<a href=http://wsp.sponichi.co.jp/column/archives/2007/04/post_759.html target=new>西部謙司氏「ミニキャンプは肉でも魚でもなく」</a>

 日本代表の“ミニキャンプ”を見に行かれた西部氏が、苦言を呈しています。



最終日の明海大学との練習試合は、大学生にはとてもいい練習になったと思うが、日本代表にとってはどうだったのだろう。正直、見ていて「これならやる必要ないんじゃないか」と思えたのだ。

 高校生とやるよりはマシだとは思いますけど、それでも代表と大学生ではレベルはだいぶ違いますよね。


 オシム監督が以前言っていた、J1との練習試合はどうなったんでしょう?ユース代表はどんどんやっているのに。
 「もし負けでもしたら…」ということで、出来ないんでしょうか。もちろん、オシム監督自身はそんなこと全然気にしないだろうけど。


 ただ、大学生との練習試合も、相手のフォーメーションを好きに変えることが出来たりするし(オシム監督はたまに大学生チームにフォーメーション変更を要求しているらしいし)、メリットもあるのではないかと思います。
 まぁ、できればJリーグのチームとも試合を組みたいところでしょうけど、それができないのであればJFLのチームか大学チームが次の候補になるんでしょうね。




 それとは別に、以下の2つの問題は相手が誰であろうと関係のないことです。


そこから何ができるかが問題なのだが、フリーになっているのにクロスの精度がなかったり、アイデアが平凡だったり。締めくくりがあれでは、数的優位を作る意味がない。


残念だったのは「何やってんだ!」とゲキを飛ばす選手、怒り出す選手がいなかったことだ。常に“世界”を意識している選手がいない、これは代表チームとしては小さい問題ではないと思うのだが。

 この2つの問題の方が心配ですね。


 これらの問題は、ジェフでもよくあること。
 最後の精度が非常に高い選手を呼んでしまうと、オシムサッカーの肝である「数的優位を作る」という動きをしなくても、ある程度簡単にチャンスも出来るし、得点も取れてしまいます。
 そうすると「数的優位を作る」動きが、自然に減ってきてしまうわけです。
 また、リーダーシップをとる選手についても同じで、1人を確固たるリーダーと決めてしまうと(あるいは強いリーダーシップを持つ選手を呼んでしまうと)その選手を周りの選手が頼り、他のリーダー候補が伸びなくなってしまう可能性があります。



 ということで、この2つの問題はある意味で当然起こりうる現象だと思います。
 また、目差している方向性が近いジェフと日本代表が同じ問題を抱えているのも、チーム作りの段階で起こっている障害なので当然のことでしょう。


 ただ、どちらの問題もあくまでチームと選手の育成を考えた上でのもの。
 いつまでも、「チームを作っていく上では仕方がないこと」で済まされる問題ではありません。
 特に日本代表はアジアカップという1つの節目を目前に控えているわけですし、それまでにはひとまずの形を見せて欲しいところです。