岡田監督、マンマークに関して「本来ならやっていない」


岡田監督「オレになってすぐ公式戦の予選(2月6日、タイ戦)だったから、いろんなことを変えるのはリスクが大きかった。今までを踏襲してやってきた部分が多い。我慢してきたこともあるけど、これからはオレのやり方でやっていく。戦術を含めてトレーニングの組み立てとか、口で説明すれば2時間はかかるから言わないけどね。」
 あんまり言いたいことは関係ないけど、岡田監督は就任当初「ベースは変わらない」というようなことを言っていましたけど、岡田監督の言う「ベース」って具体的になんだったんでしょうね。







 私は岡田監督になればスペシャリストが増えるだろうと思っていました。
 そして実際に岩政が初招集され、山瀬や大久保などが好んで起用されました。
 だから、そんな形で選手の起用法に少しずつ岡田色が出すことは十分に可能だと思っていたのですが、その一方でDFに阿部、今野が起用されたり山岸が起用されたりと、なんだか岡田監督が自分の意思であえてオシム色を継続していったように見えました。
(特にバーレーン戦は、オシム監督時代に戻ったような選手起用だったような…。)


 しかし、実際に戦術は変わっていったと思います。
 例の「接近、展開、連続」は明らかに岡田色だったし、「無用なサイドチェンジ」は減った。
 サイドチェンジを減らすことでのメリットに関してはよく解らなかったのですが、とにかくピッチ内に変化があったのは確かだと思います。






 サッカーは変わっていったのにも関わらず、オシム監督が好んだ選手を招集し起用し続ける…。
 それはちょっと無理な話しなんじゃないかと。


 監督自身のコメントからも大木コーチを入閣させたことなどからも、「大まかな方向性」を維持しようとしていたのはわかります。
 けれども、選手起用など「細かな部分」まで真似する必要性はどこにもなかったんじゃないかと思うのですが。
(記事によると練習メニューも真似ていたようですね。通りで練習が似てたわけだ…。)


 その「細かな部分」まで無理に継続した結果、今回のような発言に繋がってしまったのではないかと…。










 結局、岡田監督もオシム監督の影を背負い、背負わされたことで難しい状況になってしまったのでしょうか。
 まぁ、アマル監督もそうでしたがチームが良い状況での監督交代…しかも、前監督は世界レベルの方だったわけだから、大変なのでしょうけどね。










 でもねぇ…。
 協会やマスコミが何を期待していたかは知りませんけど、多くのサッカーファンはオシム監督の代わりを岡田監督に期待していたわけではないと思います。
 だから、今回のコメントにはサッカーファンからすれば違和感を感じてしまいます。


 特にこれに関しては、私のようなオシムマニア(笑)からすればちょっと聞き捨てなりません。


選考基準、練習方法などチームを一新する考えだが、改革の具体案を例として1つだけ挙げた。「以前は人に付くようなDFをしていたけど、オレは本来やってない。組織的に守る」とだけ明かした。
 コメントにも頂いたけれど、こういったコメントはまるでオシム監督のせいで負けて、オシム監督のやっていたことまで否定しているように聞こえてしまいます。


 マンマークは確かに特殊だけれど、それは単に戦術のごく一部であって。
 オシム監督にはオシム監督の戦術的狙いがあってマンマークを採用していたわけで、監督が変って戦術的な狙いが変わればマンマークを維持する必要性は全くなかったはずです。
 それを選んだのは他でもない岡田監督なのだから、それに対しては言い訳してはいかんでしょう。



 言い訳するのも監督の仕事の1つだと思っているので、単純な言い訳なら文句もいいません(笑)
 けれども今回の言い訳はちょっと酷い言い訳だと思う。








 岡田監督がオシム監督のサッカーに“決別宣言”をしたのは当然だと思います。
 岡田監督が就任したのだから岡田監督のサッカーをすればいい。


 また、それを言ったタイミングに関しても我慢します。
 正直に言えば、「えっ?いまさら?」と思いましたけどね。
 確かに日程的には厳しかったかもしれないけれど、東アジア選手権とかいうどうでもいい大会(テストの機会)もあったわけだし、横浜FM時代のディフェンスリーダー中沢は健在なわけだし、やりようはあったと思うんだけど。





 けれど、それは置いておくにしても、その言い方が非常に残念。
 これではまるでバーレーン戦での責任を他者に押し付けているかのようです…。
 大変な役割だとはわかっていて、仕事を請けたはずなのに。