長かった90分を戦い抜き、ジェフが首位名古屋に勝利

 本当に、長い長い90分間でした。
 特に2点目を奪ってからは、自分の中では10分、15分は経過しただろうと思えた時間が実際に時計を見るとたった2,3分だったりして、ジェフの勝利を願う者としては苦しい…というか緊張の時間帯が続きました。
 一緒に観に行った連れなんかは「怖くて見てられない」なんて言っていましたが、本当にそれくらいピリピリとした試合展開だったと思います。


 それほど大変な試合を制した価値というのは、非常に大きい。
 このままの勢いと緊張感をキープして、残り試合を戦い抜きたいですね。
 本当にお疲れ様でした。




 こんな素晴らしい試合を制したことに関して、これ以上言う言葉はありません。
 …でも、これで終わりというのもつまらないので、ここからは長いオマケです。







 スタメンは前節と若干違う顔ぶれでしたね。
 ミラー監督は連戦になるとメンバーをいじってくるので、スタメンを変えてくる可能性はあるだろうなぁと思っていたのですが。




 レイナウドをFW、ミシェウをトップ下に置き、深井を右サイドに戻して、工藤をボランチに配置するシステム。
 磐田戦でのスタメン変更は正直どうなのかなぁという思いもあったのですが、今回に関しては戦術的な狙いが非常にはっきりしていたので言うことはないですね。


 前からレイナ、ミシェウ、工藤を置いて、中央でパスをつなごうという考えだったのでしょう。
 名古屋のセンターバック2人は空中戦に強いからあえて巻を外し、空中戦勝負を捨てて地上戦で戦おうという意図がはっきりと見えた選手起用だったのではないかと思います。
 その狙いが試合序盤から成功して、3人のテクニックで流れをジェフに持ち込むことが出来たと思います。






 しかし、前半はレイナとミシェウが絡むことで相手守備陣を翻弄することはできたのですが、その分ゴール前に人が足らずシュートまで行かない場面が目立っていました。
 そこで後半はサイドハーフの深井と谷澤を、よりゴール前に走り込むようにしてきましたね。
 これにより前半は不足がちだった、ゴール前での怖さが出てきたと思います。
 2人はかなり長い距離を走らなければいけないことになったのですが、最後までよく頑張ってくれたと思います。



 そして、その2人がゴール前に突っ込んでいく分、青木良太の怪我で右サイドバックに入った早川と左サイドバックにまわった坂本が、積極的に前に出れるようになりましたね。
 2人が攻撃参加できたというのも、この試合において非常に大きなポイントだったと思います。
 実際、1得点目は早川のクロスから、ゴール前に走りこんだ谷澤のヘディングで先制しました。


 この日の後半のようにある程度両サイドバックが攻め上がれるようになれば、攻撃の厚みが出来てくると思います。
 ここ数試合は青木良ばかりが攻撃参加していたので、今回のように両サイドバックがある程度の均等に攻めあがれるようになれば面白いですね。
 でも、もしかして坂本も今は左の方がやりやすいのかなぁ…(笑)








 とはいえ、この試合での勝利の要因は、何より守備の面ではないかと思います。
 セットプレーの守備も前節の札幌戦から少しずつ改善されてきているのではないかと思いますし(その札幌戦では失点してしまいましたけど)、何より中盤での前からのプレスが機能していたのが大きかったですね。
 この前線からのプレッシングが、この試合一番の勝因ではないかと思います。
 相手より攻守の切り替えが早く運動量も豊富で、セットプレー以外ではほとんど危ないシーンはなかったと思います。
 前半の途中は少しやられてしまった場面もありましたけど、90分間プレスをかけるというのは無理話しですからね…。


 加えて、相手が3バック気味に変えてきた時も、冷静に対応できていたと思います。
 というか、あれは結果的に向うの采配ミスなのかなぁとも思います。
 サイドが1枚少なくなったことでサイドからの攻撃が怖くなくなり、逆に中央の選手達はきっちりジェフの守備陣に“はまって”しまいました。
 こちらから見れば、ラッキーだったかもなぁ…と。
 サイドで数的優位を作られて、簡単にヨンセン巻佑樹に放り込まれたほうが嫌だったでしょうから。



 




 攻守共に頑張ってしっかりと戦えていたジェフですけど、唯一気になったのがミシェウ
 運動量豊富に動き回り、特に守備の方ではかなり効果的にプレーしていたと思います。


 しかし、攻撃時の問題に関しては、不安な部分もありました。
 なまじテクニックがあって相手を抜くことが出来てしまうせいか、無理な体勢の時でも難しいプレーを選択し強引に前にボールを持ち出そうとしては失敗していましたね。
 この試合のミシェウは“非カウンターの基点”になっていたと思います。
 だから、ミシェウが早めに交代となったのも納得でした。
 この試合に関して言えば、攻撃面ではレイナの方がチームに貢献していたんじゃないかなぁ…と思います。


 テクニックもあるし運動量もスピードもある選手だからこそ、ちょっともったいないプレーが多すぎだったのではないかと。
 実際、後半に入ってミシェウを経由しないし攻撃が増えてきてから、流れがよくなったように見えましたしね。
(もっともミシェウがいたからこそ、そこを囮に周りを使えたという見方もあるだろうけど…。)
 このあたりは意識の問題だと思うし、ミラー監督もエゴイスティックなプレーは好きではないようだから、ここから良くなっていくことを期待したいと思います。







 ともかく、嬉しい試合でした。
 勢いのあるジェフが、勢いだけでなく結果も残している名古屋を相手に、接戦を物にできたんですからね。


 とはいえ、まだまだ残留争いはこれから。
 1つ下との勝ち点差は1ですし、1つ上からは混戦状態で厳しい状況も予想されます。
 気を緩めずに、残留の決まる最後まで戦い抜きたいですね。