あと少し、もう少しの差…
芸もなく昨日と同じ書き出しになってしまいますが、本当に悔しい試合でした。
あと少し、もう少し…というところで負けてしまったと思うからこそ、悔しさが残ってしまいますね。
試合終了後から、ずっと考えていました。
どう動けばあそこで失点しなかったんだろうか。
どうやれば得点が決められたのだろうか。
どうすればもっといい結果が残せたのだろうか。
でも、いろいろ考えていくと、結局その少しの差、小さな違いこそが上位チームと下位チームの埋められない差であり、その小さな部分で結果も大きく違ってくるんじゃないだろうか?というところにいきつきました。
チームとしての積み重ねの差、個人能力の差、戦術浸透度の差、メンタルの部分の差…あるいは運不運も含めて、小さな部分で凌ぎ合っているのではないかと…。
その小さな差を埋めるのが、非常に難しいんですけどね。
でもその差を埋める起爆剤になるのが、この「悔しさ」ではないかとも思うのです。
もちろん起爆剤だけでは火はつきません。
きちんと1人1人が消化して、その上で前を向かなければね…。
まぁ、でも残念ながらそんなキレイゴトを言っていられるような順位でもないんですけどね(笑)
さて、試合ですが、前半は決して悪くなかったと思います。
ジェフは相手の安田がボールを持ったところを狙って谷澤と工藤がボールを奪い、そのまま右サイドを攻めあがっていく形を狙っていたと思います。
その狙いが機能し、右サイドの谷澤のドリブル突破から幾度もチャンスを作っていました。
しかし、クロスは上がるのですが、中が足りません。
巻がいてそこに小さい工藤が入ってくる形だけだったのですが、やはりそれだけでは物足りなすぎます。
別に工藤の出来が悪かったわけではないんですけどね。
前半の工藤はプレスの厳しい中でもきちんとボールをさばけていましたし、ジェフがボールを奪ったら早いタイミングで、DFラインの裏を付く飛び出しを狙っていました。
しかも、単純に裏を付くだけでなく斜めに走ることで、相手DFを混乱させるような動きをしていました。
残念ながらいいボールは来なかったのであまり目立ちはしませんでしたが、相手DFラインを押し下げることには一役買っていたと思います。
けれど、問題は谷澤がサイドからクロスを上げる時ですね。
サイドが突破した状況では当然相手DFも引いている形だから、裏を狙うという動きはできなくなります。
そういった場面では工藤だと厳しい。
ここに下村あたりが入っていかないと…。
工藤の高さの問題もそうですが、人数的にも1人、2人だけでは少なすぎです。
このあたりはミラー監督も話しているので、ぜひとも修正に期待したいところではありますが。
まぁ、でも自分達の判断で試合中に修正して欲しかったですけどね。
試合後にアレックスミラー監督が「谷澤がボールを持った時に、うちはペナルティエリアに走りこむ選手が必要だったと思う」と話したように、サイドからクロスボールが入った時、ターゲットがFW巻誠一郎だけという場面も少なくなかったし、クロスボールがペナルティエリアの中に入ってきた選手の動きと合わない場面も多かった。(J's GOAL)
いい流れの時間帯だったんですから。
また、右サイドは機能していましたけど、左サイドはもう少しでしたね。
根本の足元の技術が武器になるのはわかってきましたけど、チームとしてそれを上手く活かしきれていません。
根本はドリブルもあるけれどやっぱり基本はクロッサーだから、左サイドで孤立すると難しい。
この試合での青木良はポジションはSBでしたが役割はCBのような動きだったので、フォローを期待するのは難しいのかもしれません(いや、それでももう少し頑張って欲しいと私は思うんだけど)。
でもSBの選手じゃなくても、前半の終了間際に一度だけ斉藤がウェーブの動きで根本をオーバラップした展開があったように、もう少しチーム全体として根本をフォローして上げられるようにならないと。
根本を途中からレイナウドに変えたことからも、ミラー監督は根本をチームのチャンスメーカーとして見ているのではないでしょうか。
それならば猶のこと、根本をもっと有効に使えるようにならなければいけないと思います。
まぁ、そんな感じで粗も多かったですけど、右サイドを制圧することで試合序盤はまだ戦えていたと思います。
しかし、工藤が右サイドのフォローに行くことで、相手ボランチがすっぽりと空いてしまう展開が試合序盤から目立ちました。
G大阪の選手はボランチでも(特に明神あたりは)しっかりボールを動かせますから、そこから縦にパスを出されたりジェフの左サイドに展開することで少しずつジェフが追い込まれていきました。
そして後半、G大阪がよりサイドを広く使ってきました。
これにより、サイドから攻められ中盤が押し込まれる形に。
G大阪に何度もチャンスを作られ、一方的な展開になって来ました。
そこでミラー監督は工藤を左にまわしてレイナウドをトップ下で出場させます。
「タメを作って押し上げる展開かな?」と思ったのですが、意外にもそれ以外の効果がありました。
レイナウドを相手ボランチに当てることで、ようやくG大阪のビルドアップの位置がDFに下がりました。
レイナウドは守備が得意ではないですけど、基本的には真面目な性格なので「ボランチに付け」といえば一応付くことは付きます(笑)
工藤ほどいろいろ動き回って守備をするわけでもないし守備自体あまり上手くはないけれど、この場面ではフォローに行かずボランチへのマークに集中することが、結果的に上手くいったと言えるのではないでしょうか。
サッカーって言うのは、本当に分らないですね(笑)
また、後半の30分頃には決定的なピンチをGKとDFが体を張って幾度となく防ぎ、後半35分には運動量のある苔口をサイドで投入します。
そして、G大阪の疲労…『攻め疲れ』の状況もありました。
これらによって徐々にではありますが、ジェフのラインが上がってきたと思います。
しかし、そんな状況で満を持してキレのある山崎が投入されます。
そして、その山崎に見事やられてしまいました。
ロスタイムに入って「このままならいける」と思った油断の問題もありますし、相手が上手かったともいえるでしょう。
ボスナーがルーカスにもっとしっかり付いておけば…という思いもあります。
それに、やっぱり無失点を狙うのは難しいという見方もあるかもしれません。
交通事故のような不運の失点も考えられるのだから、やはりどんな試合でも点は取らないと…。
でも、私が一番気になるのが「ジェフのラインが徐々に上がってきたから、スペースが出来てやられてしまったのではないか?」という部分。
もちろん本来ならばラインは上げたいし、防戦一方というのも怖いものがあります。
けれども、この試合のあの時間帯に限って言うのであれば、あのままラインが下がったままの方が無失点でいけたんじゃないか?と思います。
こちらも退いた守備での『守り慣れ』状態になっていたし、相手にすばしっこい選手も入ってきていたことだし(山崎だけじゃなく、佐々木や平井など)。
そんなの“タラレバ”なんで今さら言っても仕方ないんですけど、でもじゃあ次こういった展開になった時にどうするのか?というのを考えていくと、いろいろ悩んでしまいますね。
ラインを上げられる状況でも、下がったまま守るという作戦も時間帯によってはなくはないのかなぁ…と。
まぁ、その判断が難しいんですけどね。
とはいえ、この試合での主な課題は、前半のうちに点を取れなかったこと。
具体的にはサイド攻撃の際の外と中、両方の問題。
それと、後半の早い時間に押し込まれた状況を打破できなかったこと。
特にボールを奪ってどフリーな状況でもクリアしてしまうなど、ボールを落ち着かせられなかった点は非常に気になりますね。
でも、光明もあったと思います。
たぶん1トップでサイド攻撃という形が攻撃面のベースとなってくるのではないでしょうか。
そのあたりの形が出来始めてきたのは大きい。
それに、得点を取られてからの猛攻も見れた。
オフサイドは仕方ないと思うけど、でもあきらめず戦う気持ちは見せてくれました。
あとはそれを熟成していって、“小さな差”を埋めていくしかないんでしょうね。
もちろん最初に言ったように、それが一番難しいのだけれど。
関連リンク:
J1第18節 ジェフ千葉 0-1 ガンバ大阪
アレックス・ミラー監督記者会見コメント
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