犬養新会長内定も新人事には不満が

 古河派閥、川淵派閥がいなくなれば絶対によくなる!そう思っていたことが私にもありました…(笑)






 古河派閥の時代が終わりそれが浦和などJリーグチームに解放されるのなら、これは日本サッカー界にとって確実なステップアップなのではないか?と真面目に思っていました。


 けれど、理事には伊達公子氏と平尾誠二氏の加入が濃厚との報道。
 これで一気に不安になりました…。






 私は会長が側近を、1人や2人つけることには反対しません。
 あくまでも少人数であることが前提ですが「私は無能だから1人では何も出来ません。だから最低限の人数で側近をつけたいんです」って恥を承知でやるのであれば、それはそれでいいんじゃない?と思います。
(もちろん川淵の周りのイエスマンの数は異常であり、許されるレベルではないけれど。)
 それによって会長の仕事がしやすくなり、最終的にそれが日本サッカー界のために成るのであれば、文句は言わない。
 特に新会長となれば、初めは難しいこともあるんでしょうし。

 
 しかし、今回の人事では側近にすらすらならない。
 サッカーに関して詳しくないであろう2人を理事に入れたって、会長のサポート役なんか期待できるわけがないんですから。






 伊達氏は現役時代(現役復帰は遊びだと私の中では思っているので)「わがままな天才」というイメージでした。
 全豪、全仏、全英の三大大会でベスト4。
 日本人女子として史上初の世界ランキングベスト10入り(最高位4位)。
 フェドカップでは、当時世界ランク1位だったシュテフィ・グラフに勝利しています。


 シングルスでは日本女子史上最高のプレーヤーではないかと思います。
 しかし、一方で現役時代からわがままな印象がありました。
 わがままと言うか気難しい、神経質な印象。
 プレッシャーもあったのだろうけど、会見ではぶすっとした印象が強かったのです。
 まだミハイル・クルムの方がしっかりしているように私には見えます。
(クルムは結婚して守りに入ったイメージが強いんですよね。それも残念。)
 現役復帰にしたって、周りがどうこうではなく本人の意思でしょう。
 復帰自体が悪いことだとは思わないけれど、結果的に周りがどういった影響を受けたのかを考えると…。




 ただ、わがままが悪いと言うわけではありません。
 もともとプロテニスプレーヤーにはわがままな人が多いと思う。
 御曹司である松岡修造はもちろん、マルチナ・ヒンギスだとか越前リョーマ(違う)だとか、わがままなプレーヤーは上げていったらキリがない


 でも、わがままでいいんだと思う。
 わがままというか、エゴイスティック。
 もともと個人種目であるテニスは、コートの中ではとても孤独。
 テレビでは松岡氏が「テニスはメンタルのスポーツだ!」と言って少年にカツを入れるのを異様な光景のように扱うけれど、テニスとはまさしくそういったスポーツなんだと思う。
 これは実際にやっていけばわかると思うけれど。
 一球に集中し、他スポーツとは違い観客も黙らせ、試合中はほとんどコーチの意見も聞かない、まさに孤独なスポーツ。


 だからわがままな人が強い。
 特にシングルスは。
 逆にダブルスはより協調性が求められるんだと思います。
 日本人はダブルスが強いといわれているのも、そのためなんじゃないかと思います。





 そのわがままな性格の人物が、サッカー協会の理事に適任だとは私にはあまり思えません。
 テニスプレーヤーとして活躍した以外に、経営面やテニス協会で成功したとか言うのならばともかく、そういった経歴があるわけでもない。
 

 しかも、昨日のコメント欄にもいただいたように、平尾氏もイマイチ評判はよくないようで…。
 ラグビーには詳しくないけれど、こちらの人事も心配です。




 日本サッカー協会のような財団法人での理事とは、一般企業で言えば取締役にあたります。
 今回の犬養氏就任の正式決定も理事会が最終決定をするように、理事会は大事な決定機関であり理事はその決定権を持つわけです。
 だから、決して適当に選んでいい役職ではない。


理事(りじ)
1 団体を代表し、担当事務を処理する特定の役職。
2 法人の業務を執行し、その法人を代表して権利を行使する機関。株式会社では取締役という。「―会」
大辞泉
 『他スポーツからのアドバイスを受けることも重要』なんて意見も聞きました。
 それ自体はわからないくはないけれど(けれどなぜテニスとラグビーなのかという思いもある)、そんなものJFAアドバイザーを新設するだとか、それこそ特認理事にでもすればいい。


 勘違いしてはいけないのは、理事というのは業務を執行する側の立場であり、アドバイスを出す側ではなくアドバイスを受ける側であるということ。



 クラブで考えてみればいいでしょう。
 新社長が就任してすぐにそのクラブとはまったく関係なく、サッカーとも無関係である社長の個人的な友人を2人も取締役に入れたなら、「なに、それ?」とならないでしょうか。
 周りを友人で囲もうとしているのだな、としか思えない。





 私は犬飼氏の会長就任にそこまで反対はしていなかった
 あくまでも消去法だけれど、派閥がなくなればそれでいいと思っていた。


 けれど、これでは“浦和派閥”のようにも見える。
 古河派閥が無くなってもその分浦和派閥が大きくなるのなら、それは歓迎できないことだと思う。