オシム監督復帰の可能性をリハ専門家に聞いてみた


2010年ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会を目指す岡田ジャパンが、前日本代表監督のイビチャ・オシム氏(67)による「客観的な日本代表の分析」を求めていることが6日、明らかになった。日本協会アドバイザーのオシム氏の役割は育成支援に関する部分が主だが、日本代表も「知将」の意見に素直に耳を傾けることで、日本サッカーは再び大きく前進する。(東京中日スポーツ
 記事をどこまで信じていいのかはわかりませんけど、もし本当にやったらかなり厳しい評価が下されるような気がします。
 でも、今は結果を重視しているサッカーをやっているのかもしれないし、それならオシム監督の評価なんていらないんじゃないかと思いますけど…。


 新会長の最近のコメントを聞くと、そこまで岡田監督を強く支持しているような感じもしませんし、少しずつプレッシャーをかけたいのかな。
 まぁ、会長が変われば監督への見方が変わるのも当然だとは思いますけどね。
 その時にチームがぶれないためにも、強化部のしっかりとした方向性と監督への評価、選定理由が必要なはずなのですが、それも今は頼りない状況ですから…。





 ところで…。


6月の欧州選手権観戦を兼ねて、オシム氏は自宅のあるオーストリアに戻り、現在は継続的なリハビリをかねて再入院しているという。だが田嶋幸三専務理事によると「(9月中の再来日は)まだみたいだが(体調は)大丈夫」。完全復活に向け順調に進んでいる。
 再入院という話に関しては特に驚きません。
 病院というかリハビリ施設に入所したのではないでしょうか…。
 再来日が思ったよりも遅いなぁとは思っていましたが、日本の夏は健康には良くなさそうですしね。





 しかし、気になるのは『完全復活』と言う言葉。
 以前、オシム監督もインタビューで「もし日本代表を再び導くのであれば、完全に私が回復したという意味になる」と言うことを応えています。


 この『完全』とは何を持って『完全』と見るべきか…。
 私としてはオシム監督が復帰を望むのであればみてみたい気持ちもあるし、職場復帰というのはリハビリにとっても重要な目標の1つとなるわけです。








 そこで、リハビリの専門家に実際に聞いてみました。
 オシム監督の『完全復活』と『職場復帰』について…。



オシム監督の『完全復活』は可能なのか?
 『完全復活』が左半身の麻痺を完全に治すことを言うのであれば、もうほぼ不可能。
 初期のリハビリで患者側か病院側が、下半身の麻痺を治すことを優先したのではないか。


―初期のリハビリ次第では左半身を治すこともできた?
 …可能だったはず。


―下半身麻痺を優先したというのは?
 「歩行」することを優先視し、下半身の麻痺を早期に治すことを第一目標としたのではないか。
 下半身と左半身へのリハビリを同時にやっていけば、時間はかかるけれど左半身も回復したと思われる。
 しかし、今から左半身の麻痺を治すことはかなり難しい。


―なんで両方を治さなかったの?
 初めも言ったように、患者か家族の要望か、病院の判断ではないか。


―でも長嶋さんも同じような後遺症で同じ病院で…。
 同じように下半身へのリハを優先したのだろうが、それ以上のことはノーコメント(笑)


―では『職場復帰』も難しい?
 『職場復帰』のために左半身の麻痺を治すことが必要条件だというのであれば、難しい。


―もし麻痺が残っていても大丈夫だと本人が言ったら?
 オシム監督の場合、心臓に持病がある。
 再発の恐れがないとドクターが判断すれば、『復帰』の可能性もあるかもしれない。


―と言うことは復帰の可能性もある…と
 ただし病院側としては再発の恐れがある病気であるため、責任は持てないだろう。
 監督という役職には様々なプレッシャーもあり、どうしても健康上に不安が残る。
 最終的には「自分で病気を管理できると言うのであれば行ってもいいよ」、「でも責任は自分で持ちなさい」ということになる。




 …ということでした。
 麻痺が治らないと言うのはショックでしたが、「麻痺を持っていても出来るんじゃない?」とのこと。
 あとは健康状態次第と言うことですね。


 考えてみれば車椅子でもカマターレで監督を務めている羽中田さんのような方もいるんだし、麻痺が残っていること自体は監督業を務めるにあたっては大きな問題ではないのかな。
 しかし、健康面に関しては心配ですね。
 これに関しては外部の者はなんともいえませんね…。





 サッカー監督というのはかなりの激務です。
 日頃からのプレッシャーだけでなく、毎週のように移動しなければいけないし、野外での練習もクラブチームとなればほぼ毎日。
 病気を持っている人ということを考えれば、かなり厳しそうです。


 しかし、リハビリの専門家としては「まだ67歳でしょ?80歳を過ぎて現場復帰する人だっているんだし、可能性はあるでしょう」とのこと。
 67歳で“まだ”ということに驚きはしましたけれど、病院で働く方にとってはそういう感覚のようですね(笑)


 ともかくオシム監督の『現場復帰』のためには、「きちんとした体調管理」と「周りのサポート」が重要となるようですね。
 






 現状を考えるとどのチームで復帰するにせよ、オシム監督が信頼できるコーチを監督において、総監督的なポジションでオシム監督が復帰するというのが一番現実的という意見も多いようですね。
 そうなれば、ある程度は激務から逃れられるかもしれない?


 でも、あまり大きくは変わらないんじゃないでしょうか。
 オシム監督は細かく選手に指導してこそ活きてくるはずですし、総監督職はあまり向いていないでしょう。
 それに何よりも本人がそういった形での復帰は、あまり好まないんじゃないでしょうか。



 まぁ、体調を心配すると、その方がいいような気はしますけれど…。