動かなくてもいいのかもしれないけど、少なくともジェフはそうじゃないはずです。)


 サイドハーフが中に切り込みすぎている問題は、選手の選択肢が少なくなっているからではないかと。
 ミラー監督になってポジションごとの分業化がはっきりしてしまったせいで、「まずは自分の求められたプレーを実行する」という意識が選手の中で強まっているのかもしれないけれど、もう少し自分達の判断でプレーの幅を広げていかないといけないのかもしれません。


 守備の面では、逆にプレスをかけていくことでしょうね。
 特に前からのプレスの意識を上げていって、早く相手を捕まえることが重要ではないかと。
 逆サイドバックが絞り過ぎることに関しては簡単には解決できそうもないですが、もう少しボランチセンターバックをフォローしてあげられればいいんじゃないかと私は思うんですけどね。
 ただ、工藤をボランチで使っている限りそういった戦術は難しいのかもしれませんが。


 

 以上が私なりに考えた対策ですが、ミラー監督はこうは考えないかもしれません。
 特に次はアウェイの試合ですからね(笑)
 プレスに対しては掻い潜るのではなく、ロングボールを使ってなるべく“回避”することを考えるかもしれません。
 これによってFWは相手DFと真っ向勝負を求められるかもしれませんが、まぁたしかに「早くパスをまわす」ことも相手のプレスに真っ向勝負をしかけることになるのだから、考え方は大して変わらないのかな…?


 また、守備に関しても、プレスをかけるよりも退いて守ってゴール前を固める意識を強くするかもしれませんね。
 これもプレスを積極的にかけるリスクをとるよりも、退いて守りきれる自信がある…ということかもしれません。




 しかし、個人的にはそのようなアウェイ仕様は心配な部分の方が多いです。
 ロングボールは1つ間違えば相手へのプレゼントパスにつながります。
 ピンポイントでフィードを出せるような選手も、後方からのボールに競り勝てるような絶対的な長身FWもいないわけですし(巻が得意なのはサイドからのクロスボールにあわせる形であって…)。
 退いて守る守備に関しても、退いて守れるだけのセンターバックはおらず結局センターバックをフォローするためにサイドが絞って、そこにスペースができてしまいます。
 プレスをかけるとき以上にサイドにはスペースが出来ることが、今のところは多いですからね。


 一方で早くパスをつなぐだけの選手はいると思うし、プレスに関してもコンディションがいい試合ではしっかりと出来ていたわけですからね。




 じゃあ何でミラー監督はアウェイ仕様に拘るのかなぁと思うのですが、もしかしたら体調管理に厳しいミラー監督だからこそ、アウェイでのコンディションなどを危惧してそういった選択をしているのかなぁと思うようになってきました。
 アウェイではコンディションなどに問題が生じる可能性が高まり、100%はなかなか出せないから省エネサッカーで最低限の結果を目指そうというものなのかなと。


 それとターンオーバー
 ターンオーバーを実施している背景には、「全試合はフルパワーでは戦えないよ」という考えがあるはずですから、それならホームはなるべく100%で戦いアウェイではある程度選手を休ませよう…ということではないかと。


 プレミアリーグなど欧州のサッカーほどH&Aの意識がはっきりしていないのにも拘らず、アウェイ仕様を貫くミラー監督の考えというのはそれくらいしか考えられないんじゃないでしょうか。
 状況的には手を抜けるような試合ではないのですが、手を抜く…というよりは省エネサッカーでも勝てるという自信がミラー監督の中にはあるのではないかと。
 なにせ、状況が良くないのはこの試合に限ったわけでもないですからね(笑)
 だからたぶん大宮戦でもアウェイ仕様で臨むのではないかと思いますが、さてさて…。