山本左近、スパイカーからF1参戦

 意外な起用となり、驚きましたね。
 左近はスーパーアグリのテストドライバーとして契約されていましたけど、GP2にも参戦していることもあってほとんど走らせてもらっていませんでしたし、今回は素晴らしいチャンスなのではないでしょうか。
 相手は前全日本F3チャンピオンのエイドリアン・スティール。
 スティールはクリスチャン・アルバースにパフォーマンスで勝っていましたし、このドライバーに勝てれば名前を売ることも出来るでしょう。
 スパイカーの前進であるジョーダンで走っていた経験もあるわけですし、チャンスはあると思います。頑張ってほしいですね。



 しかし、気になるのは金銭面ですね。
 クリスチャン・アルバースが解雇されたのも金銭面の問題もあったようですが、パフォーマンスが良くなかったことが大きく響いたようですし、左近の前のマルクス・ビンケルホックもさほどスポンサーは付いていなかったけれど、将来性を見込まれて参戦したと言われています。
 そう考えるとそこまでスパイカーの金銭面が厳しいとは思えないのですが(親会社は大変だという話しを聞くけど)、それにしても少なからずスポンサーは持ち込まなければいけないと思います。



 けれど、左近には大きなスポンサーが付いていません。
 新しくスポンサーが付いた可能性もありますけど、昨年スーパーアグリで走ったときはスポンサーが付かなかったわけですし、最下位チームでしかも日本とは関係性の低いスパイカーとなると、そこまで日本のスポンサーは動かないような気がします。海外のスポンサーとなればますますです。
 「左近の親が病院経営」という話しが先行して親がお金を払ったんだろうという話しが進んでますけど、今のご時勢、病院経営なんて儲からないですよ。
 経営学的観点からすれば病院は企業ではないということになるわけで、儲からなくてもいいことが前提の事業です(私が知っている大きな病院なんて年間数億円単位で赤字を出していますしね。どことは言えませんけど)。
 もちろん、ある程度金銭的なサポートはしているかもしれませんけど、それでもこの半年だけのために数億円、数十億円単位の金額を支払わなければならないのですから、病院経営だけでは厳しいでしょう。
(なお、あくまで噂ですけど1500万ドル〜2200万ドルほどのお金が動いたと言われています。もし本当なら病院何個か潰さなければいけないほどの額でしょう。)




 私は、ホンダが動いた可能性があるのではないかと思います。
 中嶋一貴は来期ウィリアムズのレギュラードライバーに昇格する可能性が高まっていますし、トヨタは本気で日本人ドライバーを育成しようとしています。
 ホンダも日本ではある程度頑張っていますけどもう少し時間がかかると思いますし、佐藤琢磨も年齢が年齢です。
 もし今後もホンダがスーパーアグリで日本への宣伝を続けていくつもりなら、佐藤琢磨の後継者は絶対に必要となってきますし、左近はそのスーパーアグリでもドライブの経験があるわけです。


 ホンダは一度、オールホンダで参戦すると発表したもののその後参戦をキャンセルし(BARへのエンジン供給のみとに留まる)、FIA、ライバルチーム、ファン、メディアを壮大に怒らせたことがあります。
 スーパーアグリに関しても、どう考えても佐藤琢磨のためのチームであるのは間違いないのですが、それをあからさまにやって佐藤琢磨が引退(あるいは移籍)すると同時にスーパーアグリも解散(あるいはホンダからの支援打ち切り)というようなことになれば、また同じようにF1村から白い目で見られることになると思います。
 ホンダとしては、避けなければいけないでしょう。








 まぁ、どちらにしても左近にとっては絶好のチャンスです。
 GP2では下位チームに所属したこともあって厳しい状況でしたし、ぜひ結果を残して欲しいですね。 






 明日の更新は未定です。