CWC準決勝 浦和 - ミラン

 Jリーグのクラブ対ミランの真剣勝負ということで、かなり気合を入れてテレビを見入ってしまいました。
 セパハン戦なんかは中立かセパハンを応援していたぐらいだったのですが、やはりミラン相手となると話しは変わってきてしまいますね。


 しかし、思っていた以上に差がありましたね…。
 正直、もう少し出来ると思っていたのですが。
 マスコミは「0-1だから僅差だった」と報じていますけど、そんな生易しいもんじゃない。
 0-1は相手の勝利パターンであり、術中にはまっていただけです。
 





 他チームのことなのであまり深くは言わないですけど、もっとも差を感じたのは基本技術の部分でした。
 プレッシャーが来ているときのパス、トラップ、ドリブル、シュート…。
 このあたりの精度の差が段違いでしたね。


 これがオシム監督が日本人の課題である「個の技術」なんでしょうね。
 そういえば、オシム監督は「Jリーグパスミスが多い」なんてことも言っていた記憶があります。
 それが、この試合でますますはっきりしてしまいましたね。
(ポンテはその部分でもミランと対等にやれたのではないかと思います。つくづくポンテの怪我は残念でした。)






 この試合で浦和人気が、全国レベルに広がる可能性があるのではないかと思っていました。視聴率もかなり高かったようですし。
 地域密着もいいけど、それにも限界があります。
 まずは地域に密着してそこから全国に裾野を広げていくべきだと思っているのですが、浦和はそれだけの条件を満たした(地域密着に成功した)数少ないチームだと思っています。


 けれど、この試合ではそこまでのアピールにはならなかったのかなと思います。
 全国にはウイイレファンや海外サッカーファンなど潜在的なサポーター候補がたくさんいると思うのですが、この試合を見ると「やっぱりミラン最高!」で終ってしまったのではないかと。
 もちろん名前は売れたでしょうけど、それだけではね。






 その点を考えると、2002年の磐田はやっぱりすごかった。
 両ステージ優勝という結果だけでなく、見ていて楽しいパスサッカーを展開し、多くのサッカーファンから注目を浴びていましたからね。
 世界クラブ選手権が、予定通り実施されていれば…といい加減諦めなければいけないのに、ついつい思い出してしまいます。



 まぁ、とはいえ、こういったサッカーをしている浦和に文句を言うつもりもないですけど。
 なにせCWCのベスト4のチーム全てが、攻撃より守備に特徴のあるチームですからね。
 現実を見れば…という話しになるのでしょう。
 あとは好みの問題。







 ついでに。
 この試合を「いい経験だった」とか、「Jリーグにとって画期的なこと」とか言うのは、数年後たってから言えばいい話し。
 今、それを言うのはまだ早いんじゃないかと思います。
 これもオシム監督の教えだけれど。
 経験するだけじゃ意味がない。それを物にしてから後でいわなければ。


 例えばこの試合を見て、Jリーグの選手達やその卵達が「やっぱりミランに勝つためには、海外のクラブに行かなきゃ」なんてことになったら、もしかしたら時代がまた逆行するかもしれません(笑)
 可能性の話しだけど、それはどちらも一緒。

 ようするにこれからの努力こそが、重要なんだと思うのです。