祖母井さんが「あるチームは好きじゃない」と言っていた理由

 確か祖母井さんは以前、「あるチームのやり方は好きじゃない」とおっしゃっていた記憶があります。
 どこで言っていたのか、いつどんなタイミングで話したのかは覚えないんだけど、聞いて「やっぱりな」と思ったのだけ覚えています(笑)


 その時はおぼろげに大きなチームは嫌いなのかぁとか、お金のあるチームは好きじゃないのかなぁとか思っていたのですけど、今年になってなんとなくおっしゃっていた意味が解ってきたような気がします。





 ヒントになったのは今年のジェフの移籍動向。


 ご存知の通り今年のジェフは選手流出によって危機的な状況に追い込まれてしまったのだけど、それでも出て行った分加入してくれた選手もいたことでなんとか頭数は足りることになりました(笑)
 その加入メンバーの移籍元クラブを見てみると、非常に興味深い。
 馬場はFC東京から加入。
 FC東京には同じMFの羽生がジェフから移籍しています。
 青木良太G大阪から加入。
 G大阪にはこちらも同じくDFの水本が移籍しています。


 戸田も結城とトレードの形。
 しかも広島にはストヤノフの件もあるし、ペトロヴィッチ監督をオシム監督が紹介した繋がりもあります。
 根本も時期は少し外れるけれど、藤田がジェフから大分に移籍しています。


 
 こうやって考えていくと、裏では各クラブは互いに助けって共存しているんだなぁと思います。
 普段はライバルであるGMも実際には仲が良く、GM同士情報交換も頻繁に行っていると聞きます。


 まぁ、考えてみれば祖母井前々GMと唐井前GM(元東京VGM)も友人であるわけだし、昼田現GMも2人とは仕事仲間、城福ジェフU-18監督だって札幌の強化部長と、ここだけで4人もGM経験者が絡んでいます。
 それだけ狭い…とは言わないけれど、決して広くはない業界なのでしょう。



 それにトレードは選手自身のためにもなる。
 同じポジションの選手が加入したら、当然自分の出番が少なくなる。
 出番が少なくなれば選手の成長が止まる可能性もあるし、最悪は選手生命を短くする可能性だってあります。


 それは選手にとってはもちろん、クラブの将来にとっても、日本サッカー界にとってもいいことではない。
 場合によっては選手を引き抜かれても若手選手を育てたいというクラブもあるかもしれないし、選手同士が上手くライバル関係になるのであれば、トレードしなくてもいいのかもしれない。


 けれど、そう上手くは行かないことも多いわけです。
 オシム監督も「選手を売ったお金でそれ相応の選手が買えるわけではない」と話していたし、うまいこと若手選手が育たないことだってある。
 そして、何より選手生命というのは短いものですからね。



 

 しかし、このようなクラブ同士の助け合いも、1つでもチームが協力しなければそこからローテーションが徐々に崩れてしまうでしょう。
 あるチームが「自分達さえよければいい」と、自分本位の補強を始めればそこから「クラブ同士の共存」という考えはなくなってしまう。
 そのチームが経済的に成功していれば、なおさらです。


 それはそのクラブの関係者にとっては、いいことなのかもしれない。
 選手は獲っても獲られないし、ベテラン選手もチームに残る。
 それはサポーターにとっては非常に嬉しいことだし、クラブも人気選手を作りやすい。



 けれど、日本サッカー界にとってはどうなのか?というと疑問が残る。
 選手自身は本当にそれで幸せなのか?という思いもあります。
 「サッカーは自由競争がウリだから」とか、「自分のクラブの問題は自分で解決するから関係ない」とか、いろいろ見方はあるかもしれません。
 けれど、結局「あるチーム」のやり方が嫌われているのって、そういった考え方の問題ではないかと思うのだけれど。



 


 …で、新たな会長が誕生するそうですね(笑)
 この方がどういった考えを持つ人なのか。
 自分本位な考え方をする人なのか、共存を考えられる方なのか。


 欧州での経歴もあるって話しだけど、一般企業ってのは経済学的な視点で見れば自分本位でいい。
 基本的な経済学の本で『株式会社』の欄を見ると、「株主のために利益を出す企業」とある。
 消費者のためではなくその業界ためでもなく、株主のため…ようするに自分の資本のために動くのが株式会社。


 でも、スポーツってそうじゃないでしょう。
 クラブは一般企業だけど、JFAは財団法人でもある。
 “私益”よりも“公益”。
 考え方からすれば、企業よりも病院や学校に近いと言ってもいいのかもしれません。




 川淵は自分本位でしかなかった。
 サポーターはもちろん、Jリーグのクラブなんかもどうでも良かった。


 新会長はどうなのかな?
 自分のため、JFAだけのため、赤いチームのため…。


 そうはならないで欲しいけれど、我々は注意深く見ていかなければいけないと思います。
 少なくともクラブと同じやり方だけじゃ、上手くはいかないでしょう。





 長くなったので畳みます。




追記:
 おいおい、私は別に「赤いチームのやり方が嫌い」と言っただけで、赤いチームが嫌いとは言ってないんだぜ?
 私はクゼ監督の方向性(ある意味でやり方)すら早い段階で「応援はするけど好きじゃない」と言って、一時はジェフサポからも総叩き似合った人物(笑)
 クゼ監督になって負け始めてからではなく、ですよ。
 そういえばあのオシム監督にだって俊輔の起用法については、ちょっとずつ文句を言っていたっけ(笑)



 だから赤いチームのやり方、存在を否定するわけじゃないです。
 それは考え方が違うだけであって、「止めて欲しい」とも「いなくな〜れ」とも思わない。
 まぁ、違う考え方、意見があっても仕方ないでしょうってこと。
 うちとは衝突するかもしれないですけどねってことです。


 でも、それをもしもジェフでやられたら私は嫌だって話し。
 クゼさんの時と同じようように、周りのジェフサポは賛成しても「私は意見が違う」と言うでしょう。
 理解されないだろうと解っていても。
 だから、赤いチームだから反対するとか、ジェフだから賛成するだとか、そういうことじゃない。
 ここに1つのやり方の例があって、それには賛成できないなぁってレベルの話しです。



 しかし、そのやり方がもし協会でも始まったら、上記の理由でこれははっきりと「大丈夫なのか?」と言いますよ。
 ライバルチームが意見の違うやり方をしていてもそれはある種仕方ないことだけど、協会ともなれば私が応援しているジェフにも代表にも影響を与える。
 だからそこまでくれば、これはもう言う権利がある…と私は思っています。


 個人的には批判だとか賛同とかではなく、なるべく1つの意見として客観的に文章を書いているつもりです。
 浦和サポの人数だとか応援だとかには純粋に「すごい」ということを何度も言っているし、逆に賛成できないことがあればどのチームに対してだって「わからない」と思うし。
 


 あのチームだから批判するとか、オシム監督だから100%賛同するとか、そういうつもりはないんですよ。





 まぁ、そんなこと言っても、理解されないとは思うけどね(笑)
 でも、そちらさんの22番の件のことを言ってるんじゃないんだけどなぁ。
 これを書いてるときに、その移籍のことは全然考えませんでした。
 あの移籍に関しては赤いチームが悪いとかいうより、こっちの問題と選手本人だと思っているしね。


 多くの犬サポはなれちゃってるんですよ、マジで(笑)
 もちろん最初は見たくもなくなるけれど、この前秋津で水本も冷静に「やっぱり良いなぁ」と思いながら見てたしね。
 それよりも新フロントが、これからきちんと防止策をとってくれるのかが重要だと思っているので…。