組織としてまとまってきった北京五輪代表
カメルーン戦は、結果だけ見るとスコアレスドローしたがいい試合でしたね。
守備は安定していて以前の課題だったズルズル下がるような展開もなかったし、課題だったビルドアップも悪くなかった。
運動量も保たれていたし、なにより気持ちが入っていましたね。
北京五輪に出るんだという選手達の強い気持ちと共に、ツーロンである程度やれたことによる自信も大きかったのではないかと思います。
カメルーンも時差だとかコンディションの問題はあったでしょうけど、メンバーはある程度揃っていたしモチベーションは高かったのではないかと思います。
その相手にあそこまでやれれば、今の段階では上出来ではないでしょか。
やはりこのチームは明らかに成長しています。
気になるメンバー選考に関しては、たぶんこの日のスタメンが今呼べる中ではベストなのではないかと思います。
今の状況だと吉田の方が青山直よりいいんだろうし、森重と伊野波の関係も同様。
吉田も森重もツーロンでアピールに成功した選手ですね。
トップ下の谷口も1トップにするのなら、彼のようなゴール前でも期待できる選手を置いておきたいのでしょう。
ジェラードのようにね(笑)
梅崎もツーロンでいいプレーをした選手。
その結果、水野はスタメンから弾かれてしまいましたけど、ツーロンでの出来を考えれば仕方ないことだと思います。
水野の場合、五輪本戦でもスーパーサブでの起用っていうのも面白いのかもしれませんね。
ただし、6月下旬からJリーグが再開して、再開後の出来で選手を参考すると反町監督は言っているので、試合に出場できない水野はその分ハンディがあるはずです。
アピールできないことだけではなく、コンディション面も含めてね…。
少し意外だったのが森本のスタメン。
李がこのチームのエースだと思っていたので、森本はないだろうなぁと思っていたのだけど…。
アピールする時間が少なかった森本に、ラストチャンスを上げたのでしょうか。
ただ、その森本。
得点能力は期待できるかもしれませんが(ただその期待されたところもこの試合ではダメだったけど)、やはりポストプレーが少しずつずれていましたね…。
中盤でのパスワークが非常にうまくいっていた分、森本の“ずれ”が目立ってしまいました。
ああいうのを見てしまうと、得点力のあるFWも欲しいですけど、ポストが上手いFWもいいよなぁなんて思ったりしてしまいます。
パスワーク度外視の個人能力で勝つチームなら、後者はさほど必要ないのかも知れませんけど…。
やはりこのチームの課題はラストプレーの質ですね。
それと攻撃面での怖さ、勢い。
このあたりが不足しがちです。
ラストプレーの質という意味では、やはりエキストラキッカー。
それと得点力のある選手が欲しいのですが、日本にはフル代表にも得点力の高い選手なんていませんしね…(笑)
OAを呼ぶにしてもせっかくあそこまでパスワークが上手くいって組織的なチームになってきているのだから、それを阻害するような選考はやめてほしいと思います。
そういう意味では、俊輔よりも遠藤や憲剛の方がいいんじゃないかと。
大久保もどうなんでしょうね…。
オシム監督の下ではチームプレイも出来ていたけど、岡田監督の下で使われたここ数試合を見ると強引なドリブルが目立つようになってきてしまいました…。
反町監督が大久保を手なずけられればいいのですが、もしそれに失敗したら逆効果になる可能性もあると思いますが。
あと、OAを招集する効果についてその選手の個の能力ばかりが話題になっていますけど、それだけではないはずですよね。
OAの選手のリーダーシップ、メンタル面、そして経験…。
若く国際舞台に慣れていない選手たちを引っ張っていける選手がチームにいるかどうかというのは、五輪本戦では大きなポイントになるはずですからね。