日本代表 - ボスニア・ヘルツェゴビナ代表
まず、顔に麻痺は残っていましたけど、オシム御大の元気な姿を見れて、感無量です。
コメントも非常にオシム監督らしかったですね。
しかし、オシム監督が日本代表へエールを送ったということは、オシム監督の代表での挑戦は終わったということを意味しているわけですから、複雑な思いもあります。
イビチャ・オシム氏
ご来場の皆さんこんばんは。そしてボスニア・ヘルツェゴビナ代表の諸君、日本へようこそ。私は治療を続けておりますが、これまでご支援頂いた全ての皆さんに改めて感謝いたします。共に私と縁のある日本とボスニア・ヘルツェゴビナ両チームの、代表選手たちの素晴らしいプレーを期待しています。どんな結果であれ、良いサッカーが勝利者となりますように。両国代表が「南アフリカ」で再び対戦することを期待しています。
私よりもオシム監督自身が一番複雑な思いで、あの試合を見ていたんでしょうね…。
ボスニアに対してもいろいろな思いがあるわけですから…ね。
さて、試合の方ですが、まずビルドアップの部分でチリ戦と変化(修正)がありました。
ボスニアがチリほど前からのプレッシャーをかけてこなかったというのもありますが、DFラインでボールを繋いでいる時に中村やトップ下の大久保までが顔を出して、ビルドアップに参加していました。
これにより、ある程度落ち着いてボールを繋げていたと思います。
それでも(強引に見えた)前へのパスは多いですけど。
また、山岸に変って前半は遠藤が左サイドに絡んでいたため、サイドでの起点もある程度出来ていました。
後半は遠藤が自由に動き回っていたので、ちょっと違いましたけど。
でも、左サイドに基点を作ってサイドチェンジし右サイドバックにを活かす形は、オシム監督でもやっていたこと。
「接近、展開、連続を諦めた!」とマスコミが言ったことに対して、「そうじゃない!」という人も多いようですけど、私はもともとそこまで特殊な戦術だとは思わないのですが…(笑)
むしろ、現代サッカーでは基本なんじゃないかと。
しかし、そこからの攻撃に関しては、オシム監督の時とは少しずつ変化がありましたね。
長身のボスニアDFに対し、あんな見え見えのアーリークロスを何本も打っていたら、オシム監督ならなんと言っていたか…(笑)
もっとも内田を起用したのはそのクロスの精度の高さからなんでしょうから、内田の判断というよりチームの狙いなのではないかと思いますが。
また、ほとんどサイドの深い位置を崩すシーンはなく、得点シーンはセットプレーと中央突破だったことも印象的です。
チリ戦でも中央を突破しようとする場面が目立ちましたし、岡田監督やマスコミが言うほど、サイド攻撃の意識はあまり高くないのではないかと思います。
いまのところは。
2試合を見ての感想は、やはりオシムサッカーはそこにはないということです。
それは決して悪いことではなく、監督が変ったのだから(しかもタイプはかなり違う)当たり前のことなんですけど、やはり寂しいというかオシムサッカーがなくなった悲しさというもの強く感じてしまいます。
まぁ、代表チームのことなんかより、巻は大丈夫でしょうか。
巻がいなくなって、高原がサイドに流れたり潰れ役をやっていたのが印象的でした。
高原が潰れた結果、大久保が中で決めてくれればそれでもいいんでしょうけども。