祖母井GM「市原でやろうという動きがある」

 昨日発売された「サッカー批評」において、西部謙司氏による祖母井さんへの取材が掲載されていますのでご紹介。
 「サッカー批評」らしく、非常に読み応えのある内容になっています。



 メインの話しはグルノーブル内部のゴタゴタと、それに対する祖母井さんの芯の通った対応…というか祖母井さんによる組織改革について。
 祖母井さんが加入する前から政治的なゴタゴタのあるクラブなんだろうなぁとは思っていたのですが、内部は予想以上に酷いようですね。


 それでも祖母井さんならジェフでそういった問題は慣れているだろうから大丈夫なのかな?と思っていたのですが、
「組織に関してはジェフの方が比較にならないほどしっかりしている」
 との祖母井さんの発言が。
 ジェフの時以上に、大変苦労されているようです。



 それよりもジェフサポとして驚いたのが、『市原市で何かをしたい』という考えをお持ちだということ。
 「お世話になった市原市を無視できない」とのことでした。
 しかも遠い未来の話ではなく、グルノーブルには「あと2年」という話しも。


 日本に…そして千葉県に祖母井さんのような人材が帰ってきてくれのであれば、個人的には純粋に嬉しいことです。
 以前は故郷である関西方面に恩返ししたいというコメントをどこかで読んだのですが、市原市ならまだ注目して追うことも可能ですしね(笑)


 しかし、一方でどうしてもちょっと怖くなるのが、ライバルになる場合ですね。
 子供たちを中心に見ていくような感じのようですが、西部さんによると「市原に新しいクラブを立ち上げてJリーグを目差す…(原文ママ)」とのことで、ちょっと曖昧な記述でしたけどそういった可能性もあるということなのでしょう。
(たぶんあえて曖昧にしたんじゃないかな。)
 そうなってくると単純にクラブとしての対決だけでなく、祖母井さんは意識していなくても、ジェフからの人材の流出などは考えられますしね。



 もし祖母井さんが市原に新クラブを作ったとしたら、ジェフとしては“祖母井さんから卒業した新チーム”として真価を問われる時になるのかなぁと思います。
 人材なども含めて祖母井さんが育ててくれた財産というものは、今のジェフにも残っているはずです。
 しかし、その祖母井さんの残してくれた財産に対して、それを作り出してくれたご本人が市原市にクラブを作るということになれば、ジェフとしてはその財産以外の部分で(あるいはその財産を育てていって)勝負しなければなりません。



 協力してやっていけるのであればそれが一番だとは思いますが、もしJリーグクラブを目差すのであれば必ずどこかでバッティングするところが出てくるだろうと思います。
 その時までに、ジェフの良さをどういった部分で打ち出していくのか、どういった方向性で、どのようなアイデンティティを確立していくのか。


 そのあたりに関しては、祖母井さんがいなくなってから未だにはっきりしない部分であり、大きな課題でもあると思っていました。
 そういう意味で、ジェフがフワフワした状況から抜け出すためには、良い機会なのかもしれません。
 サポーターも一緒に考えなければいけないことだと思うし、この残留争いが終ったら一度ゆっくり考えて見るべきではないかと思います。



 ということで、祖母井さんの状況を詳しく知りたい方は「サッカー批評」で。
 今号の「サッカー批評」全体のテーマは、『欧州サッカーを疑え』とのこと。


 まだ全部を読んだわけではないのだけれど、欧州サッカーから学ぶべきところもたくさんあるけれど、欧州サッカーだって悪いところもあるし日本でやっているサッカーだって大きく違うわけじゃない。
 そんなテーマでしたので、非常に興味深い内容となっています。
 ぜひぜひ。


『サッカー批評 40』

サッカー批評 40
サッカー批評 issue39―季刊 (39) (双葉社スーパームック) サッカー批評 issue38―季刊 (38) (双葉社スーパームック) サッカー戦術クロニクル
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