大輔のDF登録に見たミラー監督の勝利への意欲

 会場には行けず、携帯で速報をかちかちチェックしてました。
 1-0で勝ってて怪我で長期離脱していたフランサが出てきたところでなんとなく嫌な予感がしたのですが、それが見事に当ってしまいその後、同点に追いつかれる展開だったそうです。





 勝てなかったことは残念ですが、引き分けで終ったことでナビスコ予選最終節を有利な条件で戦えることになりました。
 レイナウドを伊藤に交代したのも、そのあたりが狙いでしょうか。
 レイナウドは1枚イエローを貰っていたのも、大きかったのかもしれませんね。


 こういった交代策をみると、なかなか現実的で冷静な監督さんなのかもしれません。








 この試合のスタメン発表では大輔がDF登録でした。
 選手へのかん口令もかなり厳しく出ているそうだし、チームの雰囲気や周囲への影響を厳しく管理する監督なのでしょうね。


 大輔のDF登録にしても選手へのかん口令にしても、それ自体はあまり大きな効果はないと思います。
 しかし、そういった“勝利への意欲(こだわり)”や“細かな部分からのプロ意識”を監督自身が周囲に見せることで、チームの「ウイニングメンタリティ」を高めようとしているのかもしれません。
 どんな世界でもその場の雰囲気作りというのは非常に大切ですからね。






 また、ここ数試合を見るとミラー監督はセレクタータイプの監督ではないのかもしれません。
 ミラー監督が就任してから、サブメンバーも含めてほとんどメンバーが代わっていないこと。
 それと、交代をあまり行わないことがそのように思う理由です。


 セレクタータイプの監督はどちらかというとあまり約束事を作らず、個人能力に頼ったサッカーを目差します。
 だからその時のコンディションや出来不出来で、どんどん選手を変えていきます。



 


 多くのサッカーファンは、どちらかというとセレクタータイプなんじゃないでしょうか(笑)
 ミラー監督になってまたアマル監督の時のように「もっと孝太を使え」とか、「米倉を出せ」とか、「○○を引っ込めろ」なんて声が少しずつ出てきているようです。
 クゼ監督がファンに愛された理由の1つとしてクゼ監督セレクタータイプで、ファンから見ればわかりやすかったというのもあるのかもしれませんね。 
 しかも若手が大好きだったし、ダメならスタメンをどんどん変えてしまうし…。




 しかし、それも仕方がないことなのかもしれません。
 なにせサッカーファンは、実際に指揮をとって細かな戦術練習をするなんてことは出来ませんからね。
 だから選手への評価が個人の能力ばかりになってしまいがちだし、選手交代ばかりが監督の評価だと思ってしまいます。



 けれど、トレーナータイプ(というか戦術重視型?)の監督は違います。
 練習で細かな約束事を果たせない選手は使えないし、個人能力よりも連係プレーを高く評価する傾向にあります。


 だから無闇な選手交代で、チーム間の連係を失いバランスを欠くことはしたくない。
 オシム監督だって、アジア杯では「交代が遅い」と散々叩かれていましたね。


 まぁ、もしかしたらここがトレーナータイプの欠点と言えるのかもしれません。
 主力選手が欠けるとバランスが崩れやすいチームになりがちです。
 ただし、戦力の薄いジェフに必要なのは、明らかにトレーナータイプの監督ですけどね。
 じっくりと時間をかけてチームを作っていくしかないのです。






 もちろんミラー監督が、どんなタイプなのか結論付けるにはまだ時期尚早だと思います。
 ただ、リバプールのヘッドコーチということで「もしかしたら極端なセレクター型なのでは?」と心配していただけに、今のところは一安心です。


 どちらにせよ今のところ結果は出ているわけですし、中断中にいいトレーニングを積んで中断明けの猛攻に期待したいところです。
 そこからがミラー監督のジェフにとって、本当の正念場になるでしょうから。