“普通の日本代表”が普通に戦った試合

 …だったかなぁと思いますね。
 コートジボワールパラグアイ戦がこなしてから調整する時間がなかったせいか、そこまでコンディションもよくなかったですし。


 “普通の日本代表”が、いつものようにお金で相手チームを呼んで、普通に戦って、普通に勝った試合。
 それが悪いって訳じゃないんですけど、それ以上とも以下とも感じませんでした。




 3月下旬に行われたW杯予選バーレーン戦までは、免罪符があった。
 オシム監督が倒れられて時間がなかったから、岡田監督に言わせれば『擬似オシム流』で戦わなければいけなかった…ようですし。


 もっとも『擬似オシム流』で戦うのなら、岡田監督じゃなくてもよかったはずではないかと思いますけどね。
 反町さんでも大熊コーチでも、『擬似オシム流』なら出来たはずで。
 しかも結果論だけど、岡田監督が指揮したW杯予選は1勝1敗。
 結果も出なかったわけですから。





 話しはそれたけど、岡田監督率いる日本代表にとってはこれから『岡田流』のサッカーになるはず。
 バーレーンに負け、『オレ流』宣言をし、メンバーも大幅に入れ替え…。
 けれど、オシム色がなくなって、普通のチームになっちゃいましたね。
 『岡田流』と呼べるほどの目新しいものは、なかったように思います。
 普通にそのへんにありそうな、そのへんのチーム。
 


 こんなこと言ったらまた「時期相応だ」なんて怒られるかもしれないけど、たぶんこのままいっても日本代表は普通のチームの枠はなかなか超えないんじゃないでしょうか(それが方向性ってヤツだしね)。
 もちろん岡田監督自身は、普通以上を目差してがんばるんだろうけども。
 でも、「世界を驚かすサッカー」という発言はどこに言ったんでしょうね。
 あきらめたということなんでしょうか。





 
 とある新しいチームを作り上げていく姿を観ることというのは、私にとって興味の惹かれるモノです。
 例えば横浜FMが新監督で守備的なサッカーを構築していくプロセスなんかを、第三者として観続けるなんてのもなかなか面白いことなのかもしれません。


 しかし、例えば「日本代表とはこうあるべきだ」とか、「マイチームはこうあって欲しい」という話しをそこにプラスしてしまうと、話しはだいぶ違ってきてしまう。
 「横浜FMが守備的サッカーをする」とか「攻撃サッカーに転換する」とかいうのは、私にとっては大きな問題ではないけど、文字通り日本サッカーを代表すべきチームである日本代表や応援するクラブに関しては、私にとって…というか日本のサッカーファンにとってその方向性がとても重要になってくるはずです。






 で、岡田監督の目差す方向性というのは、まだなかなか見えてこないけれど、今のところ物足りないかなぁ…と思ってしまうわけです。
 もちろん3次予選という重要な試合が控えているわけですけど、3次予選の突破はほぼ安心していいレベルでしょう。
 そんなに手堅くチームを作る必要性もないんじゃないかと思います。




 それを考えると、もう少し方向性というか「日本代表のサッカーというのはどういったものなのか」というところを、見せて欲しいなぁと思うのですが…。


 まぁ、単なる自分のわがままです。








 あ、でも選手達は頑張っている感じがしたというか、思ったより気持ちが入っていましたね。
 メンバーが大きく変わって危機感を感じたり、新たに入ってきた選手が「アピールしたい」という気持ちが見えていたプレーもあったように見えました。
 それは1つ、収穫なのかもしれません。