湯浅健二氏「今後のジェフの発展に期待がふくらみます」

 実は前から湯浅さんがアマル監督から話しを聞いてくれないかな、と期待していたんですよね。


「もちろん、そうさ・・レッズには、ワシントンやポンテ、田中達也や長谷部といった優れた選手が多いからな・・個のチカラじゃ、ウチは太刀打ちできないよ・・でも、その差を、組織プレーで十分に補えたことには胸を張れるけれどね・・」
「ところで・・後半から登場したレイナウドだけれど、ジェフでは久しぶりの本格的な個の才能と言ってもいいのではないだろうか?・・とはいっても、彼の日本デビュー当時のブレーを観たとき、なんでこんな中途半端な選手を取ってきたんだヨ、なんて思ったモノだけれどね・・個人的なチカラはありそうだけれど、走らないし守備もやらないなど、組織プレーじゃお荷物そのものだったからな・・それが、今日のプレーは、まさにビックリ仰天のイメチェンじゃないか・・彼のパフォーマンスアップについては、まさに監督さんの優れたウデが発揮されたとしか言いようがないと思うけれど?」
そんな私の質問に、ちょっとだけ微笑んだアマル監督は、「そう・・レイナウドは急激に良くなってきている・・これからは、彼が攻撃のアクセントとして機能することになると思うよ・・もちろんそれにしても、彼が、我々の攻守にわたる組織プレーにフィット出来てきたからに他ならないけれどネ・・」とウインクする。フムフム、アマル・オシム監督も良い仕事をしている。
 アマル監督はイビチャ・オシム監督以上に本音を話してくれない人ですからね。





 実際には、2人の言っている内容はほとんど変わらないんですけどね。
 でも、イビチャ監督はジョークを交えながら、ヒントをたくさんくれます。
 だから、なんとなくイビチャ監督の方が、本音を話してくれる印象が強いんだと思います。


 でも、刑事ドラマなんかであえて証拠を増やして操作をかく乱する犯人のように、ヒントをたくさん貰えることによって逆に答えは遠のいたりしたりして…(笑)
 まぁ、そのやり取りが面白かったりもしたんですけどね。











 一方で、アマル監督は、敢えてドライな監督を演じているところがあるんじゃないかと思います。
 プロの選手というのは大なり小なり自分のやっているサッカーにプライドがあるので、まずは監督に対して疑ってかかるもの。
 「こいつはホンモノなのか」、「こいつについて行っていいのか」…。
 それに対して、アマル監督は距離を置こうとしているのではないでしょうか。






 エースケがジェフ時代にコーチだった岡田監督の昔と今の違いを聞かれて、「何よりもオーラが違う」と答えていたことがありました。
 昔はいじられキャラだったのに…といっていたように、一流の監督になるためにはオーラというかカリスマ性みたいなものが必要なんだと思います。


 アマル監督もコーチ時代はフレンドリーな人でした。
 今と違って練習でもにこやかに笑っていたのが印象的でしたし、若手とよく居残りでFKやPKの練習をしてました。
 たぶん、そのころは若手とイビチャ監督の間に入って橋渡しをしてやろうと考えていたのでしょう。
 コーチにとって、それは非常に重要な役割ですからね。


 でも、その経験があるからこそ、今は少し厳しくても距離を保つことによって緊張感を与えようとしているのではないでしょうか。









 なにせ、黙っていても威厳のあるあのイビチャ監督と比べられるのは確実ですからね。
 選手達もなめるつもりはなくても、自然とそういった目で見てしまうでしょうし。











 まぁ、それにしても言い過ぎじゃないかと思うことはありますけど、コーチ時代のアマル監督を知っているだけに、素直にそれを受け取ることは出来ないんですよね。
 ただ、「コメントが面白い」と有名だった反町さんだって、五輪で負けがこんでる来ると「何言ってんだ!」って言われちゃうし、イビチャ監督ですらアジア杯前後のコメントはいたって普通でしたらからね(笑)
 結局はそんなもんなのかもしれません。

















 で、湯浅さんのコラムの本題であるレイナウドについてですが、これに関しては特にに何にも(笑)
 確かに浦和戦では効果的でしたし、前よりも走るようになり守備もするようになりました。
 でも、現状ではまだまだでしょう。湯浅風に言えば「いいベクトルに乗っている」のかもしれませんが。
 


 興味深いのは、アマル監督が今後のレイナウドに期待していると言うこと。
 もし、レイナウドを攻撃の要にするのなら、周りをどうするのかと言うことになります。






レイナウドを使うのなら、後ろにはパサーである工藤をいれて、前には羽生か新居のように走り周る選手がほしい。
・でも、レイナウドのような守備をしない選手を入れるなら、巻はなるべく入れておきたい(ターゲットになるためにも)。
・新居を活かすには、レイナウドか工藤のようなパサーが欲しい。
・浦和戦でわかったように、パスサッカーを続けるのならサイドの一方には山岸のような相手を引き付けられる選手を。逆サイドには水野のようなドリブラーが欲しい。
 こうやって色々入れていくと、中盤から前が増えて飽和状態になってしまうけど…
・4バックにするにはきちんとしたサイドバックが欲しい(控えも含めて)。






 難しいですね。
 でも、難しいですけど、悩めるだけましと考えるべきじゃないでしょうか。
 去年なんて、FWの控えが本当にいなかったですからね。
 それを考えれば、嬉しい悲鳴ですよ。







 来期まで考えると、問題は選手がきちんと残ってくれるかですけどね…(笑)
 まぁ、でも今年はそこまで心配しなくても、大丈夫なんじゃないかな。
 去年までで、ひとまず出し切った感があるし…。