山内雄司氏「岡田監督の選考基準が見えない」


実際、オシム監督のもと、反町五輪監督以下、大熊コーチ、小倉コーチ、加藤GKコーチらスタッフは定期的なミーティングを重ねてきた。その様子はまるで「オシム先生と教え子たち」といった風情だったが、1年半の歳月を経て、日本協会もその仕事に一定の評価を与えてきた。オシム監督に頼りすぎる傾向は無きにしもあらずだが、軌道修正が必要な際は技術委員会がコンセンサスを取るというバックアップ体制も出来上がっていたであろう。ならば、ともに「日本サッカーの日本化」を追求してきたコーチ陣から昇格という人事がもっとも自然と言う意見が多いのも当然だ。
 私もその通りだと思いますね。


 反町監督に関して北京五輪代表での指揮を見て不安を感じる方が多いようですが、私はさほど不安視していません。
 確かに選手起用などに関してオシム監督のサッカーとは違うところがあるように感じますが、オシム監督も言うように「下部組織はどれだけトップに選手を輩出できるかが評価要素」なのです。
 水野、本田、梶山、平山など“試合を決める選手”を多く擁したのも、もしかしたら「結果よりも将来性のある選手達を育てろ」という考えが、オシム監督以下コーチングスタッフにあったからかもしれません。
 そのあたりは、第三者にはわからないことですからね。


 また、今回の五輪代表はあまりのも時間をもらえなかった上、オールスターやJリーグを優先した時期も多く、そのあたりを差し引いて評価すべきだと思います。





 それに、アテネ世代も内容は同じような感じでしたしね。
 アテネの時の山本監督の評価も低いですけど、二世代も同じようなサッカーを見せられると、監督の腕よりも選手のほうに疑いの目を向けてしまいます。


 そのアテネ組の選手達も、今では見違えるようにフル代表や各クラブを引っ張っているのを見ると、そういうもんなんじゃないかと思えるようになってきました。 
 要するに23歳以下の日本のレベルってあんなもんで、そこから成長していくもんなんじゃないかと。








 また、反町さんが五輪でオシム監督と方向性の違うサッカーをしていることに関しても、さほど問題ではないように思います。
 北京五輪代表に反町監督が就任してから初めの数試合は、オシムサッカーをやろうとして非常にいい内容のサッカーが出来ていました。



 しかし、それではなかなか勝てなかったり、平山がヘラクレスから帰ってきたこともあって、方向性は少しずつ変わってしまいます。
 平山のようなタイプは、オシム監督のサッカーには合いませんからね。 
 とはいえ、「平山を育てなければ」という考えがあったんだと思います。
 そして、その選択は決して間違っていなかったと思います。





 その後、何とか守備を立て直して五輪最終予選を突破。
 決して褒められる内容ではないですけど、ノルマを達成したのですから酷評されるのは違うと思うのです。


 


 それに、アジアカップオシム監督がああいったサッカーをしたのだから、反町さんの五輪最終予選でのサッカーも決して遠いモノではないんじゃないでしょうか?
 アジアカップでのフル代表の戦いぶりを、忘れてはいけないんじゃないかと思います。




何も内部昇格でなければ駄目、岡田氏では駄目と言っているわけではない。その前に、まず選考基準がどこにあったかが問題である。

岡田氏はオシム監督の教え子ではない。オシム監督とは別の哲学があるのは当然で、そんな氏に対して「オシム監督の土台を大切に」などという注文をつけるべきではない。岡田氏を推すのは、そこに未来を託す決定的な要因があって然るべきで、むしろ「岡田流で」とお願いしなければならないはずである。「継続性も考えているんですよ」的な曖昧さが気にかかる。
 このあたりも、その通りですね。









 なんだかオシム監督1人がいなくなって、一気に化けの皮がはがれたような感じですね。






 オシム監督ありきの日本代表。
 これは協会がオシム監督をジェフから強奪した時にも言ったと思いますが、協会は「オシム監督ありき」でジーコ監督の後の人事を決定したのではないかと思っています。


 要するに、サッカーの方向性だとか強化方針とかは関係なく、「あそこ(Jリーグ)に優秀な監督がいるからとってきちゃおう」といった感じで。
 そして、その考えは今回の監督人事で、ますます怪しく思えてきました。






 そのツケが今、来ているということでしょう。
 しかし、ジェフは今の協会以上に苦しんだということを、協会幹部が理解することはきっとないんでしょうね…。